こんにちは。
アップスタッツ合同会社の代表,
経営軍師の飯山です。
今日は,キャッチコピーの
基本的な話をすることにします。
よく,
「売れる言葉」
なんて表現がありますが。
売れる言葉と,
キャッチコピーを
イコールで捉えている人がいますが。
それは,基本を外した
考え方です。
今日は
その基本について
お伝えします。
チラシやウェブサイトなどで,
コピーを書こうとして,
「売れるコピーを書きたい」
なんて思ったことがあるかもしれません。
そんな方は
最後までお付き合いください。
キャッチコピーの目的と役割
そもそも,
キャッチコピーの目的は
何なのか。
それは,
「売れること」
ではありません。
それは,結果論です。
キャッチコピーに
「売り込みの内容」
を入れなければいけない。
だから,
キャッチコピーとは
売れてなんぼ…
と思っていたら…
決してそんなことはないのです。
例えば…
セールスコピーを学んでいて,
これを知らない人はいないくらいに
有名なコピーがあります。
私がピアノの前に座ると,
みんなが笑った。
けれど,引き始めると…
ピアノコピーなんて
呼ばれています。
これ…
このキャッチコピーの中に,
「売りこみ」
がされているでしょうか?
もう一つ紹介します。
こんな英語の間違いをしていませんか?
これも極めて有名なのですが。
これ…売り込みになっているでしょうか。
なっていません。
つまり,
キャッチコピーの目的は,
売り込みではないのです。
キャッチコピーの目的は,
注意を引くことです。
役割は,
注意を引いて,
広告本文を読ませることです。
ウェブ広告などであれば,
クリックしてもう,
ということになるでしょう。
注意を引く理由
さて,
あなたに問題です。
今日一日で,
何件の広告を見たでしょうか。
テレビCM
新聞折り込みチラシ,
ポスティングチラシ,
紙面広告…
外に出れば,各種看板広告,
ラジオも広告宣伝を流し…
店舗にはポスターで広告…
鉄道に乗れば,車内交通広告
駅の中も,広告だらけ。
ネットはもっと広告密集です。
メール広告。
バナー広告。
セールスページで,1ページまるまるの
広告もあります。
動画を見ようとすれば,
広告がインターセプトしてきたり…
ポップアップで,
広告が浮いてきて,誤クリックを
誘ってきたりします。
果たして,
今日一日で,どれだけの数,
広告を目にしてきたことでしょうか。
ある調査によれば,
30代男性,東京都内在住の方が
1日で目にする数は,
5000件
だというものがあります。
別のある調査によれば,
3000件というものもありますが。
ただ,
この調査結果を
私が「知った」のは,
私がマーケティングや
セールスコピーを学び始めた…
おそらく15年以上前の話です。
15年前といえば,
まだブロードバンド環境も,
まともに発達していなかった頃では
ないでしょうか。
つまり…
今は,この5000件というのは…
下手をしたら1桁増えていても
おかしくはないわけです。
実際,
広告費用…
顧客獲得コストが,
10倍~15倍は
上がっていますからね。
仮に,
10倍だとすると…
1日で,5万件くらいの
広告に晒されて,
日々の生活を送っている
ということになります。
…という前提で,
もう一つ,
あなたに質問です。
あなたは今日,
5000件なのか
5万件なのか…
それだけの数に晒されて,
今日一日を過ごしてきたわけですが。
何件,
その広告を覚えているでしょうか。
ちょっとカウントしてみてください。
これ,
私の勉強会の鉄板ネタです。
なので,
これまでに何度もやってきました。
ある時,
同業他社の広告が
目についた…
ということで…
「3件」
ということが1回ありましたが。
多くの場合,
口を揃えて
「ゼロ」
または
「1つくらいは…」
なんてお答えいただきます。
実際に,
その一つは何の広告だったのか
尋ねると,答えられないところまでが
お約束です。
それだけの広告に晒されているにも
関わらず,
1つの広告を覚えているか
いないか…
というこの状況。
これはなぜなのか。
「注意を引けていない」
からですね。
例えば,
交差点で,信号が赤だから,
止まって待っているときに。
その交差点を走り受ける
車を見て…
その車一台ごとに,
注意を払うでしょうか。
払ってられないわけです。
ただ,
その車が救急車であれば,
注意を持っていくでしょう。
救急車…緊急車両は
注意を引かなければいけない
存在ですからね。
あるマーケッターいわく,
「現代人で最も足りないリソースは
人々の注意力だ」
…と言われるくらいに,
注意力は散漫になっており…
注意をひくのは大変です。
こんな状況において…
キャッチコピーで
「売る」
なんて,できるはずがないのです。
だから…
キャッチコピーは,
この混沌として
動きの早い世界の中で…
やることは…
注意を引いて,
本文1行目に誘導すること。
これ「だけ」なのです。
この視点で…
もう一度上述のコピーを
見てみましょう。
私がピアノの前に座ると,
みんなが笑った。
けれど,引き始めると…
こんな英語の間違いをしていませんか?
この2つのコピーは,
まさに本文を誘導するための
ものだということですね。
誇大妄想コピー
…という前提で,
繰り返します。
売り込みは,
注意を引くことはできません。
注意をそらすことなら
できますけどね。
自社商品の,
その商品名を
キャッチコピーに入れると
どうなるのか。
あるいは,
自社の社名を
キャッチコピーに入れると
どうなるのか。
注意を引くことはできません。
むしろ,
それでなぜ注意を引ける…
と思うのか。
謎ですね。
誇大妄想です。
例えば…
弊社
「アップスタッツ」
と書けば,
それだけで
注意を引ける…
なんてことは
あるはずがないのです。
だからこそ,
キャッチコピーは
売り込みではないのです。
けれど,
良いキャッチコピーは
売上をもたらします。
2倍とか3倍…
5倍になることもあります。
それはなぜか。
注意を引いて,
広告を見てもらえるからです。
広告本文が
「売る」
役割を果たします。
キャッチコピーは
広告を
「見てもらう」
ためのものです。
役割は違うのです。
この基本があって,
その上で,
どんな内容を書けば
注意を引けるか…
という話になるのです。
さて,
今日の内容を読んでから…
自社名や商品名の広告…
特にチラシやウェブ広告で
そんなものを見たら…
ああ,誇大妄想で,
虚栄心を抑えられなかった
社長がいるな…
くらいに思ってもらえたら
覚えやすいでしょう。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
アップスタッツ合同会社 経営軍師 飯山陽平
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