会社の寿命を伸ばす商品と縮める商品

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会社の寿命を伸ばす商品と縮める商品
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こんにちは。
アップスタッツの飯山です。

 

 

今日は,
会社の寿命を伸ばす商品と縮める商品について
考えていきます。

 

結論としては…
同じ商品でも,売り方次第で
変わってくる…という
玉虫色なオチになります。

 

どうせ売るなら…
安定した売上を維持して,
会社を支える商品を
売りたいですよね。

 

 

以下,最後までご覧ください。

 

 

「私もそれ欲しい!」

 

 

10年は経っていないでしょうが,
以前の話です。

 

私が,
マーケティングの勉強会を
開催したときのことです。

 

 

ある食品販売会社の社長が
参加して,
マーケティングのワークを
いろいろやっていたのですが。

 

 

その食品販売の
主力商品は…
30年以上売れ続けている
ロングセラー商品。

 

基本的に
ハレの日に食べるものなので,
日常で食べるものではないのですが…
ただ,贈答品としては一級品。

 

 

そして,
販売実績が30年以上あり…
150万個以上は売れている計算になります。

 

…という数字を見ながら,
やりとりをしていたところ。

 

勉強会に参加している
別の方…その方は,
店舗ビジネスをしている方なのですが。

 

その方が…

 

「私も,それ欲しい!」

 

 

はじめは意味がわからなくて,
普通に注文すればいいじゃないか…
くらいに思ったのですが。

 

 

そうではなく,
愛されて長年売れ続けるような
主力看板商品が欲しい。
…とのことです。

 

 

確かに,
主力看板商品がある会社は強いですね。

 

 

逆に,
主力看板商品の寿命を伸ばすことで,
会社の売上を安定させることもできます。

 

 

有名な例では…
ポテトチップス。

 

いろいろな味のポテトチップスが
出ては消えていきます。

 

新製品を出しても,
すぐに消えていく。
これは商品開発としては
失敗なのではないか。

 

…という考えもありますが。

 

 

メインのポテトチップスが
好きな人にしてみたら…
新しい味が出ると,
試しに買ってみます。

 

それを食べて…

 

「まあ,悪くはないけど
やっぱりいつものがおいしいよね」

 

となって,
主力看板商品に回帰していく。
こうして,
主力看板商品の寿命を伸ばすことが
できるのです。

 

 

上述の食品販売会社の方も,
他社とコラボして,
いろいろな商品開発を
手掛けています。

 

私も,
コピーライターとして,
販売キャンペーンに参加させていただき,
商品名を考えたことがあります。

 

 

定番商品となって,
新千歳空港でも売られているのを見ると
嬉しくなりますね。

 

 

それはともかく。
主力看板商品は,
いかにリピートしてもらえるかどうか。
この点が鍵になります。

 

良い商品があれば,
その商品を基盤に販売戦略を構築できるので
その分会社の寿命も伸びるのです。

 

 

消えていく高級食パン専門店

 

 

 

先日,耳にしたのが,
どんどん消えていく高級食パン専門店。

 

 

以前に,高級食パンの話を
書いたことがあるのですが。

 

 

その時は,
「高級食パン市場」
なるものがある,
ということは知りませんでした。

 

 

勉強不足ですね。
恥ずかしい…

 

 

さて,
ここで言う高級食パンとは,
主に一斤1000円以上するものらしいですが。

 

そんな高級食パン専門店が,
一世を風靡し…

 

そして,
次々に消えていっています。

 

調べてみたら…
高級食パンは,
コンビニのセブンイレブンが,
2枚入りで250円くらいの食パンを
売り出したのが火付け役になった…
と言われているようです。

 

 

1斤100円もしないで買える
食パンが2枚で250円というのは,
なかなかの高級感がありますね。

 

 

ここから端を発して
出来上がった高級食パン専門店市場。

 

次々と出店が増えて,
次々と消えていきました。

 

 

私自身,
高級食パン市場なんてものがある…
なんて信じられない思いでした。

 

なぜなら…
そんなものが
「存在する理由」
がわからないからです。

 

 

意義がない…とは言いません。
単に,理由がわからないのです。

 

 

食パンというのは,
基本的に「日常食」です。
普段,食べるものです。

 

普段食べるものに,
1斤1000円という非日常的な値段をつける,
ということが理解できないのです。

 

贈答品用として扱うなら,
かなり中途半端とは言え…
それはありと言えばありでしょう。

 

ですが,
実際に日常消費するために,
一斤1000円のものを食べ続ける…
なんてことは,
特に今のインフレ不況下の経済においては
考えられない。

 

そんな
商品設計からして矛盾するものを
「専門」に売る…ということ自体が,
ビジネスの原則から外れます。

 

ビジネスの原則…
儲かる大原則は…リピートです。

 

一部,業種業態的に当てはまりませんが,
そうでない場合は…基本的に
いかにリピートしてもらえるか。

 

 

この点を念頭に,
商品設計をしたり,販売戦略を構築します。

 

 

けれど…
1斤1000円以上の高級食パン。

 

これをリピート販売することは
なかなか考えられない。

 

日常消費は考えられないし,
贈答品として誰かに進呈するのは
ありにしても…

 

食パンですよ,食パン。
そんなものをもらって嬉しい人って
どれくらいいるのか…

 

商品の価値を
けなすつもりはありませんが。

 

食パンという
「日常消費を前提とした概念」
を意味する言葉を使った時点で,
食パンというカテゴリからは
逃れられません。

 

スーパーで
100円もしないで買ってきた食パンを
誰かに贈答品として贈るでしょうか。

 

それが,
高級食パンならありなのでしょうか。

 

 

前は…ありだったかもしれないけど,
今は違う…となります。

 

どういうことか。
それが,上述の通り,
高級食パン専門店が,次々とオープンして,
次々と消えていった…ということです。

 

 

高級食パンというものは,
高級食パンというだけでは,
贈答品としては,「不完全」だったのでしょう。

スイーツとしてのパンとか,
健康目的の,特別な栄養云々のパン…
みたいなものではなく,

 

「高級な」だけの食パンですからね。

 

高級食パンを贈答品として
成立させているのは,希少性…
要するに,物珍しいからです。

 

 

滅多にない,
高級食パンなるものだから,
人にあげても喜ばれるのです。

 

そんな高級食パン専門店が
流行し,乱立したら…
希少性はなくなります。

 

すると…
贈答品としての価値はなくなり…
となると,売上を支えるのは,
リピート顧客。

 

 

…でも,
上述の通り,
1斤1000円の食パンを
日常的に食べる家庭って
どれだけあるのでしょうか。

 

 

ビジネスの原則からはみ出した
商品を…店舗運営の柱にした以上,
淘汰されていくのは
避けられないでしょう。

 

 

一極化する未来

 

 

…となると,
残された道は,生き残れるかどうか。
業界内で競争が起き…
その生存競争に買った店だけが,
高級食パン専門店として生き残っていくでしょう。

 

 

淘汰が起きて…
結果的に業界が縮小すれば,
希少性が復活しますからね。

 

まあ…
高級食パン専門店という…
贈答品としては中途半端で
自家消費には高すぎる商品を
売り続ける…という
大変な販売戦略になっていくことでしょう。

 

 

基本的に,
その食パンへの強い思い入れや理念があって,
売っていくという確固たる信念。
そレを支えるだけの
マーケティング戦略の構築ができるだけの
知識経験スキル。

 

 

それらがあってなお,
苦しい。

 

原材料の高騰。
賞味期限の短さゆえの
ロスの多さ。

 

高級と言えども,
1000円程度ということは,
利益率もそうい見込めないでしょうから。

 

 

まあ,普通のパン屋が,
高級食パンを数量限定販売するほうが,
遥かに見込みがありそうな気がしますね。

 

今日は,
売れない商品,売りにくい商品を
店舗設計の軸にしてしまうことの
辛さについての話でした。

 

売れれば何でもいい…
とは決して言わないし…
それを売るための強い思い入れがビジョン,
理念などは避けて通れないですが。

 

 

それらがあってなお,
売りにくい商品はあるのですね。

 

 

あなたがより「アップスタッツ」な明日になりますように。
アップスタッツ 飯山陽平

 

 

 

 

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