「知っている」と「覚えている」との間にある壁

「知っている」と「覚えている」との間にある壁

「知っている」と「覚えている」との間にある壁
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引き続き,選挙ネタです。
…といっても,昨日おとといの記事とは直接関係ありません。

また,このブログは,特定の政党や政治団体を支持することはありませんので,念のため。

選挙結果の報道を見ていたところ,なかなか興味深い内容がありました。

ある地方自治体の議会議員が,特定の出来事で有名になりました。
その議員自身が,なにか非難されることがあったわけではありません。
たまたま「巻き込まれる」形で,その議員について,マスコミの報道が集中しました。

そして,その出来事の是非について,ネット上でさまざまな賛否両論が起きたのです。

ネットでも話題になり,マスコミでも報道が集中。
結果として,その議員はただの地方自治体の議会議員という枠を越えて,「有名人」になったのです。

そこに目を付けた,ある政党がありました。
その議員を,地方自治体の議員ではなく,その政党の代議士候補として勧誘。
その党の公認候補者としたのです。

定義【代議士】
直接選挙で選出され、国民を代表して国政を議する人。国会議員。一般には衆議院議員をさしていう。

ところが,その選挙区は,その地方自治体の地区とは全く縁もゆかりもない土地柄。

一連のマスコミ報道や,ネット上の議論によって
「知名度」
は全国屈指…という期待に反して,実際に選挙運動をしてみたところ,驚くほど名前が知られていないことが発覚。

選挙期間中,必死で名前を覚えてもらおうと,一人ひとり握手したり,SNS投稿をしたり…と様々な手を打ちました。
結果は,落選。

この候補者や政党のやり方について,非難・糾弾する意図はありません。
ただの「出来事」として紹介しました。

この出来事は,非常に学びになります。

ニュースなどでさんざん取り上げられて報道されつづける。
賛否両論はともかく,ネットで取り上げられ,議論の対象になる。

確かに,それで話題になれば,覚えてもらえるかもしれません。

「覚えてもらっている」
ことを期待して,ある意味「アウェイ」の土地で立候補。
ほとんど覚えてもらえていない,という結果となりました。

これは何故でしょうか。
たまたま,その立候補した地区の人達だけが,極端に記憶力が劣っている…わけではありません。
その全国レベルで報道されたニュースについて,その地域だけが報道されなかったわけでもありません。
電波すら入らない田舎…というわけでもないでしょう。

考えられる原因は2つ。
1つ目は,
「実際には知られていない」
ということでしょう。

あれだけマスコミ報道等で騒がれたのだから,知られているに違いない。

これは果たして事実でしょうか。
推測,あるいは希望的観測,主観ではないでしょうか。
本当に,知られているかどうか,それを検証したのでしょうか。

検証の仕方は簡単です。
その地元に行って,顔写真と名前を見せて,
「この方をご存知ですか?」
と尋ねてまわればよかったのです。もちろん,それだけなら「選挙運動」ではないですから,公示前でもできたはずです。

この一手間を惜しんだから,事実上の「アウェイ」で苦しんで落選になったのではないでしょうか。

この1つ目以上の問題。
それは,「知られていない」のではなく「覚えられていない」のではないか,ということです。
例えば,候補者の顔と名前を伝えて,「あの出来事で有名になりました,〜です」と言えば,
「ああ,あなたがあの〜さんですね」
と思い出してくれる人はいるかもしれません。
ですが,思い出せない人も多いのではないでしょうか。

現代の,情報化社会。極めて膨大な情報が日々飛び交っています。

一説によれば,中世の人が一生を掛けて得られる情報料は,新聞記事1日分だ…という話です。
私達が,一日に接する情報量は…個人差あるいは日にちに差はありますが,もしかしたら新聞記事1日分を凌駕していることも珍しくないでしょう。

新聞記事1日分,文字数に似て約70万部。
コンピュータの単位にすれば,35万バイト(280万ビット)だとします。

人間が一生の間に処理できるのは1500億ビット…という説があります。
この説が正しいならば,人間が処理できる情報量は…
1500億ビット÷280万ビット≒53571。

人生約80年で,新聞記事53571日分の情報量しか処理できない,ということになります。

要するに…現代社会において,情報量は多すぎるのです。
この議員について全国規模で,様々なメディアで取り上げられ,紹介されたから,「知られた」かもしれませんが,それが「覚えられている」とは限らないのです。

「知られている」ことと「覚えられている」との間には,高い高い壁があるのです。

さて,この教訓は,私達マーケッターにおいても,極めて重要な教えとなります。
顧客はあなたのことを「知っている」かもしれません。
ですが「覚えてもらっている」でしょうか。
正確にあなたのことを理解してもらっているでしょうか。

「もう,顧客は私達のことを十分に知っている」
と思い込んで,顧客に「知ってもらう」「覚えてもらう」努力を怠ってはいないでしょうか。

何度伝えても,足りません。
顧客から「飽きた」と言われても…すぐ忘れられます。
それだけ顧客は様々な情報に晒され続けているのですから。

継続して,あなたのことを知ってもらう努力を続けて下さい。
SNS,ブログ,メルマガ,ニュースレター。
あるいは,訪問,DM,電話…
方法はいくらでもあります。
継続してください。

…でないと,忘れられます。そして忘れられたころに,他の競合があなたの大切な顧客をかっさらっていくのです。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平

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