こんにちは。
アップスタッツ合同会社の代表,
経営軍師の飯山です。
今日は…
ちょっとしたエッセイです。
仕事と専門職に関して,
昔思ったことと,最近の体験から
思ったことをまとめました。
職業,専門職として
リスペクトされる要因って
何になるのでしょうか。
あくまでも一例です。
一例ですが…
こんな考え方もあるんだなぁと
思いながら,最後までお付き合いください。
かっこいい男の背中
大学生になって,
はじめてアルバイトというものを
体験したときのことです。
自宅から自電車で通えるコンビニで
店員をしていました。
なんだかんだで,
3年9ヶ月。
私の「勤務歴」では
最も長くなりました。
それはさておき。
本当は夜勤をやりたかったのですが,
その時に募集していたのは
早朝時間帯のシフト。
そこで仕事を覚えたら,
いずれは夜勤のシフトに
入れてもらえることも
あるだろう…と思いつつ,
バイトをはじめました。
朝7時前でしょうか。
大きなバンが止まると…
作業着…いわゆる
ニッカポッカといえばいいのでしょうか。
…を着た職人が,
5~6人くらい
いっぺんに降りてきます。
そして…
スポーツ新聞とタバコ,
おにぎりにカップ麺を
買っていき…
お湯を入れて去っていきます。
朝の時間帯は,
こういった
職人さんたちが乗った
大型のバンが何台も来て,
その人達を,待たせることなく
捌き…
客足が切れたら,
すぐにお湯を沸かし直す。
これが,朝の仕事でした。
はじめは
この方々が…
私の目には怖い人たちに
見えるわけです。
特に…
私は非喫煙者ですから,
タバコの銘柄を言われても,
さっぱりわかりません。
探している間に
叱られることも何度かありました。
だんだん慣れてくると…
このようなバンが数台
いっぺんに来ても
問題なくこなせるように
なりました。
だんだん,
落ち着いて捌けるように
なってくると…
また見方も変わってきます。
気になったのは…
朝から,
カップ麺に,おにぎり1個です。
カップ麺が体にいいとか悪いとか
そんな話ではなく…
単純に,職人として
これから午前中,肉体労働に
励むのに…それで足りるのだろうか,
という疑問です。
なんだかんだで,
顔なじみになって,
会話する…
…なんてことは
コミュ障の私には
ありませんでしたが。
とはいえ,
そこには,
これから仕事に向かっていく
男たちの背中を見て…
私はそれはそれで,
職人って,なんかかっこいいな…
と何度となく思ったものです。
ですが…
バイトをしながら,
いろいろと考えるわけです。
例えば,
この職人さんたちは,
朝はお腹すいていないから,
そもそもカップ麺におにぎりなのか。
…というところからはじまり,
では…お金が潤沢にあれば,
朝はもっと別なものを食べたのだろうか。
…となると,
なぜ職人さんたちは,
朝から,カップ麺とおにぎりで
済ますくらいの収入しか
ないのなら,
それはなぜなのか。
…なんてことを
いろいろと
考えていました。
当時は社会人にもなっていない
ただの学生であり,
ろくにものを知らない若造です。
まあ,年をとっただけで
どれだけ賢くなったかは
わかりませんが。
単純に,わからなかったのです。
同じ高度な専門職なのに
わかり易い例として,
弁護士という仕事があります。
弁護士は,
高度な法律知識経験スキルで,
依頼者の代わりに,
交渉したり弁論したり
手続きします。
依頼者にできないことを
代わりにやるから,
そこに報酬が発生するわけです。
そのために,
弁護士は…
何年も勉強して
司法試験に合格してから,
司法修習生として1年半修行して…
人によってはそこから更に
別の事務所で修行をすることになります
早い人で,4~5年くらいでしょうか。
もっと掛かる人はいくらでもいるでしょうけど。
では,
職人はどうなのでしょうか。
例えば,
家を建てる…職人。
家を建てる,現場での
一線級の技術を習得するまでに
何年掛かるでしょうか。
技術ですので,
何とも言えませんが…
例えば,
中学卒業して,
そのまま,業界に入って25歳まで
下積みをすれば,10年ほど
修行をしたことになります。
では,
弁護士と
職人とでは…
どちらが
「報酬」
…つまり,ここでは
収入は高いでしょうか。
最近は,
弁護士も増えたので
なんとも言えませんが…
ここの記事でも
弁護士を例にしているのは,
高度な専門職で
高所得の例だということですね。
では…
職人は…
高度な専門職で…
高所得なのでしょうか。
高所得だったら,
仕事をする前に
コンビニでおにぎりとカップ麺を
買うのでしょうか。
…なんことを
いろいろ考えるわけです。
「職人が職人たる理由」
それから時は流れ…
少し前のことです。
隣地で工事をしていて…
そこの職人との間で
トラブルになりました。
言い方がぶっきらぼうで,
しかも不正確な言い回しで
誤解を招き,
大きな騒動になったのです。
その施工を委託した会社の
役員が,
その職人を連れて,
お詫びに来ました。
その内容自体は,
些末なことなので,
詳細は省略します。
単純にここでは,
職人の言った内容が
誤解を招き,
大きな騒動になった。
そして…
発注主。
言い方を変えると
取引先の会社幹部2名が
お詫びに来た,
という出来事に発展した。
私の印象・主観では
その職人は…
「仕事はしっかりやる。
そして…仕事以外のことは
どうでもいい」
…というスタンスのように
感じられました。
だからこそ,
物事を的確に,適切に
伝えようとせずに,
独りよがりな話し方で,
誤解を招いたのでしょう。
問題はここから。
私はその様子を
このように思ったのです。
「なんとも職人らしいな」
…と思ってから,
あれ?
と思ったのです。
「その人」の,
礼儀を欠いた
傍若無人な振る舞いを見て…
なんで
「職人らしい」
と思ったのか。
昔の…
コンビニバイトしていたときの
粗雑な様子と
記憶が連動したのか。
それとも…
実際に職人を手配して
作業をする職種の社長を
コンサルティングしていて…
その社長から耳にする
職人の
「管理の大変さ」
から…そのように思ったのか。
いずれにしても…
「職人らしい」
と思って,
そして,あれ?
と思ったのです。
かつて,
私が
「かっこいいな」
と思った,職人。
そして…
ぶっきらぼうで傍若無人な
様子を見て
「職人らしいな」
と思ったこと。
ここにどんな違いがあるのでしょうか。
行き着いたところはココ
一方…
同じ高度な専門職で
価値を提供する職業,弁護士。
弁護士で
粗雑で傍若無人な振る舞いをする人は
いるのでしょうか。
そして…
その傍若無人な振る舞いを
見た時に…
「ああ,弁護士ってこうだよな…」
…と思うでしょうか。
個人差はあるので,
横柄な弁護士がいることは確かですが。
特に,高度で繊細な
交渉案件において,
そんなふるまいではうまくいきません。
相応の,礼儀とふるまい,
そして高度な専門技術。
これらがあるから,
「弁護士は高度な専門職である」
と尊重されるのです。
そして…
同じ高度な専門職の職人。
「職人ってこうだよな…」
という目で見られがち。
一種のレッテルですね。
この差はどこにあるのか。
もちろん,職業についてや
そのつくりだす価値の見せ方なども
あるでしょうけど,
ちょっとした
振る舞い,所作,言葉遣い。
そういったものの積み重ねが
まわりの人々に対する印象に
影響を及ぼしている…
可能性があります。
他にもありますが,
その点は割愛します。
つまり,
専門分野が違うだけで,
高度な専門職であることは同じです。
日本においては,
職業に貴賎はない
という考え方もあります。
もしかしたら…
弁護士と同等に
言葉遣いや振る舞い,所作を
磨いた職人たちが「一般的」と言えるまでに
なったとしたら…
例えば,
学校で
子どもが
「うちの親は弁護士なんだ」
と言って,周りからどよめきが
起きたとして…
別のこどもが
「ウチは職人なんだよね」
といったら…
それもどよめき,リスペクトされる。
そんな未来もあるかもしれませんね。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
アップスタッツ合同会社 経営軍師 飯山陽平
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