こんにちは。
アップスタッツの飯山です。
今日は,
見ようによっては
非常に悪質な話をします。
正しくクレームをいれるための技術です。
クレームは,日頃の仕事から考えると
社長・経営者としては
対処する側に回ることが
多いのではないでしょうか。
一般消費者としては
当然,クレームを入れる側に回ることが
多くなります。
もっとも,
クレームを入れずに,愛想を尽かして
縁を切ることも多いでしょうけど。
ただ,
今日は理不尽で納得がいかない出来事に
どのように適切にクレームを入れたらいいのか。
実例を通して解説していきます。
繰り返します。
見ようによっては,
悪質にもなりえます。
正しく理解して,
正しく活用して欲しいので,
興味ある方のみ,しっかりと最後まで
お付き合いください。
雨ざらしになったお米
先日のことです。
身内からお米が送られてくる…
ということで,
受け取れなかったら困ります。
荷物番号を教えてもらったので,
S川急便…(以下,宅配業者)に
連絡して到着日の確認をしました。
その時に,
雪の影響で遅れるかもしれない。
午前指定が優先されるので,
午前の配達に間に合わなければ,
翌日の午前に配達になるかもしれない。
とのこと。
さて当日。
午前中待っていても,
荷物は来ません。
どうやら,
遅延したのでしょう…と判断。
明日来ると思っていたのですが。
配送した身内が,
追跡したのでしょうか,
私が受け取っている前提で
連絡してきました。
私は何のことかわかりません。
受け取っていませんから。
そこで,あわてて
私も荷物を追跡番号で
検索したら…
午前中に配達完了になっています。
受け取っていないのに,です。
特に,この身内は
置き配とか絶対に嫌がる人なので,
まさか置き配するはずもなく…
…でも,念のため,
外を見てみたら,
ドアの前に,
大きな段ボールが置いてありました。
箱には,
それがお米であることが
よくわかるようなデザインに
なってあり…
「水濡れ厳禁」
と書いてあります。
そして…
雪ではなく雨になっていたのでしょう。
雨ざらしになって,
ダンボールがずぶ濡れになっていました。
慌てて,中に入れて…
送ってくれた身内に報告。
もちろん,置き配許可なんて
してない…ということを確認の上…
早速,宅配業者に電話。
ここからが,
「私の考える」
正しいクレームのやり方です。
正しいクレームとは何か
正しいクレームとは,
相手が間違ったこと,
本来すべきでないことをしたことで,
こちらが何かしらの被害や迷惑を
被ったことに対しての抗議です。
その結果としてしっかり釈明してもらい…
場合によっては補償という話にもなります。
ここでいう抗議とは,
感情の赴くままに
怒りをぶつけることではありません。
本来,
どうすべきところを
どんな対応をされたのか。
その結果として,どんな事態になったのか。
この最後の,どんな事態になったのか,
というそのなかの一つが,怒りです。
最初に怒りをぶつけるのは,
合理的ではありません。
今回,
まず,宅配業者に電話して…
最初に,
「そちらでは無許可で置き配をするのですか?」
…と確認。
そして,
「ウチでは置き配はしません」
という言質を摂った上で…
・追跡履歴で配達完了時刻には
家にいたのにインターホンは鳴らなかった
・玄関の扉前に置いてあったこと
・雨ざらしで濡れていること
・パッケージにはお米であることがひと目で分かり,
水濡れ厳禁とも,各面に印刷してあること
これらの事実を伝え,
「置き配をしないといったのに,
このような出来事が起きているのは
なぜなのですか?」
…と尋ねるのが,
私の考える,
シンプルなクレーム技術です。
大きなポイントは,ここから。
相手は即座に,
「申し訳ありません」
…と謝ってくることが多いです。
その時に,
「謝ってくれと言っているのではなく
理由を尋ねているのですが?」
…と返すことです。
実際に,なぜ私がこのような理不尽な
対応をされたのか,
その原因や理由を,つまびらかにする。
それなくして,謝罪されても,
「ただ謝ればいい」
という感じで謝られるだけ。
かえって不愉快です。
なので…
「私の話,聞いてましたか?
理由を尋ねているのですが」
クレームの先にある本当の目的
その後,
担当ドライバーから連絡があり
釈明を聞いたところ…
・初めての建物だったので,場所が不確かだった
・間違って隣のインターホンを教えてしまったようだ
・インターホンに対応した人が,「そこに置いておいて」と
言われたから,その通りにした
とのこと。
この武漢コロナの関係で,対面を避けるため,
インターホンの指示などで指示がある場合に,
指示通りに置いておくことは多々あるようです。
この釈明を聞いて,
あなたはどう思うでしょうか。
私はシンプルに,
「言っていることが矛盾していますね。
何を騙そうとしているのですか?」
…と尋ねました。
不確かでよくわからない建物に
配達するなら…
私だったら,
インターホンで出た人に,
「○○様のお宅で間違いないですか?」
と尋ねます。
私でなくとも…
そして,不確かでなくとも,
必ず尋ねるのが当然と言えます。
実際,私も,
かつて何度も,インターホンで呼び出されて,
「▲▲様のお宅で間違いないですか」
「違います」
「失礼しました」
といったやり取りはしてきています。
当然の対応です。
つまり,このやるべき当然の対応なので,
それがなされている以上,
隣家のインターホンを押した…なんて嘘は
まかり通らないわけです。
だから,
私は
「何を騙そうとしているのですか?」
という対応になります。
まあ…結局のところ,
隣家のインターホンを押し間違いをした上に,
受取人名の確認を怠った。
二重のミスをしただけでしょう。
でも,私はこの点を徹底追及します。
「当然,受取人の確認をするのは,
配達業者として当然ですよね
それをしていたら,
隣家のインターホンを押したってすぐわかります。何を騙そうとしているのですか?」
もちろん,
「申し訳ありません」
と謝ってきますが…
上述と同様に,
「謝ってくれ,なんて言ってません。
話を聞いてますか?
何を騙そうとしているのですか?」
このやり取りを延々と続けて…
その後,私が出かける時間になったので,
「今のこのやり取りをすべて上司に報告して,
上司から連絡するようにしてください」
その後,上司から…
あらためて謝罪があり,
インターホンを押し間違えたこと
受取人を確認することを怠ったこと
この2点について,
しっかりと改善することを指導する,
ということで,話は終わりました。
クレームは,
相手の怒りをぶつけられて,
それに対応するだけで終わる。
それがクレーム対策…
みたいになっていますが。
一部の例外を望んで,
顧客が怒り狂うにはその原因があり…
そしてその原因はなぜ発生したのか。
それをしでかしたことを
「本人が」
自覚した上で,
「本人が改めようとしない限り」
変わることはありません。
今回,
配達員の失態…
その失態がどんな事態を引き起こしたのか。
その事態は,
一言
「○○様のお宅で間違いないですか?」
と尋ねるだけで回避出来たということを,
本人が身にしみて実感すれば…
二度とやることはないでしょう。
…というか,
この宅配業者に,またやらかされたら
困ります。
今回は外に放置したままで雨ざらしに
なっていましたが…
そうではなく,
間違ってインターホンを押した宅の
人が…受け取ってしまったら…
そしてそれを着服してしまったら…?
いろいろ面倒な事態になりますよね。
だから…
単に謝って終わらせるのではなく,
徹底的に原因を追求したのです。
まあ…
怒りくるって
怒鳴り散らすよりも…
「つい,怠ってしまいました」
「それはなぜですか?」
「いえ,申し訳ありません」
「謝ってくれと言ってません。それはなぜですか?」
「つい…」
「つい,なんですか?」
ひたすら,理由を尋ねる。
このほうが,きついかもしれませんね。
なので,
悪用厳禁です。
冷徹に,理由を淡々と
尋ね続けられる方は,
ぜひやってみて下さい。
最後に。
お米ですが,箱の中まで濡れてましたが,
ビニールで個包装してあったので,
無事でした。
私がそれを拭く手間が発生したくらいですね。
あなたがより「アップスタッツ」な明日になりますように。
アップスタッツ 飯山陽平