ある報道番組を見ていたときのことです。
台湾の観光地が,客が来なくて閑散としていました。
理由は,台湾の総統が変わり,中国との距離感を取るスタンスにを取ったから…
中国政府がが「台湾には観光にいかないように」という指示を出した結果,中国人観光客からの売上が壊滅状態。
現地の観光客相手に仕事をしている人は,台湾の新総統に対して恨み節をぼやいていた。
そんな内容でした。
これを見て…
「それはおかしい」
違和感を覚えた次第です。
その新総統を選挙で選んだのは,国民です。
つまり,責任は総統そのものにあるわけではなく…
という話ではありません。
単純に,力にモノを言わせて,不公正な商取引を強要する。
ここでは,台湾旅行を禁止する。
そんな横紙破りをするほうが悪いのではないでしょうか。
それを,新総統のせいにする。
別に,新総統を擁護する,とか中国を避難することが目的ではありません。
非難の矛先がずれている,と言いたいわけです。
別の例を紹介します。
これも非常によくある例です。
「いじめ」を原因に自殺…という事件が起きるたびに,出てくる話です。
それは,「いじめられる側にも原因がある」という論調です。
これもおかしな話です。
相手が嫌がることを強要させれば,強要罪(刑法223条)です。
相手を殴れば,暴行罪(刑法208条)です。
殴った結果,怪我をすれば,傷害罪(刑法204条)です。
刑法の妥当性まで議論をはじめたら大変なことになるので,単純に「違法行為」とまとめることにします。
違法行為の加害者と被害者。
どちらが悪いのでしょうか。
それを「被害者が悪い」というのは,単純に考えておかしな話です。
この論調が通ると,
「人が殺されても,殺される方が悪い」
という理屈になります。
似たような話で,女性が強姦されると,
「そんな薄暗い通りをあるいている女性が悪い」
とか,
「肌が見える服を着るから悪い」
という論調がおきます。
強姦罪(刑法177条)の加害者と,被害者。
どちらが悪いのでしょうか。
身の危険を避けるための防犯行為をしたほうがいいのは,ある意味当然でしょう。
暗い夜道を避けて明るい道を歩いたり防犯ベルを常備したり…
ということは身を守る上で大切です。
では,それをしなくて犯罪被害にあったら…それは被害者が悪い。
これは正気とは思えない論調です。
さて。
今日のテーマは,どれだけ「識別」できるかどうか,です。
上記の例では,防犯意識の問題と,犯罪被害を混同してごっちゃにした結果,「襲われる方が悪い」という気が狂った判断になる人がいる,という話でした。
つまり防犯の話と,犯罪被害という話を「分けて考える」ことができれば,このような気が狂った結論にはならないわけです。
わかりやすいので「犯罪」を例に紹介しました。
それが,広告になると…とたんにおかしくなる人もいます。
例えば,DM。
DMを1回出したけれど,反応がなかった。
そこで「だからDMはダメだ」という人は,犯罪被害者に対して「自業自得」というくらいには正気さが足りないということになります。
DMの反応がないのはなぜでしょうか。
もしかしたら,ターゲットが間違っているかもしれません。女性に,男性向けのひげそりを売り込んでも売れません。これは明らかにターゲットの誤りでしょう。
あるいは,時期が悪かったのかもしれません。
DMを送るリストが悪かったのかもしれません。
コピーがいまいちだったのかもしれません。
価格が高すぎるからかもしれません。
そもそも,DMで売りたい商品が根本から魅力がない,価値がない商品かもしれません。
もしくは…これらの複数項目に該当しているから,反応がないのかもしれません。
にも関わらず…反応がない,という出来事を以て「DMはダメだ」という人。
これはおかしいのではないでしょうか。
「何が悪いのか」
という表現はキツイかもしれません。
「何が問題なのか」
を正確に特定して,その原因を改善する。
それがマーケティングの成否に直結します。
だからこそ,マーケティングに限らず,
「それはおかしいでしょ」
というアンテナは伸ばしておいて下さい。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
追伸
先日,ある士業の先生から,
「◯◯士は,ホームページから集客できるはずがない」
と言われました。
実際に,その◯◯士で,一ヶ月に何件も顧問契約を取っている実例があるのに,です。
これが,今日の「間違ったターゲット」という話です。
間違っているのはホームページの内容であって,「ホームページから集客すること」そのものが間違っているわけではありません。
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