こんにちは。
アップスタッツ合同会社の代表,
経営軍師の飯山です。
10年くらい前のことでしょうか。
ある酒屋さんの話です。
その人は…
「お酒のことを知ってから呑むと,ほんの少しだけ美味しくなる」
と言っては,売る際にそのお酒について
酒蔵のことやらそのお酒の開発秘話やらの
蘊蓄を披露して販売していました。
私は20代後半でお酒は完全引退。
以来,今日までお酒は…
ノンアルビールと間違えて一口飲んだ以外は
一切飲んでいないので…
まあ,
蘊蓄を知っていると
本当に美味しくなるかどうかはわかりませんが。
合理的な売り方であることは確かですね。
さて。
今日は,あまりしたくない話をします。
マーケティング観点から見た
「品質向上」
についてです。
この話をしたくないのは,
品質教徒…
すなわち良い品質なら
売り込まなくても売れる…
と盲信したい人が…
「故意に」
勘違いするから。
思春期の男子生徒が…
憧れの女子生徒と視線が合って…
その女子生徒は,
その男子生徒の後ろにある時計を見ただけ。
でも,男子生徒はは
「自分に気があるに違いない」
と勘違いする。
…くらいに,
都合よく解釈するのが
品質教徒です。
まあ,この時代において,
宣伝しなくても売れるなんて
本気で思ってたら,
頭のネジが数十本足りないのは
確かですね。
それはさておき。
今日は,マーケティングの話です。
マーケティングにおける
商品やサービスの品質とはどう捉えるのか。
どう活用したらいいのか。
以下,最後までお付き合いください。
「仕事の成果」に対して二種類のタイプの人間
仕事の成果を出すことについて,
「喜ぶ」
あるいは
「やりがい」
を感じるにあたって
2種類のタイプが存在します。
つまり,
それを成し遂げたことそのものに
喜びを感じるタイプ。
もうひとつは…
その仕事に対して,
「喜んでくれる人」
がいるから嬉しくなるタイプ。
わかりやすい例で言うならば…
弁護士が難しい案件で
勝訴を勝ち取った時に…
クライアントはめっちゃ喜ぶでしょうけど,
勝訴したということは
「判決」…すなわち「前例」となるわけです。
自分の仕事が,前例となって
後に伝わっていく。
そのことにやりがいを感じて
嬉しくなる,という感じでしょうか。
もう一方が…
看護師さん。
看護師さんの仕事は,
「これを成し遂げる」というものよりも…
日頃の患者さんとのふれあいの中で
「いつも良くしてくれてありがとう」
と言われるのがやりがいと感じる人も
いるでしょう。
どちらがいいとか悪いとか
そういう話ではありません。
今日お伝えしたいのは…
前者のタイプと品質についてです。
具体的には,
職人気質の人が,
自分の自慢の腕を以て
最高の何かをつくる。
マーケッター視点だと
市場で求められているものを
作った方がいい…と思うのですが,
職人は自分が作りたい物を作るのです。
有名な例では,
アップル社のスティーブ・ジョブズ。
iPhoneなどない時代に,
市場で
「タッチパネルで操作できる
電話と多機能なアプリのデバイス,
ほしいなぁ」
なんて言ってた人はいないでしょう。
市場で求められていない。
正確には,
市場では
「そういうものがあると想像すらしていない」
ものを創り出したのです。
でも,売れてますよね。
品質教徒は
「だから売り込まなくても…」
などといいたく鳴るかもしれませんが。
スティーブ・ジョブズは,
世界最高峰のマーケッターです。
彼のCMなどを見ると,
恐怖すら感じますね。
<参照>
彼の製品発表会の演出…
一挙手一投足を見ると,
どれだけ「売ること」に全力を尽くしていることか…
シャツにジーパン姿で
手ぶらで登壇して…
「ポケットに1000曲」
(ポケットからiPodを取り出す)
とか…
書類封筒からMacBook Airを取り出して
薄さと軽さをアピールするとか,
その「伝説」はいくらでもあります。
彼は,
職人として製品を世に出すだけでなく
売ることに対しても,
天賦の才能があったのでしょう。
ある意味,
これが理想のマーケティングと
言えるかもしれませんね。
セールスマンの理想の姿
昨日,一昨日と…
セールスの話をしました。
ざっくり振り返ると…
セールスで成約率を上げるには
「数」
で勝負する。
そのためには良い見込み客を
どれだけ集められるかどうか。
すなわち,
セールスで成果を出すには
マーケティングが不可欠である。
…という話でした。
昨日は具体例も紹介しましたが,
現実問題として,
見込み客を集めるための
マーケティング…
特に,
チーム戦ではなく個人戦で
セールスしていく立場の人にしてみたら,
どこまでできるのか。
もちろん,
「マーケティング」
をやれば,
非常に成果は出せるでしょう。
けれど…
分野が違うので,
億劫と言えば億劫かもしれませんね。
そこで,
セールスマンが,
マーケティングとセールスを両立できる
理想の姿というものがあります。
紹介です。
紹介によるアポだけで,
スケジュール帳の「仕事の」予定が
いっぱいになっている。
これが,
マーケティングとセールスを
両立できる,
セールスマンの理想の姿と言えます。
紹介の獲得の仕方
…を説明すると,
これまた長くなるので,
ざっくりと。
紹介する,
ということは
「行動」
するということですよね。
わざわざ,行動するでしょうか。
行動する気になるには
何が必要なのか。
行動の前に
感情を動かすことです。
例えば,
ものすごい不愉快な接客を受けた時に,
口コミサイトに罵詈雑言を書くこと。
これって,
わざわざ口コミサイトにアクセスして,
文章の中身を考えて打ち込む。
かなり面倒ですよね。
その面倒さを乗り越えるくらい
怒り方面に感情が動いたのです。
その逆の対極が,紹介です。
つまり…「満足」では足りないのです。
満足を超える体験をした時に,
顧客の感情が動き,行動に繋がりやすくなります。
けど…
同じものを売っても,
満足で終わる人もいれが
失望される人もいれば…
次々に紹介を貰える人もいる。
この違いは何なのか。
売り方です。
感情が動くような売り方です。
そしてそれは品質と連動しています。
つまり…
職人気質のひとが
頑固一徹で作りたいものを作って
「良い品質なら,売り込まなくても売れる」
では,誰の感情も動きません。
その良い商品の
「良さ」
をどれだけ伝えられるかどうか。
感情面にアプローチしつつ,
顧客の人生の中でどれだけ嬉しく喜ばしい体験に
つながるか。
それを伝えられた時に,
感情まで動くので,
紹介に繋がりやすくなるのです。
商品,製品の品質が高いこと。
その品質の高さによるメリット,ベネフィットを
余すこと無く伝えられること。
この要素をクリアするのが,
紹介獲得への道となります。
コレだけじゃ足りないですが,
今日のテーマではないので割愛します。
その伝え方の一つが…
例えば,冒頭のお酒の蘊蓄を語ることも
一例でしょう。
商品の「品質」というものは
その品質の良さを伝える活動と
連動しないと,害悪でしかありません。
…「そんなどうでもいい機能いらないから安くして」
ってなるでしょうからね。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
アップスタッツ合同会社 経営軍師 飯山陽平
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