マクドナルドの凋落に学ぶ「お客様の声」 後編

マクドナルドの凋落に学ぶ「お客様の声」 後編

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今日は昨日の続きです。
マクドナルド起死回生のキャンペーンとして、健康志向を打ち出すことにしました。
その前提として、社長が全国各地を回って、子どもをもつ母親に対して、
「マクドナルドを良くするためにどうしたらいいのか」
を聞いてもらったところ、
「もっと野菜を使ったメニューがあったらいい」
という声がありました。

…その声に基づいて新メニューを開発。

とはいえ、健康志向を打ち出すことで、サブウェイと競合になります。
おそらく、失敗に終わるでしょう、という話でした。

ではどうすればいいのか、というのが今日のテーマです。

あなたも、どうすればいいのか、ちょっと考えてみてください。
それが正解不正解ということではなく、自分の頭で考えてみることが力になります。

さて。
私なりの答えを、1行で表現すると、次の通りです。
「カサノバ社長を更迭」
これに尽きます。

だいぶ飛躍した話なので、細かく解説してきます。
といっても、今日はマーケティング的な話ではなく、よりメンタル的な…あるいはマインドセット的な発想になります。

今回の場合は、そもそもの「前提」から見直す必要があります。
前提というのは、カサノバ社長の質問です。
「マクドナルドを良くするためにどうしたらいいのか」
この問い自体が間違っています。
なぜでしょうか。

この点について、世界ナンバーワンマーケティングコンサルタントのジェイ/エイブラハムは卓越の戦略上級編において、このように述べています。

「多くの人は、「何と言ったら、人は買ってくれるだろう?」と考える。その代わりに、あなたは、「何を人に 与えられるだろうか?どのようなベネフィットを人に与えられるだろうか?」と考えるべきなのだ。」

これが答えです。
マクドナルドは「なんと言えば買ってくれるだろうか」と、直接母親たちに聞いているだけなのです。
質問が間違っているのです。

「何を人に 与えられるだろうか?どのようなベネフィットを人に与えられるだろうか?」
全国行脚した時に、この質問をすべきだったのです。

マクドナルドをどう良くするかなんてのは、顧客には関係ないのです。
じっくりと、顧客の抱えている悩みや問題に耳を傾けるべきなのです。
その上で、どんなベネフィットが提供できるかを考え、それを実際に提供してみて、喜ばれるかどうかまでテストしなければいけないのです。

その結果、想定外のニーズやウォンツが出てきたなら…それを新規事業にすればいいのです。
安い不健康なハンバーガーに執着していても、そのビジネスモデルがもはや時代遅れになっているかもしれないのです。

だからといって、今から新しいハンバーガーを…と思っても、例えば健康志向ではサブウェイには勝てません。
1つ1つをオーダー受注後に作り、熱々の商品を提供するなら…モスにも勝てません。

それでも、今までは顧客が居たのです。
不祥事によって来なくなったのです。

ならば。
そもそも母親たちに質問をして回るという時点でも何かがずれてます。
ぶっちゃけ、マクドナルドに健康などを求めている人は居ないでしょう。
それでも人が来ていたのです。
まずは不祥事によって「なぜ見放してしまったのか」を徹底的に聞き出さないといけないのです。

問題の本質に迫らずに、不祥事についてお茶を濁して新規キャンペーンで風化させようとする意図が透けて見えます。
そして、その新規キャンペーンも、何かがずれている…。

この「ずれ」の根本がカサノバ社長なのです。
だから、解任が必要なのです。

テレビ報道で、取材したキャスターが、
「健康志向では、他の強豪もある中で、どのようにマクドナルドの強みを出していくのか?」
という問いに対して、
「ビックマックを始めとした様々なメニューが有ること、熱々の商品を提供できること」
という文字通り的はずれな回答をしました。

さらに、
「離れていった顧客は取り戻せるのか?」
という質問に対して、
「客のニーズにこたえていけばマクドナルドは再建できる。100%責任を持ってやります」
という回答をしています。

つまり、聞かれた質問に対して答えるという誠実さが、彼女にはないのです。
自分に都合のいいことしか言わない傲慢さが、頓珍漢な回答をして、そして的はずれなマーケティングキャンペーンを展開しているのです。

私の記憶が正しければ、消費期限切れのチキンを使った…という一連の出来事に関しては、カサノバ社長の就任前に起きた出来事です。
直接責任はないのかもしれません。だからといって、社長として就任した以上、そこを直視して、責任を取り、問題の本質に切り込んでいかなければならないのです。
彼女のやったことは、問題発覚から1ヶ月以上もの間、彼女自身が公式に謝罪することはありませんでした。
その上で、その問題の本質には切り込まずに、ハワイアンだの健康志向だのと、ずれたマーケティングキャンペーンを展開。

同じような事例で、ベネッセの個人情報流出問題があります。
就任した直後の原田社長が同じ事態に直面しました。
就任前の問題が、就任直後に発覚。まさに降って湧いたのです。
それに対して、原田社長は謝罪した上で、個人情報の登録がなくても利用できるサービスを開発。
ローソンで一定金額のクーポンを買い、そのクーポンコードをウェブで打ち込むだけでサービスを利用できるようにしたのです。

個人情報流出という不安に対して、個人情報がなくてもサービスを利用できるようにしたのです。不安に対して直接的な解決策を出したのです。

某国みたいに1000年謝り続けろということではないですが、カサノバ社長の謝罪は、会見を見ていると、あのふくれっ面からは「とりあえず頭下げておけばあんたら気が済むでしょ」とでも言わんばかりの雰囲気でした。
…まあ、これは私の主観ではありますが、事実は、問題発覚直後の「行動」。そこに意図が如実に表れています。

最後に。
ビジネスモデルが古くなってしまったらどうすればいいのでしょうか。
単純に新しいビジネスモデルを構築すればいいのです。
じっくりと顧客の意見に耳を傾け、何が必要とされているのかを聞き出します。
その上で、場合によっては新規事業として展開していけばいいのです。

マクドナルドは、カサノバ社長に、このような新規事業も含めたイノベーションを求めたかったのではないかと推測します。
ですが、彼女はその期待に的はずれな行動で応えているのです。

その奥にあるのが、彼女自身の人間性に起因します。
現場からの叩き上げだったはずが、社長になることで、何かを見失ってしまったのかもしれません。
カサノバ社長とともに運命を共にするか、それとも、さっさと更迭して浮上するか。
マクドナルドはひとつの岐路に差し掛かっています。

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