最近、あるクライアントに教えていただいた話です。
ネットの某印刷会社に発注すると印刷料金が安い…とのこと。
教えていただいた会社のウェブサイトを見ると…。
見覚えのある会社が。
それは、1年ほど前、別の知人から紹介された会社(仮にA社)でした。
確かに安かったのですが…実はそこより安いB社を知っていたため、B社を使っていたのです。
ところが、今回クライアントに教えていただいたので、もう一度見てみたところ…微妙にA社のほうが安い。
例えば、
1000円
970円
という感じです。
これは、あきらかにB社を意識したA社の価格戦略というものです。
では、それを見た私はどうしたのか。
…もちろん、これまでB社を使っていたのをA社に乗り換えたわけです。
実際にA社とB社とでは、品質としては若干B社のほうが上のように感じます。
しかし、商品は印刷物。
言い換えると、消耗品です。
相手に渡してずっと保管してもらうようなものを想定するならば、多少なりとも品質は考慮します。
けれど。
ほとんど差がなく、若干B社のほうがよいくらい。
しかも、用途を考えると品質の差はさほど問題にならない。
印刷する紙の種類も厚さも選べます。
つまり、選べる以上、同じ品質になるわけで。
あえて言うならば印刷の仕上がり具合でしょうが、そこにもさほど差がないと言えます。
…したら、私もためらいなくB社からA社にブランドチェンジできるというものです。
これがひとつの現実でしょう。
つまり、A社もB社も、
「安さ」
しかアピールしてこなかったわけです。
だからこそ、
「より安い」
方に流れてしまうことを止めようがないわけです。
このまま行けば…もっと安くなるかな、またB社がA社より安くなったら、B社を利用しようかな、と思っています。
なぜそうなのか。
理由は単純です。
「値段以外に選択の基準を与えられていないから」
です。
B社のビジネスモデルはなかなかおもしろいと思いましたが、ビジネスモデルの良し悪しは消費者には関係ありません。
結局はA社もB社も安さを全面に出している以上…私は値段でしか判断しようがありません。
ならば、どうすればいいのでしょうか。
値段以外で選んでもらうための選択基準を伝えるのがひとつの手。
最後に。
B社はサポートに対する満足度を売りにして差別化を図ろうとしていました。
…残念ながら、サポートは「良い」ことはそこまでの差別化にはなりません。
非常に厳しい現実ですが、サポートは今の時代「良くて当たり前」です。
サポートは「悪い」と敬遠されますが、「良い」からそこを選ぶ、という決め手にはならないのです。
例えば、値段で選んだ後、
「サポートが良かったから」
という人はたくさんいるでしょうけど。