125万件流出させたヘッドラインの威力

125万件流出させたヘッドラインの威力

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125万件。
ここ数日、新聞やニュースを見ている方であれば、ピンとくる数字ではないでしょうか。

そう、年金機構の個人情報流出問題です。

今日は久しぶりにワイドショーっぽいものを見ていたところ、非常に素晴らしい(?)ものを見かけたのでお知らせします。

今回の、この個人情報流出騒ぎの発端。
それは、年金機構の職員が、ウィルスメールを開封したから、とのこと。

そこからどのように感染したのか、どのようにして個人情報が流出したのか、という話については、技術的な問題なので詳細は省略します。

とはいえ、冷静に考えてみると、何かがおかしい。
ITスキルには個人差はあるものの、怪しい添付ファイルは開封しない…というのは常識です。

仮にも年金機構の職員ということであれば、この程度の常識を知らなかった…というのは考えにくい話です。

しかし開封したからこの出来事が起きたわけです。
なぜ、そんな怪しい添付ファイルを、職員は開封したのでしょうか。

その謎が、今日たまたま見ていたワイドショーで、解決しました。
送られてきたメールの件名が
「厚生年金基金制度の見直しについて(試案)に関する意見」
だったのです。

これが、ヘッドライン(キャッチコピー)の威力です。

優れたキャッチコピーというのは、相手の意識を惹きつけ、読まずには居られないもの。
有名な例では、
「私がピアノの前に座ったらみんなは笑った。けれど、弾き始めると…」
などというものがあります。

これはこれで非常に優れた伝説的なコピーです。
見た人が、続きを気にせずに入られなかったのです。

では、今回のメールの件名、
「厚生年金基金制度の見直しについて(試案)に関する意見」
これはどうでしょうか。

仮に、私のメールボックスに届いたら、開きもしないでしょう。

ですが、送られた相手は、年金機構の職員。
おそらくですが、
「無意識に開封」
したのではないでしょうか。
こんな件名で来ていたら、目を通しておかないと、仕事に差し障りがあるかもしれません。
仕事と思って、「やれやれ」などと思いながらも流れ作業で開封したのではないでしょうか。

仮に、私のメールボックスに
「登録免許税法改正に伴う取扱の変更について」
などと、
「司法書士会」
を騙ってメールが来たら…まず開封します。

本当に改正があったなら、それを知らないと正しい税額を計算することができず、依頼者に迷惑をかける事になります
「え?こんな時期に登録免許税法改正?」
などと思いながらも、開封せざるを得ないでしょう。

キャッチコピーとしては注目を引いて本文を読ませるのが常套です。
しかし、今回のウィルスメールは、その上を行ったのです。
すなわち
「開けて当たり前」
の状態を作り出したのです。

この奥にあるのが、
「正確なリサーチ」
という他ありません。

不特定多数に送るものではない以上、正確に相手の立場を理解して、相手が「開封して当たり前」な件名を考えだしたのです。

非常に単純明快、かつ強力なコピーライティングの活用例です。

多くの企業では、
「【自分】が言いたいこと」
をコピーに持って行きがちです。

ですが、今回は、
「【相手】が読んで当たり前」
なコピーだったのです。

その奥にあるのが、読み手に対する深い理解と洞察です。

ウィルスを送りつけるような人が、ここまでするのです。
私達商売人であり経営者は…もっと顧客のことを知らなければなりません。

有望な見込み客が、無意識にメールを開いて読んで当たり前だと思える、そんなコピーを書くには、やはり有望な見込み客のことを知らなければいけないのです。

そのリサーチをサボって、自分の言いたいことだけを言っていても反応はされません。

悲しいことに、多くの企業よりも、このウィルスメールを送った違法者のほうが、よほどコピーライティングのスキルが上だということになります。

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