こんにちは。
アップスタッツ合同会社の代表，
経営軍師の飯山です。
昨日の記事では，
マーケティング戦略の中でも
もっとも基本的な戦略の一つ，
オプティマイゼーション(最適化)について
例として紹介した上で…
そういった
基本的な戦略を構築するより
「前」
にやるべきことがある…
という話までしました。
では，
そのマーケティング戦略を
構築して，
集客や売上アップを目指すよりも
「前」
のとは何なのでしょうか。
人によっては
少し懐かしいと思えるかもしれない
昔話をお題に，
お伝えしていきます。
原理原則をしっかり確認して，
あらためて
集客売上アップをしっかり
目指していきたい方は，
最後までお付き合いください。
「確認会社」ってご存知ですか？
もう，20年くらい前でしょうか。
確認会社というものが
存在していたのを
あなたは覚えているでしょうか。
サクッと説明すると，
昔は
「最低資本金制度」
というものがあり，
株式会社は最低1000万円，
有限会社は300万円ないと，
会社を設立できない時代が
長く続きました。
ですが…
20年くらい前でしょうか。
(正確な年数は，ここでは不要なので，
違っていても気にしないでください)
その最低資本金に到達しなくても
「一定の手続き」
をすることで，会社設立
できる特例ができました。
資本金1円でも
会社設立できる…
ということで，
1円会社なんて呼ばれることもありました。
それから5年も経たずに，
「会社法」
という法律が出来て…
「特例」
ではなく「標準」となりましたが。
そういった手続きの話が
重要ではなく…
当時の時代背景についてです。
インターネットが認知され，
今では当たり前の
「常時接続」
なんて言葉も出てくるようになりました。
昔は，
いちいち電話回線で
接続しないと
オンラインにならない時代もあったのです。
そして…
それだけ会社設立を
簡易にするということは
何を意味するのか。
起業ブームです。
今でこそ，
「起業」という言葉自体に
大きな特別の意味はありませんでしたが。
昔は
「起業する」
なんて言ったら，
かなりの大事でしたから。
それこそ，
家族会議になってししまうことも
あったようですね。
私は古い人間なので，
自分が学生時代に
「サラリーマンにはなりたくない」
というところからスタートしたものの，
「起業する」
なんて凄くて特別なことを
自分にできるはずがない…と
当然の前提のように思っていました。
だから，
国家試験で独立開業
(当時の私では開業と起業とでは，
起業のほうが特別な意識でした)
私の話はさておき。
社会全体が
起業ブームに踊らされ，
書店には起業に関する
具体的な内容…
個人事業主と法人とでは
何が違うのか…とか，
青色申告の仕方とか…
そういったものが店頭に並び…
その奥には，
マインドを鼓舞するような，
自己啓発の本がよく売れていました。
当時の有名な本では，
この当たりでしょうか。
人と違うことをすると，
「同調圧力」
によって，潰される。
そんな時代から，
「起業」
も特別ではなく当然の選択肢として
認知されるようになりました。
そのさらにその背景には，
終身雇用制度の
崩壊が少しずつ加速していたり…
少子化が目立ってきていたり…
バブル崩壊から，
ずっと閉塞していた社会全体において
「破天荒」な起業家が
台頭してきたり…
具体的には，ITバブルで儲けた某社長が
どこぞのプロ野球球団を
買収しようとして
大きく話題になったり…
という時代背景でした。
若い世代の方には
わからないかもしれませんが。
実際にその時代を
肌で体感してきた方は，
当時の「雰囲気」を
思い出していただけたのでは
ないでしょうか。
繰り返します。
私の父親は，
「サラリーマンはいいぞ
サラリーマンは何があっても
会社が守ってくれる
サラリーマンは最高だ」
…と
私に呪いを掛けるがごとく
(独立開業後も)ずっと
言い続ける人でした。
別に，
これが特別でもなく，
起業するなんで，本当のアホか
人非人扱いされる時代があり…
そこに，
様々な事情が重なり合って，
風穴が空き…
起業ブームに沸いたのです。
さて。
その起業ブームに沸いたあと
どうなったのでしょうか。
現実は変わらない
具体的な数字は，
ソースによって
変わってきますが。
よく，
起業して5年で80％の会社が
姿を消す。
10年後には，96%の会社が
姿を消す。
なんて言われます。
では，
この起業ブームの
前と後とでは，
この数字って
どうなったのでしょうか。
原因が変わらなければ
結果も変わりません。
すなわち，
今も昔も，96%前後です。
変わったのば
「母数」
くらいでしょう。
昔よりは
マシだったかもしれませんが。
なにせ，
私が国家資格で独立開業するにあたって
たしか，5万だか，3万だか払って
「独立開業セミナー」
に参加したら…
「目の前の仕事を真剣にやっていれば
いつか顧客がつくようになる」
…と真顔で力説していましたから。
今だったら，
返金請求…どころか，
消費者センターに苦情が入るかもしれません。
それに比べたら，
集客とかマーケティングとか，
そういったデータに
容易にアクセスできる時代は
歓迎されることでしょう。
ただ，
それでも，
10年後に96%の会社が消えていく，
という状況は抜本的には
変わっていないのです。
あるいは…
法人の7割以上が
赤字である，
という状況は
打開できていないのです。
つまり…
起業したところで，
糊口をしのぐのが精一杯…
という状況が多数だったり…
あるいは
その前に力尽きてしまう会社も
多いのではないでしょうか。
原因がここにある
昔の，
「目の前の仕事を真剣にやっていれば
いつか顧客は来る」
みたいな…
詐欺まがいの
非科学的精神論の時代からすると…
売上アップとは，
客数アップ
単価アップ
リピートアップ
この3つの掛け算である。
売上アップをするには，
この3つの要素をどれだけ改善できるか…
に懸かっている。
…という
戦略的な考えが広まることは
とても素晴らしいことです。
この考え自体は，
これだけ時代の流れが早くても…
5年後も10年後も，
そのまま変わること無く
使えることです。
なぜなら，
それが
「原理原則」
だからです。
ニュートンの万有引力の法則が
時代によって変わる，
ということはないでしょう。
これも原理原則だからですね。
同じように，原理原則は
変わらないのです。
ただ…
この原則が広まっても，
状況が変わらない。
だとしたら，
何が足りないのか。
何が原因なのか。
それが，
昨日の記事の問いに対する
答えであり…
今日のこの記事の中で
すでに紹介しています。
そう，
「なぜ起業するのか」
「なぜビジネスをするのか」
「なぜサラリーマンではだめなのか」
「なぜお金を稼ぐのか」
この
「なぜ」
を詰める前に，
起業してしまうからです。
上述で描写してきたように，
社会全体が起業を容認するようになり，
起業ブームが到来。
そのブームに乗って…
「満員電車に乗って通勤すること」
が「大罪」であるかのように
煽り立てて…起業させようとする
人たち。
煽られて，
日頃の小さな不満を爆発させて，
勢いで起業してしまう。
それではうまく行かない。
なぜ…という点を詰めていかないと，
何らかの困難，障害にぶち当たったときに，
耐えられずに打ちのめされてしまうのです。
そして…
自分が本当に
「なぜ起業するのか」
「なぜビジネスをするのか」
「なぜサラリーマンではだめなのか」
「なぜ稼ぐのか」
という点を，明確に言語化していくことは
本当に辛く大変です。
そして…
それを乗り越えた人が，
起業家，社長・経営者として
困難に打ち負かされること無く
生き残っていけるのです。
これが，
お伝えした，
「足りない部分」
の，ひとつ
基本戦略を
適用する「前に」必要な要素です。
そう，
ひとつ。
結局，
その結果，
力尽きることはなくとも，
虫の息で，なんとか糊口をしのぐ
状況である，
という点は変わっていませんから。
その理由について，
また明日掘り下げていきます。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
アップスタッツ合同会社 経営軍師 飯山陽平
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