新商品のキャンセル率を減らす方法

新商品のキャンセル率を減らす方法

新商品のキャンセル率を減らす方法
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数年前,あるマーケッターから興味深い話を聴きました。

ある商品を売る前の,フロントエンド商品として,本を1冊プレゼントする,というオファーを出したところ,大惨事になったそうです。

確か,英会話教材かなにかを販売するための,リスト取りとして特典を提供する,というキャンペーンでした。

本は1冊…たしか1300円程度。
本は,ISBN(国際標準図書番号)もきちんと割り振られています。

ところが,大コケしたのだそうです。

単純に考えて,本1冊を無料で獲得できるのですから,悪くない話です。
送料が高いわけではありません。無料です。
本を買うと,翌月以降に何かのコースが課金されるわけでもありません。
文字通り,完全無料です。

それでも,本の申し込みは想定を大きく下回ったそうです。

なぜでしょうか。

理由は…慣れてなかったから,だそうです。
英会話教材販売のオファーということであれば,メールアドレスを登録して,何か動画が見られる,とかPDFファイルが見られる。
あるいは,サンプルDVDが送られてくる…というオファーが【一般的】でした。

つまり,その【一般的】…慣れているようなオファーではなく,今までにない【本1冊無料プレゼント】というオファーは慣れていなかったので,戸惑ったのではないか。

そのマーケッターは,そんな分析をしていました。

さて,今日のテーマは
「新商品のキャンセル率を減らす方法」
です。

オファーがコケた…ということは,まだ許容範囲でしょう。
ですが,新商品を販売しようと,大々的にキャンペーンを展開して大コケしたら,立ち直れないかもしれません。

それ以上に,申し込みは多くても,後からキャンセルの嵐に見舞われたら大惨事です。

世の中,全くの新商品というものは,なかなか存在しないでしょう。
ですが「目新しい」ものが,たまに新商品として発売されることはあります。

あまり適切な例が思い浮かばないのですが…
例えば,FX(外国為替証拠金取引)。

私はトレードについては詳しくないのですが,知り合いから聞く限りにおいては,FXは株式投資よりはわかりやすい,とのことです。

では,株式投資に慣れたトレーダーであれば,すぐにFXトレードも出来るようになったでしょうか。

FXの黎明期において,まだほとんど周りの人がFXをしていない場合,心理的参入障壁が高かったのではないでしょうか。
特に,投資はきちんと理解していないと大やけどをします。
つまり,慣れていないFXをきちんと本腰を入れて勉強してから参入する。
これは,少々骨が折れる…ように感じるものでしょう。

ですが,上述の通り,実は株式投資よりはわかりやすいもの。

…だったとしたら,心理的参入障壁は,幻であり,思い込みであり,先入観によるものです。
実際に,学んでしまえばすぐに取り掛かれるもの…なのでしょう。

ですが,実際にFXというものは「よくわからない」という思い込みから…なかなか手が出ない。

そんな時に,マーケティングを展開して,どんどん申し込みばかりを先行させたらどうなるでしょうか。

証券会社では,口座解説がたくさん増えて…その分,事務作業や手間ばかりが増えます。
そして,「やっぱりよくわからない」から,とそのまま口座は休眠。管理のコストと手間が増えるだけでしょう。

あるいは,FXに関する教材を販売した場合。
買ってみたもの,やっぱりよくわからないからキャンセルということになるかもしれません。
きちんと教材を紐解いて勉強すれば分かるのに,です。

ではどうしたらいいのか。
ここでキャンセル率を減らすためには,「わかりやすさ」を求めなければなりません。
わかりやすさを求める手っ取り早い方法は,
「既存の知れ渡った何か」
と比較するものです。

ここでは,株式投資と比べて〜というアプローチが効果的でしょう。

株式投資…という,既存の,すでに知っているものと比較することで,理解が楽になるのです。

きちんと理解すれば,決して難しくなくとも,とっつきにくいだけで,アウトです。

「本1冊を無料プレゼント」
というオファーにすら反応できないのが,
「慣れていない」
ということです。

何か新しいものを提供する場合…あるいは,新しくなくとも,そのターゲットに取ってみたら,今までとはちょっと違うものを販売する場合。
そのターゲットが理解し易いものと比較してあげてください。

あなたにとっては,十分に熟知しているものであっても,見込み客にとっては斬新で目新しくてとっつくにくいかもしれないのです。

人は新しいものは好きです。
ですが…見たこともない新しいもので冒険をするのを怖がるのも人なのです。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平

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