こんにちは。
アップスタッツ合同会社の代表,
経営軍師の飯山です。
先日,
ある住職さんから興味深い話を
聞きました。
素晴らしいと思ったので
勝手に
ここでネタにします。
(ごめんなさい…)
結論としては
非常にシンプルなのですが。
世の中,
シンプルにまとめるまでの過程が
大変なんですよね。
気の毒なお寺さんの話
ウチでは新聞を購読していないのですが,
そういった人向けに…
新聞のセールスを目的としたポスティングが
入ります。
ついでに,他社さんのチラシもまとめて…
チラシの束が入ります。
興味本位で見てみたら…
非常に気の毒なチラシが入っていました。
それがこちら。
このチラシを見て,
どう思うでしょうか。
私は,まだ死んだことがないので
わかりませんが。
私が知る限り,
人は基本的に1回しか死にません。
2回死んだという人には
お目にかかったこともありません。
(いたら教えて下さい)
・費用が想定以上に高かった
・不透明な「サービス料」
・契約と異なるサービス内容だった
・安く契約をしたらひどい葬儀になった
これらはすでに
「葬儀をした」
後の話ですよね。
文字通り,後の祭りです。
もちろん,
子どもには親が二人いるので,
喪主を2回することも
無いとは言えませんが。
はたして,
どうなのでしょうか。
…それ以上に問題なのが…
こちら。
チラシの続きです。
結局,このプランだけでわかるのは…
・費用が想定以上に高かった
この点に対する改善だけです。
結局,これらのプランを選んでも,
・不透明な「サービス料」
・契約と異なるサービス内容だった
・安く契約をしたらひどい葬儀になった
ということは,
十分に起こりうるし,
「そうではない」
という確証を,このチラシから
伝えることはできていません。
同業他社を批判して,
「ウチはそういったところとは違う」
アピールをしていながら,
結局は同じ穴のムジナです。
これは,広告代理店が
適当に作ったチラシなのでしょう。
こんなチラシにお金を払う
お寺さんは気の毒な話です。
かえってお寺の品格を貶めているだけです。
…まあ,
この内容でOKした責任はあるのでしょうけど。
ビジネス構造上の問題
ポイントは…
このチラシ一枚で,
「だったら,このお寺さんに頼んでみよう」
とはならないわけです。
結局,
・費用が想定以上に高かった
・不透明な「サービス料」
・契約と異なるサービス内容だった
・安く契約をしたらひどい葬儀になった
こういうリスクはつきまとい…
それらのリスクがないから大丈夫,
ということを,チラシでアピールすることは
まずできません。
つまり…
チラシで宣伝するのは,
こういったプラン「そのもの」
ではないということですね。
実際に,
お寺に来てもらって,
住職さんと会って話して,
「この住職さんのお寺なら大丈夫だろう」
と思ってもらう方が大切です。
だから,
例えば
「いざという時のお葬式について」
みたいな,説明会でもいいし…
単純に,
何かイベントでも何でも良いので,
まずはお寺に来てもらう。
そのための集客をしたほうが
よほど現実的でしょう。
完全勝利した住職さんの話
…さて,
冒頭の住職さんの話です。
ある時,
たまたま住職さんと
話をする機会がありました。
その時,
「24時間365日休みはない」
なんて話になったので…
こんな質問をしました。
「真夜中に電話かかってきたことありますか?」
午前3時頃に電話がかかってきたことが
あったそうです。
親が亡くなった…ということで
電話があり…
詳しく話を聞くと,
病院にいるそうです。
なので,
まずは「帰宅」してもらわなければ
なりません。
そのためにも,
まずは葬儀会社の手配が先。
住職さんは「その後」の出番です。
ですので,
住職さんが葬儀会社を手配した,
なんて話でした。
まだ病院にいるのに,
「出番」
でもないのに…
午前3時に起こされるのは,
ある意味,
たまったものではないですが。
でも,
遺族の立場からしてみたらどうでしょうか。
深夜に親が旅立った。
その後やらなければならないことは
いろいろある。
悲しいし泣きたいし,
でもやらなければいけないことは
たくさんあるし,
でも何からどう手を付けていいかわからない。
いっぱいいっぱいで
どうしていいかわらない。
そんな大混乱の極限状態で…
電話した相手がその住職さんだった
ということです。
まさに…完全勝利。
競合が…とか,
他の葬儀屋さんだったらどうだ…とか。
そんな次元ではなく,
競合になることすらできないでしょう。
それは…
マーケティングとか
チラシの書き方とか,
ビジネスモデルとか…
そんなものでは太刀打ちできません。
時間を掛けて築いてきた
人間関係,信頼関係なのです。
きっと…
このチラシのお寺の住職さんも,
もしかしたら,そういった人間関係を
築けているかもしれない。
けれど…
こんなチラシを撒いていたら…
まるで,身内を亡くした親族の気持ちを
まるで理解していないことが
如実に現れてしまいます。
結局のところ…
このお寺の名前を変えただけで
他のお寺が丸パクリしても通用してしまう
内容だということです。
なぜなら,
顧客…親族を亡くした方ではなく,
競合しか見ていないからでしょうね。
見るべきものは顧客。
競合他社を無視して良いわけではないけど,
一番見ていなければならないのは,顧客なのです。
このことだけは…私もマーケッターとして,
決して忘れないように,心がけたいものです。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
アップスタッツ合同会社 経営軍師 飯山陽平
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