求人募集…その本質は何か。

求人募集…その本質は何か。

求人募集…その本質は何か。
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時間がなかったので、「早い上手い安い」の某チェーン店でガツガツと昼飯を掻き込んでいた時のこと。
ふと、目についたものがありました。それは店舗のアルバイトに関する求人広告コピー。

求人広告ポスターの上から、斜めに「時給が上がりました」と貼ってありました。

コピーライターの習性、または癖とでも言うのでしょうか。
「いくら上がったのかがわからないと、上がったことに対する【お得感】が伝わらないだろ」
と、無意識に心のなかでツッコミが入ります。

その後で、
「ん?ちょっと待て」
と何かが引っかかりました。

今度は、法律家の習性、または癖の関係で、考え始めてしまいました。
法律家だから…というだけかどうかはわかりません。
単に私はひねくれた性格だから…かもしれません。

つい…その言葉の裏を読み取ろうとする癖があります。

法律では,
「反対解釈」
などと呼ばれることがあります。

定義【反対解釈】
ある事項について法律の規定があるとき、それ以外の事項については、その規定は適用されないと解釈すること。例えば車馬の通行を禁止するという規定で、人は通行してもよいと解釈する場合など。

ここで「時給が上がりました」というコピーがある,ということは,それ以前は時給はもっと低かった,ということになります。
そして,時給が上がることで「お得」感がある…という前提に立つと,時給が上がる前は「お得」感がない,もしくは割に合わない…という感じがあった,ということを意味することになります。

そんな角度で考えてみると…
「労働契約」
とは何だろうか,と考えてしまいます。

非常に極端な見解です。
もちろん,法的には全く通用せず,あくまでも概念的な感覚です。

労働者は,「労務」を売って,企業はその「労務」を購入する…という売買という本質がそこにあるのではないでしょうか。

単純に「売買」というスタンスで観てみると,市場原理的な発想を,そこに持ち込むことができるので,より現実的に物事を見ることができます。

つまり,人材不足…という現象は,高いものを安く買おうとして,誰も売ってもらえない,ということに他なりません。
これを通常の売買に例えるなら,土地付き新築一戸建てを1000万円で買いたい…と言っているようなもの。
土地は地方によっては会ってないような価格かも知れません。ですが,新築一戸建てを買うならば,1000万円などで買えるはずがないでしょう。

にも関わらず,
「なんで1000万円で土地付き新築一戸建てが買えないんだ…」
とぼやいている状況は,何かがおかしいのではないでしょうか。

これが,
「人材不足でね,人が来ないんだよね」
とぼやいている状況と,本質的に変わらない,ということになります。

ではどうしたらいいでしょうか。
二つほど考えられます。

一つは,単純に賃金を上げること。
これは誰でも考えつくことです。

家の例に例えるなら,2000万,3000万とお金を積めば,新築一戸建ては買えるでしょう。

ですが,無い袖は振れないのも現状です。
むしろ,
「人が足りないならもっと給料を払えばいいじゃないか」
という結論だったら,きっとあなたもイラッとするでしょう。そんな当たり前の結論を読んでも仕方がない話です。

そこで,もう一つ方法を考えてみましょう。
それは,時給が安くてもそこで働くことのメリットをきちんと伝えること,となります。
別の言い方をすれば,時給以外の付加価値を提供することで,そこで働くメリットを提供することです。
あるいは,そこで働くデメリットを明示して,
「その程度のデメリットであれば,まあ働いてもいいかな」
と思わせることでしょう。

例えば,「ブラック追放宣言!」
「絶対に残業・休日労働はさせません。有給休暇はいかなることがあろうと,1ヶ月以上前の申請であれば必ず認めます」
といったことを明示します。
「その代わりに給料は安いです」
という提案であれば…お金よりも時間が大切な人からの応募は見込めるのではないでしょうか。

これを,先ほどの新築一戸建ての例に例えるならば,
「1000万円という安売りであったとしても,ここで売った方がいいと思う人」
を探すようなものです。
例えばディベロッパーが,在庫を抱えて資金繰りに苦しんでいるような状況下においては,1000万円でも当座の資金が入った方がうれしい…ということもあるでしょう。

労働契約には,基本的に市場原理が働いていません。
そういう意味では,日本の労働法制は共産圏のような制度です。
仕事をどれだけさぼっていても,どれだけ低い生産性でも,やとった以上は給料を支払わなければならず,安易に解雇もできませんから。
これが労働契約ではなく,請負や委任契約だったら,契約解除や損害賠償の問題に発展します。
ですが,これが労働契約になると,賠償の問題にはなりません。非常に共産主義的です。

けれど,法律を変えようと私たちが努力することは意味がありません。
できないことをがんばっても消耗するだけです。

ならば,発想だけでも市場原理を導入して,どうすればもっとたくさんの人に求人応募してもらえるか,と考えた方が現実的です。
労働契約は…「労働力」の売買,という本質なのですから。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平

追伸
売上が上がらないのは,人が足りないから。
そう思っていませんか?
果たしてそれは本当なのでしょうか。
一度こちらをご覧ください。

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