問題解決型専門サービスの、価値の本質はどこにあるのか

問題解決型専門サービスの、価値の本質はどこにあるのか

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突然、複合機のネットワークスキャナが使えなくなりました。
いろいろと設定をいじってみたり、ネットで検索してみたものの、よくわかりません。
わからないまま、不便な思いを2週間ほど続け…サポートセンターに問い合わせしてみることにしました。

サポートセンターに電話してみたところ、担当者から電話があり、指示通り言われるままにチェックしてみました。
まず訊かれたのが、いつから、及び原因です。
時期は2週間前ですが、原因としては
「何か設定を変えたりとか、変わったことが何かありましたか?」
と訊かれても、
「特に思い当たりません」
という他ありません。

まず、複合機のIPアドレスを調べて、そこから設定をチェック。
次に、専用ソフトからアクセスしてみて、再設定。
再設定後、もう一度スキャンしてデータ送信。

それでもスキャンデータの送信ができません。

そこで、サポートセンターの担当者は、
「ここまでチェックした結果、やはり複合機とパソコンとの間のデータ送信が上手く行っていないようですね。原因としては、セキュリティソフトによるファイヤーウォールでブロックされているようです。こうなってしまうと、電話対応では難しいので、専門の技術者がお伺いして設定させていただきたいのですが…」
とのこと。

そこで私は、
「あ…そういえば、ちょうど2周間ほど前、セキュリティソフトを新しく入れ替えたのを思い出しました」

セキュリティソフトが原因ということであれば、自分でも対応できます。
まず、ファイヤーウォールを一旦カット。
その上で、もう一度複合機からスキャンデータを送信。
問題なくすぐに、パソコンからデータの受信を確認できました。

そこで、
「セキュリティソフトが原因なので、設定は自分でできます」
と回答して、技術者の派遣は断り…5分も経たずに設定完了しました。

さて、この話のポイントは、次の3つです。
(1)検証
一つ一つ、検証作業をしていき、それも異常が無いことの確認を積み重ねていきました。

(2)専門知識の推測
いくつも検証した結果、それでも異常が無いにもかかわらず、スキャンデータの送信ができていない、という事実が目の前にあります。
その時に、はじめて推測の出番です。
おそらく、この担当者の、これまでの知識経験から
「セキュリティソフトが原因」
という推測をしました。

(3)原因と結果
ここでの最大のポイントはこの点になります。
私自身がいろいろ試行錯誤したけれど、それでもスキャナの送信をすることはできませんでした。
その結果、2週間不便な思いをしました。
私一人では、復旧できなかったのです。

ですが、サポートセンターに問い合わせすることで、
「セキュリティソフトが原因ではないか」
という見解を得ました。
そして、私一人で試行錯誤していた間は、セキュリティソフトが原因…という考えは思いつかなかったのです。

結果的に、セキュリティソフトが原因であり、自分でセキュリティソフトをいじって、5分も経たずに復旧させました。
2週間不便な思いをしたのに、復旧に掛かったのは5分です。

この「自力で」「5分で」復旧した…そこに焦点を当てると、大したことがない、という話で終わります。
ですが、「セキュリティソフトが原因」という考えが出てこなければ、「自力で」「5分で」復旧、という結果にはたどり着かなかったのです。

もしかしたら、問い合わせしなかったら、これからも不便な思いを続けて、もう2週間3週間我慢し続けたかもしれません。それでも「セキュリティソフトが原因」と思い至るかもしれないし、思い至らないかもしれません。

問題解決を生業にするビジネスがあります。
例えば、一般的な士業。具体的には弁護士などがあります。
他にはコンサルタントなども同じです。

彼らの知識には価値があります。
その価値がある理由。それは、その人の目の前の問題に対してカスタマイズされた最適解を、短時間で導き出せるということです。

はじめに、現状分析をした結果、問題の根源を把握した場合、最適解として、「この一手」を打つ、というのがこういった問題解決を生業にする専門サービスの本質です。

ただ、結果的に、
「あ、なんだ、セキュリティソフトが原因か」
となれば、そこに価値を感じにくくなります。
実際、セキュリティソフトが原因だ、と【わかれば】すぐに自分で対処できたからです。

ただ、問題の本質は、【なかなか自分ではわからない】もの。
専門サービスを提供している専門家がなぜその問題の本質がわかるのか。それは…それが専門だからです。
具体的には、その問題を解決するために、相応の費用と時間を掛け、知識スキル経験を研鑽し続けているから、短時間で最適解を提示することができるのです。

それでも…その解決策がシンプルで、すぐに得られると、その価値を感じてもらいにくくなるのです。

専門サービス…特に形のないサービスを提供している場合、量や時間と価値を切り分けて下さい。
すなわち、時間がかかれば掛かるほど価値がある…ということではない、ということを顧客に伝えてください。
短い時間で解決できる、ということに価値がある、ということを顧客に伝えてください。
そして、これまで顧客自身が、自分ではその問題を解決できなかったこと、でもあなたに相談に乗ってもらったからこそ、最適解を得られた、ということを伝えて下さい。

そうでないと…あなたの知識スキル経験に価値を感じてもらえなくなります。
「なんだ、」
で終わってしまうのです。

 

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