誰が、本当に大切にすべき顧客なのか

誰が、本当に大切にすべき顧客なのか

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楽天スーパーセールが始まりました。
早速、これまで買うのを「待っていた」、日常的に使う消耗品を注文。
このスーパーセール期間中は、ポイント還元率がアップしていたり、税別1万円購入で送料無料が5000円購入で送料無料など、送料無料のハードルが下がっていたり、などなかなか良い購入するには良い機会です。

とはいえ、楽天スーパーセール、もしかしたら自ら絞めているのかもしれません。

楽天、3カ国のECサイト閉鎖へ 「楽天市場」成長鈍化、選択と集中

楽天がアジア3カ国のインターネット通販(EC)サイトを3月に閉鎖することが22日、分かった。インターネット通販で国内首位を続けてきた「楽天市場」は競争激化で成長が鈍化。鳴り物入りで始めた電子書籍事業も減損処理を余儀なくされ、右肩上がりで駆け上がってきた成長路線から「選択と集中」にかじを切り始めた。強気の姿勢を崩さない三木谷浩史会長兼社長も昨秋から楽天市場のてこ入れを最重要課題に据えるなど、危機感が高まっている。

(sankeibiz 2016.2.23 07:51)

このように、成長鈍化に陥っているのです。
同記事によると、

3000億円のうち5割強の1600億円を楽天市場など主力の国内EC事業で見込んでいるが、同事業の成長は足元で鈍化。2桁だった営業利益の前期比伸び率は15年12月期に4.6%に失速した。ヤフーやアマゾンなどネット通販各社との熾烈(しれつ)な競争にさらされたためだ。

とのこと。
早速、他社との比較を確認してみました。

楽天市場

初期費用
60,000円

月額
ライトプラン   39,800円(3ヶ月分一括)
がんばれ!プラン 19,500円(年間一括)
スタンダードプラン50,000円(半年ごとの2回分割)
メガショッププラン100,000円(半年ごとの2回分割)

システム使用料/売上手数料
ライトプラン3.5~5.5%
がんばれ!プラン3.5~7.0%
スタンダードプラン2.0~4.5%
メガショッププラン2.0~4.5%

Yahoo!ショップ
初期費用
無料

月額
無料

システム使用料/売上手数料
無料

Amazon
初期費用
無料

月額
大口出品 4,900円
小口出品 0円

システム使用料/売上手数料
販売手数料 8~20% (商品カテゴリーによる)
決済手数料含む

このような差があるわけです。
細かいことは、調べれば一覧表などで比較するサイトを見ればより詳しくわかることでしょう。

さて。
金額の差がが全て…とまではいいません。
ただ、上場する大企業同士の戦いにおいて、ここまで金額の差があると、なかなか厳しいことは確かです。

携帯電話大手キャリアのように、とにかく金額に差をつけたら負ける…とばかりにひたすら他社を追従する例すらあるのです。

では、楽天は、この費用設定の何が問題なのでしょうか。

楽天スーパーセール、と称して大々的にセールするので、利用者としてはありがたいところです。
ですが、店舗としてはどうでしょうか。
これだけの費用を払って、かつスーパーセールで、安売りやポイント還元率アップなどを強要されて、収益は出るのでしょうか。

わかるのは、ここで悪循環が発生しているのです。

(1)楽天市場の出店費用等が高い

(2)店舗側は、費用を圧迫してしまうので思い切ったセールができない

(3)思い切ったセールができないので、顧客から買われない

(4)売れない

(5)売れないので、楽天スーパーセールで、思い切ったセールをするしかない

(6)顧客は、スーパーセールの時に買う

(7)店舗側は値下げして利益を圧迫して苦しむことになる

(8)上記(2)に戻る

こんな感じでしょうか。
この魔のスパイラルの、本当の問題点は、(6)です。
楽天スーパーセールのように、定期的に開催していると、
「今すぐ必要じゃないし、スーパーセールの時にでも買うか」
「スーパーセールの時にまとめ買いしておけば、次のスーパーセールまで持つ」
ということになって、日頃から売上を確保することができなくなるのです。

では、どうすればいいのか。
それは、日頃から思い切ったセールが出来る状態になる、ということです。

ここでいう「セール」とは安売りとは限りません。

個人的には、一番ネックになっているのは
「送料無料」
までのハードルの高さ。

別の例です。
無印良品のネットショップでは、5000円以上購入すると送料無料です。
とはいえ、無印良品では、主に文具や事務用品ばかりを買うことが多いので、なかなか5000円までにはなりません。
そこで、たまに店舗に行って買うくらいです。

無印良品では、たまに10%オフのセールが開催されています。
10%オフの結果、さらに5000円までのハードルが上がります。

結局、ネットでは買えない、ということになります。

今は変わってしまったのですが、誕生月特典で、1000円購入で送料無料、というものになりました。
誕生月の度に、購入していました。

このように、送料無料になるまでの購入金額の高低は、そのままネットショップにおける購入頻度に直結します。

送料無料のオファーを提案する…すなわち、送料分の値引きをすることになるので、店舗側としては思い切った値引きだと言えます。

ですが…出店コストや利用料が足かせになってしまうので、このような提案ができません。
その結果…上記のような魔のスパイラルに陥っているのです。

昔は、それでも良かったのかもしれません。
ですが、Yahoo!が出店コストや販売手数料無料で打ち出してから、流れが替わりました。

楽天がやっていることは、金の卵を生む鶏の首を絞めているようなものでしょう。

楽天にとって、誰が顧客なのか。もう一度考えなおしたほうがいいかもしれません。
顧客は、私のようなショップ利用者ではありません。楽天にお金を払っているのは、ショップ運営者です。
ショップ運営者を追い詰めてどうするというのでしょうか。

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