コピーに使ってはいけない「劣化した言葉」

コピーに使ってはいけない「劣化した言葉」

コピーに使ってはいけない「劣化した言葉」
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定義【コモディティ化】
類似の商品の機能・品質に差がなくなり、どれを買っても同じだから安い方がよいという状態になること。

これを別の見方をするならば,これまでとても価値があったものが,だんだん個性を失って劣化し,安っぽくなっていく様子だ,とも言えます。

世の中,様々なものがコモディティ化しています。
いろんな商品やサービスが,どんどん安売り競争に突入していきます。

…が,今日は,商品・サービスのコモディティ化ではなく,違うもののコモディティ化の話です。

それは,
「言葉」
です。

言葉のコモディティ化…別の言い方をすると,劣化して風化しつつあるように感じます。

劣化・風化する言葉とは,言い古されて飽々することでもあります。
これをコピーに使うと,大きな弊害が起きます。

なぜか。
飽々した言葉を使うと,
「あ,またコレ系ね」
と思われて,すぐに注意を逸れるからです。

広告,コピーは,見てもらわないことには話になりません。
ですが,この劣化した言葉を使うと,それが「注意を逸らすトリガー」になるのです。

人は,特定の言葉に反応します。
例えば,私だったら「カピバラ」という言葉にはどうしても反応してしまいます。
ここでの「反応」とは,思わず注意をひかれる,ということです。

これの反対の減少も起きます。
劣化した言葉を使うとそれを見ただけで,反射的に逆に注意を向けないようにしてしまうのです。

以下,いくつかの劣化した言葉を紹介します。
くれぐれもコピーには使わないようにご注意下さい。

1.安心
これについては,これまでにブログで書いてきました。
多くの人が「安心」とばかり使うので,同じ「安」の文字でも,安っぽさばかりが目立ちます。

冷静に考えてみれば,「安心」を売りにできる商品というのはどれだけあるのでしょうか。

コンビニに行って,
「このお茶は,毒が入っていませんので安心です」
と書いてあったら,そのお茶が欲しいと思うでしょうか。

他所の国ならばともかく,日本においては,
「安心」
は,あって当たり前のものです。

本当に「安心」を売りにしたいのならば,別の表現を使うべきでしょう。

2.成功/成功者
これも,完全に劣化しています。

自己啓発から発展した「成功哲学」が流行った時期がありました。
その名残で,未だに「成功」を謳う広告をみかけることがあります。

では,成功とは何でしょうか。
プールサイドでドリンク片手に過ごす日々のことでしょうか。
それとも,札束を積み上げることでしょうか。
美女を何人も侍らせることをいうのでしょうか。
高級外車を街中で走らせて,多くの人を振り返らせることでしょうか。
あるいは,年収1000万円とか,年商1億円といった,「誰もが夢見る」数字に到達できることでしょうか。

別に,これらのことが悪い,と言いたいわけではありません。
本気で,これらのことを実現したいならば…本気で,これらのことが実現できれば成功者だと思えるのならば,目指せばいいだけの話です。

ただ,これらの列挙したものは「テンプレ」ではないでしょうか。
テンプレ…テンプレートとは,いわゆる定型文を意味します。
つまり…決められた,与えられた,押し付けられた安っぽい成功だということです。

そんなものに…どれだけ勝ちがあるのでしょうか。

成功とは何か,については,このブログで過去に書いてきました。
詳細はそちらをご覧ください。

明日成功者になるにはどうすべきか
http://goo.gl/Bg55Ja

安っぽく成り下がった「成功」とか「成功者」という言葉を使ってしまうことで,商品やサービスまで安っぽく成り下がってしまいます。
具体的に言葉にできなくとも,そういったテンプレ的な「成功者」は飽きられているのではないでしょうか。

3.感謝
これも,本当に劣化してしまっています。とりあえず口にしておけばいい…という感じになっています。
これについては,一話まるごとつかって解説したので,そちらをご覧ください。

思いをそのまま発信する安っぽさ
https://goo.gl/40ibWP

4.笑顔
コピーを書くときには,具体的に描写をする,というのが私の信条です。
例えば,
「お客様が喜んだ」
と書くよりも,
「うつむいていたお客様が(中略)笑顔になった」
のほうが,具体的ではあります。

ですが,今となってはこの「笑顔」という言葉もコモディティ化が激しくなってしまいました。

単に「喜ぶ」とか「嬉しい」といった言葉の類義語として,代わりに使われ続けた結果です。

「お客様の笑顔のために…」
といった,企業スローガンを目にするようになって,ますます劣化しつつあります。

残念ながら,言葉も消耗品となる時代です。
特に,最後の「笑顔」などは,まだまだ必要とする,使える言葉だったはずです。
しかし,使う側が安っぽく,思いも込めずに使われ続けた結果,劣化が激しくなりました。

今回は特に劣化が激しい4つの単語を紹介しました。
ですが,ここには入れなかった言葉でも,言葉「だけ」で何とかしよう,上手く言いくるめよう,という意図が混じった使い方をする限り,安っぽさはどうしても抜けません。

逆説的ではありますが,言葉とは言うものではありません。
「見せる」
ものなのです。

伝えたいメッセージがあるならば,それを言葉を重ねて伝えるよりも,行動で見せたほうが,ずっと伝わります。
こればかりは,何百年経とうと,変わらず,劣化することもないでしょう。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平

追伸
売上を上げようと,がむしゃらにがんばってきたけど…疲れてきた。
そんなあなたは,一度こちらをご覧ください。

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