人の意思決定の背後にある本当の「要因」

人の意思決定の背後にある本当の「要因」

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メールに、こんな依頼が来ていました。

>最近購入した商品についてのレビューを書いてもらえませんか?
>他の人が商品を選ぶ時に最も参考になるのが、あなたのレビューです。
>是非、ご協力ください。

実際に、ここで言う「あなた」すなわち、「私」のレビューが「最も」参考になるかどうかはさておきます。
とはいえ、他の人の意見は、とても気になるところです。
自分が買った商品について、URLをクリックして、他の人がどんな意見を出しているのかについて、見てみたくなりました。
(URLが間違っていて、違うベージに飛んでいきました…)

さて、今日のテーマは。
「他の人の意見」
です。

割と最近「人の意見」の影響力の大きさを実感する出来事が2つありました。

1つは、舛添氏の東京都知事辞任に関する一連の出来事です。
所変われば、考え方も変わるようです。
ネットの記事を見れば、支那では、舛添氏の所業を、
「清官(清い役人)」
という認識できるようです。
…それだけ汚職や腐敗の酷いお国柄、ということなのでしょう。

ですが、彼の会見を見て、ひたすらバッシングし続けるマスコミやネットの記事が拡散。
参院選に飛び火することを恐れて、最終的に辞任ということになりました。
結局、公費の使い込み、というその額は、新たに都知事選を行うための約50億円という金額からすれば微々たるもの。「経費の無駄の排除」という観点だけで判断するならば、都知事選のほうが遥かに経費が掛かります。
それでも
「許せない」
という意見が世論を形成していったのです。

結局は、金額の算定ではなく、感情。その判断が世論を動かしていったのです。

もう一つの理由。
それは、イギリスのEU離脱。
離脱が確定し、ポンド暴落により、200兆円ちかくの資産価値が消滅。
…その時点に至り「EU離脱」についてGoogleで検索した、なんて記事を見ました。
また、離脱に投票した人が、やり直したい、という意見を述べている、という記事もあります。

離脱することで、経済的に大きな影響が出る…ということは予めわかっていたことです。
それでも離脱に投票して…それからGoogle検索。

この背景に何があるのでしょうか。

単純に投票した人が愚かだったから、ということだけでは済まされない、別の要因があります。

その人が「離脱」に意思決定するに至った要因です。
私自身は、「アイデンティティの問題」だと考えました。ですが…それだけもありません。

もともと、世論は「残留」が優勢だったところ、ボリス・ジョンソン前ロンドン市長の離脱表明により、風向きが変わっていったのです。

さて、この舛添氏の辞任劇、そしてEU離脱という出来事。
この背景にあるのは、誰かの大きな影響力により意思決定が作られた、ということです。
では、その意思決定の、その後ろにあるもの、そして冒頭の「レビュー依頼」と重なる部分。
あなたは、それが何かわかるでしょうか。
ちょっと考えてみてください。

これは、私なりの見解です。
ほんの数秒前、あなたはどんな気分だったでしょうか。
具体的には、数行前の「ちょっと考えてみてください」という一文を見てどう感じたでしょうか。
そして、あなたは実際に考えて読み進めたでしょうか、それともそのまま読み続けたでしょうか。

ここに、私なりの答えがあります。

「人は自分で考えるのはめんどくさい」
と思う生き物です。
面倒、あるいは大変、難しい、厄介…

自分で考えるのを避ける。
それが、多くの人の反応です。

だからこそ、
「誰かが自分の代わりに考えてくれる人」
の意見があると、その意見を「参考」にするのです。

舛添氏の一連の問題を、感情抜きに「公益」という観点だけで比較分析して、「辞任が妥当」「留任が妥当」などと判断した人はどれだけいるのでしょうか。

誰かの感情的な意見に、そのまま論理的な後付の理由をくっつけて、
「その意見に賛成」
した人の法が多いのではないでしょうか。

ボリス・ジョンソン前ロンドン市長という権威や影響力のある人の意見を鵜呑みにした人の法が多いのではないでしょうか。EU離脱と残留をきちんと自分の頭で比較検討して考えた人はどれだけいるのでしょうか。

自分の頭で考えるのは大変なのです。
みんな、いちいち自分で考えたくありません。
ですから、誰かの意見を持ちだして「賛成」「反対」というインスタントな結論を出すほうが楽なのです。

同じように「購買」意思決定も大変です。
だから、
「すでに買った人」
の意見を「参考」にするほうが、楽なのです。

「他の人が商品を選ぶ時に最も参考になる」のは「レビュー」ということになるのです。

最後に。
人の意見を尊重する、最後の理由。
それは、自分の決断に責任を取りたくない、という考えもあります。
誰かの意見を参考に最終的に決断したのは、まぎれもなく本人の責任です。
当たり前です。

ですが、その決断が失敗した時に、
「自分の頭で真剣に考えたわけではない」
すなわち
「自分が間違っていたわけではない」
という正当化の逃げ道が必要になるのです。

逃げ道云々まではさておき。
説得そのもの、それ以上に「決断のしやすさ」ということも意識して、他の人の意見…いわゆる「お客様の声」を集めてみてください。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
飯山陽平

 

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