こんにちは。
アップスタッツ合同会社の代表，
経営軍師の飯山です。
昨日の記事に対して
コメントをいただきました。
いただいたコメントは
後ほど紹介するとして…
お題は，
起業家が社長に至る道です
結局，起業家は起業家であって
社長ではありません。
起業家が社長業をするようになって
はじめて社長となります。
どういうことか。
集客やマーケティングに関する
マインドの話です。
以下，最後までご覧ください。
「業界用語」が社会に認知される異常事態
昔話をします。
私がまだ士業として…
いわゆる過払い金返還請求の仕事を
していたときのことです。
さて。
過払い金とは，
消費者金融に対して払いすぎた金利のことで
それを取り戻す交渉や訴訟です。
…ここまで書くと，
「そんなのもあったなぁ」
という感じではないでしょうか。
これ，
実に異常なことです。
どういうことか。
過払い金返還請求の
法的理論や根拠というものは
非常に分かりづらい，複雑怪奇なものです。
法律実務家が使う
「業界用語」
とでも言えばいいでしょうか。
(専門用語としての正式名称は違います)
つまり，
その法律実務家が使う
業界用語のはずなのですが，
「過払い金」
…と聞いて，
「あー，そんなのあったな」
みたいに思える時点で，おかしなことです。
おかしいことなのですが。
ではなぜそのようなことになったのか。
一時期，
法律事務所などが
一斉に，大々的に，
広告を出しまくった結果，
認知されたからです。
地下鉄やバス，電車内で
異様にたくさんの過払い金の広告，
見ましたよね。
テレビCMまで出している
事務所もありました。
おかげて…
私自身も，
そういった
「認知度」
を利用して集客したものです。
さて。
これはひとつの例です。
業界全体が
たくさんの宣伝，アピールを
繰り返した結果，
ターゲットに認知されるようになった。
そんな話です。
過払い金はどうでもよく…
今日お伝えしたいのは，
「集客」
の話です。
そう，
集客って言葉。
「意味としてはわかる」
けれど…
そうそう使われる言葉でもなかったのでは
ないでしょうか。
今は，
広告代理店や…
私のようなマーケッター，
コンテンツ提供会社などが
アピールを繰り返した結果，
今では
「集客」
というものが
かなり認知されるようになりました。
そう，
「認知」
です。
実際に，きちんと集客しているかどうかは
また別の問題ですね。
認知と，実際に集客…
実践との間には高くて厚い壁があるのです。
マーケティングを学ぼう
さて。
冒頭でお伝えした…
頂いたコメントは次の通り。
昨日の記事をご覧になった方から，
これは、初歩の話かも知れませんが、
やっぱり大枠でも、マーケティング的なことは
学んだほうがいいなと思いました。
では，
このコメントを受けて…
よし！
…とばかりに，
「ならば，今日はマーケティングの基本を
お伝えしよう！」
…と思いたいし，
実際にやりたいのですが。
それはできません。
なぜでしょうか。
世の中に
「マーケティングを学びたい人」
なんて，そうそういるわけでは
ないからです。
どういうことか。
実際に，
コメントしてくださったとおり，
経営者・起業家であれば
「マーケティングを学んだほうがいい」
ということは
言うまでもありません。
そして…
社長の仕事とはマーケティングです。
別の表現をするなら…
今日，明日，今週，今月…とかではなく
3ヶ月後,半年後,1年後…
未来を見据えて売上を作る仕組みを
整えて実践するのが社長の仕事であり…
それを実践するために
マーケティングが必要なのです。
だから…
マーケティングを学んだほうがいい。
…と言っても，
実際には通用しません。
今回，
コメントをくださった方は，
過去にもコメントを下さっています。
そして…私のブログも，
昨日に限らず，ご覧いただいています。
何度も読んでいるからこそ，
マーケティングの重要性を少しずつ認識し，
「これは、初歩の話かも知れませんが、
やっぱり大枠でも、マーケティング的なことは
学んだほうがいいなと思いました。」
…というコメントになりましたが。
実際に，
起業したばかりだと，
マーケティングの重要性など
認識していません。
「ああ，はいはい，知ってますよ」
って感じでしょうか・
例えば…
昨日書いた，行政書士という職業。
ある行政書士の話です。
事務所を借りて，
行政書士登録をして，
事務機を揃え…
応接セットも完備。
ビジネスフォンをリースして…
さあ，事務所開業。
でも，電話が鳴らない。
電話が壊れているんじゃないかと
疑って…
何度も何度も，
自分の携帯電話から
事務所に電話を掛ける。
壊れていない。
でも，仕事の依頼の電話は来ない。
おかしい…
と思いながら，
お客に出すお茶をすすりながら
事務所内で首をかしげる。
月末を迎えて家賃等，経費を払い，
貯金が減る。
このままじゃ，
顧客は来ない。
どうしたらいいだろうか。
もっと専門性を高めないと…
ということで
行政書士会の研修に出たり…
あるいは別の資格の勉強を始める。
…狂気ですね。
マーケッター的に見ると，
広告宣伝もせず，営業もせず…
電話がなるほうがファンタジーですが。
これ…
実はある実在の行政書士から
直接，体験談として聞いた話です。
幸い，
その行政書士は
ファンタジーを卒業して集客をはじめたから
「笑い話」
として
「ネタ」
になっています。
(本人が笑いながら話してくれました)
でも，実際に多くの行政書士…
に限らず，士業がこんな有様です。
この例では…
集客しないとまずい。
…と認識しながら
集客なんてよくわからないしやりたくないから
「専門性が高ければ顧客は来るはず」
とファンタジーにのめり込んでいます。
つまり…
集客，マーケティングの重要性を
認識したとしても
見て見ぬ振りをするのです。
行政書士だったら
「専門性」
ですが。
「ウチの商品は素晴らしいから
売り込まなくても売れる」
…という職人気質の人も
実際に…非常に多い。
幸い，
上述の通り…
業界全体で広告宣伝の成果として
啓発が進みましたから，
「ウチの商品は素晴らしいから
売り込まなくても売れる」
…と，口に出す人は減っているようです。
心のなかでは，そう思っているようですけどね。
実際，
言っていることと
やっていることとでは
どちらが優先されるか。
マーケティングをせずに，
品質向上などはじめている人は
まさにこの典型的なパターンです。
起業家が社長になる道のり
あくまでも一例ではありますが。
起業家は…
起業します。
そう，起業したことで，
一旦，目標は達成します。
ただ，起業した後の会社運営をしていかないと
いけないのですが。
そこで，
実際に会社運営をして…
「起業家」
としてモチベーションが高い状態から
現実に痛い目に何度も何度も遭い…
具体的には，
キャンペーンで空振る辛さ
売れない苦しさ，痛み。
そういったものを繰り返して…
「このままじゃだめだ，
ちゃんとマーケティングをやらないと…」
と思いながら，
学びはじめ，実践する。
この瞬間が…
起業家が社長になるタイミングです。
そして…
このタイミング以降でないと…
「マーケティングの基本を学びましょう」
なんて言っても，
まったく響かない。見向きもされない。
だから…
今回，コメントをくださった方は…
これから起業するのか，
すでに起業したのか。
もし…これから起業するのであれば…
本当に幸運なことですね。
マーケティングを知らずに起業する
艱難辛苦を軽減できるのですから。
コンサルタントの仕事
最後に，蛇足。
コンサルタントの仕事は，
「画鋲が入った靴」
を履こうとしている人に，
「その靴，画鋲が入っていますよ」
と言う…のではなく。
何も言わないでおいて，
画鋲入りの靴を履いて痛がっている人に
「災難でしたね…」
という仕事だ。
…という人がいます。
非常に…
誠に遺憾ですが。
現実問題としてそうなのです。
私自身は，前者の立場で
集客，マーケティングの大切さを説いていますが。
無視され，
「良い商品なら…」
と主張して
痛い目に遭う人をたくさん見てきました。
それでもなお…私は今まで通り
これからも…
マーケティングは大事です。
集客は大事です。
伝えていきます。
ただ，伝え方はこれからもずっと
試行錯誤，ですね。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
アップスタッツ合同会社 経営軍師 飯山陽平
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