あなたは何屋さんですか?

あなたは何屋さんですか?

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まだそれほど前の話ではないのですが、日本に、ついにブルーボトルコーヒーが上陸した、なんてニュースがありました。

私もコーヒー党の一派として、いずれは訪れてみたいものです。

だからといって、私はコーヒーの味に対して、そこまでこだわっているかどうかといえば、決してそんなことはありません。

さすがに、セブンイレブンのコーヒーとスタバのコーヒーを飲み比べれば、味の違いがわかる…くらいのレベルです。

スタバでブレンドコーヒーを買うと、「おかわりコーヒー」なるものがあり、100円(税別)でもう1杯同じサイズのコーヒーが買える、という制度があります。
そのおかわりコーヒーを持って帰って、翌日に飲んでいるレベルです。
時間が経つことで、風味も何もあったものではありませんが、それはそれで気にしません。

あえてこだわるならば、
「ブラックコーヒー」
というところでしょうか。
よく脳は糖分を必要としている…などという話は耳にしますが、甘いものを摂ると、集中力が目に見えて欠落していくのがよくわかるので、集中したいときは甘いモノを避けるようにしています。

さて本題。

スタバは、
「何屋さん」
なのでしょうか。

コーヒー屋さんなのでしょうか。
コーヒーを売っている店なのでしょうか。
コーヒーを始めとしたドリンクを売っている店なのでしょうか。

この、
「何屋さんなのか」
という問いは、驚くほど重要です。

例えば。
ウェブデザイナーがいるとします。
ウェブデザイナーさんは、
「ウェブデザイナー屋さん」
なのでしょうか。

顧客は、
「ウェブデザイン1つください!」
と言って買ったり、あるいは
「ウェブデザイン1つ欲しいです」
といって探したりするでしょうか。

整体師は、
「整体屋さん」
なのでしょうか。
患者は、
「整体1つ下さい」
と言って注文するのでしょうか。

残念ながら、今の時代はそんな時代ではありません。
よほどコモディティ化(一般消費財化)した商品ならば話は別です。

八百屋へ行き、
「ネギ一束下さい」
という注文はまかり通ります。
逆に言うと、このようなシンプルな注文がまかり通っている限りは、コモディティ化してしまっているので、価格競争を脱出することは事実上不可能です。

では、この八百屋はどうすればいいのでしょうか。
例えば、顧客である、ある女性がやってきたとします。
「もうずいぶん暖かくなってきたのに、今頃ウチの子が風邪引いてね…」
なんて話になったとします。

そんな時に、八百屋は、
「ならばしょうがだよ。しょうがを摂ると、体が温まって早く回復するよ。確か娘さんは、◯◯が好きだったから、それにしょうがを入れても風味が大きく変わることはないから、少しすりおろして入れてあげてね」
なんて話ができれば、コモディティ化を脱出することはできます。

この時の八百屋は、「何屋さん」なのでしょうか。
「ただの八百屋」
ではない、ということはご理解いただけたでしょうか。

例えば、
「顧客の健康問題を、野菜で解決する専門家」
としてとらえたならば、同じ生姜を売っている他の八百屋と比較しても圧倒的な差別化ができます。

整体師はどうでしょうか。
「整体」を売っているわけではないでしょう。
ならば、例えば整体院がビジネス街にあるとしたならば、
「ビジネスマンが仕事で最大のパフォーマンスを発揮するための健康管理専門家」
として捉えたらどうでしょうか。

一日の大部分を椅子に座って過ごすデスクワーク中心のビジネスマンだったとしたら、腰痛は生産性向上の大敵。
「腰痛を治す」
と謳う整体師はどこにでもいます。
「あなたの生産性を最大限発揮するお手伝い」
の一貫として、腰痛へ対処する整体師はどれだけいるのでしょうか。

今日のタイトル。
「なぜスタバなのか」

そして。
「スタバは何屋さんなのか」

スタバの売り物は、「環境」だったり「場所」だったりします。

職場でもなく、自宅でもない、
「第三の場所」
を提供するのが売り場です。

最近はノマドワーカーも増え、今の私のように、パソコンを広げてカタカタ音を発てている人は増えてきました。
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でも。
ドトールとタリーズと、スタバが並列しているような場所があったら、私はスタバに入ります。
まあ前2つは、喫煙席がある時点で選択の余地はないのですが…。

それ以上に、スタバはこの
「第三の場所」
を提供する、ということに対して徹底されています。

かつて、ある金曜夜のこと。
閉店1時間前。
スタバで本を読んでいました。
ショッピングモール内のスタバで、金曜夜遅い時間です。
店内からある客が去り、ついに私一人になりました。

店内で顧客一人入り浸っている状況というのはなかなか気まずいものです。
閉店間際でもあることだし、店員も片付けモードに入って、店内の掃除とかテーブルを拭いたりとかしたいことでしょう。

…ところが。
顧客が私一人になった瞬間、店内から店員の姿が消えたのです。

少しして、他の客が来店した時は、すぐにカウンター内に姿を現し、そしてその客が帰ると、また私の視界から姿を消しました。

私の座っている座席の視界には入らない場所(そしておそらく、他の顧客が来店した時にはすぐに分かる場所)に移動したのです。

掃除もしたかったでしょうに、顧客が一人しかいない状況下でそれを始めてしまったら、私が落ち着かないのではないか、という気遣いがあったのでしょう。

これが、
「第三の場所」
を売っている、ということを行動で示しているということなのです。
だからこそ、私はいつもよりも一段高いレベルで集中したい時や、外出先で時間を持て余した時、すぐにスタバを探して入るのです。

まとめると。
「あなたは何屋さんですか?」
という質問。
そして、顧客は
「何を求めているのか」

この乖離を埋めて一致させた時に、あなたの提供するものと顧客の欲求が重なるわけですから、売れるようになるのです。

一度どこかで、真剣に
「あなたは何屋さんなのか」
「あなたが提供している物の本質は何なのか」
「顧客は何を求めてあなたを探そうとしているのか」
このあたりを考えてみてください。

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