経済的価値とは注意である…という残念な現実の話

経済的価値とは注意である…という残念な現実の話

経済的価値とは注意である…という残念な現実の話
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こんにちは。
アップスタッツ合同会社の代表,
経営軍師の飯山です。

今日は,

価値とは注意である…という残念な現実の話

 

です。
いろんな価値がある中で…
経済的価値を生み出すものは,
どれだけ注意を向けられるかどうか,
という話です。

 

時事ネタをもとに,
お伝えしていきます。

 

最後までお付き合いください。

 

 

1億円は多いのか少ないのか

 

たまたま,SNSで
ニュースがひとつ
目に入りました。

 

将棋の藤井聡太3冠が,
4冠になったようです。

 

…ということで,
ニュースサイトを見に行きました。

 

 

以前は対局の中継を
見ていたこともありますが。

 

いかんせん,
将棋の対局は,
時間が掛かります。

 

一手指すのに,
1時間以上考えることもしばし。

 

 

最近は特に
手が空かなくて
将棋からは遠ざかっていました。

 

 

今回のニュースで,
まあ,正直
対局を見たかったなぁとは
思うものの。

 

いろいろ関連記事を見ているうちに,
「初10代で年収1億突破」
なんて見出しがありました。

 

マーケッターのざがです。
こんなときにチェックするのが
そのニュースのコメント欄。

 

 

 

人間の感情を
理解するのは,
マーケッターの大切な仕事です。

 

 

コメントには,
いろんな考え,感情…
その奥にある観念渦巻いています。

 

 

特に,今回はお題がお金だから…
お金に関する観念と感情が
いろいろとむき出しです。

 

 

さて,
前置きはこれくらいにして。

 

 

個人的に
興味を持ったのが
「安すぎる」
という意見。

 

 

何件かありました。

 

 

10代初の4冠達成という偉業で
年収1億は少ないのではないか。

 

藤井4冠のようなレベルの棋士で
1億円というのは少ない。
若者が夢を見るような額ではない。
だから…棋士の将来が…

 

 

プロ野球選手で1億円プレイヤーは
たくさんいるのに,
なんで棋士には1億円プレイヤーは少ないのか。

 

まあ,いろいろありました。

 

 

実際,
棋士のトッププレーヤーは…
凄まじく過酷な仕事でしょう。

 

何手,何十手を先読みする
その思考力,集中力が必要で…
それも1時間とか2時間といったレベルでは
ないですからね。

 

それを何回も対局するのですから,
本当に大変です。

 

体は酷使しませんが,
体以上に,脳を酷使する
大変な仕事です。

 

だから…
プロ選手のトッププレーヤー並の
報酬があってもいいのではないか。

 

 

…という考え方です。

 

けれど…
実際にはそうはならないでしょう。

 

 

お金が流れる理由

 

 

 

これはひとつの考えです。

 

お金というものは,
価値があるところに流れます。

 

ならば,
本当に価値があるけれど
お金が流れない場合も
あるのではないか,
と思われる場合もあるでしょう。

 

まさにそのとおりです。

 

例えば,
今回の将棋ですね。

 

 

ここで言う
「価値」
を…もう少し具体化すると,
それは
「注意」
です。

 

 

人から注意を向けられるものには
価値があります。

 

 

わかりやすいのは,
プロアスリートのユニフォームに
スポンサー会社ののロゴをプリントする。

 

その選手が
テレビに出ると,
ロゴも放映される。

 

 

そこに
「価値がある」
という考え方です。

 

マーケティング…
特にダイレクトレスポンスマーケティング
などでは…
そういったマスマーケティングは
価値がない…と考えますが。

 

…実際,
1回映ったら,
スタジアムへの集客人数は
何人増えたか…
なんて効果測定できませんからね。

 

 

話を戻します。

 

そういった,
「注意を向けられる」
ことに価値があります。

 

 

それは,
企業活動だけはありません。
人間の根本的な欲求でも
あるようですね。

 

 

例えば,
先日,飲食店に
食事に行った時。

 

斜向いの席では,
若い母親と
小さな子供が。

 

 

そして…
その子どもがやたらと
大声で喚く。

 

 

うるささに注意を取られて
そちらを見ていたら…
母親は,喚く子どもを無視して
スマホを凝視していたのです。

 

 

つまり,
子どもは母親から
無視されている,
注意を向けてもらえないから
すねて,喚き散らして
注意を得ようとしているのでしょう。

 

こんな小さな子どもでも備わっている
根本的な欲求のようです。

 

 

将棋は注意を向けられるのか

 

 

さて。
今回は藤井4段が…
10代初の1億円プレイヤーだから
とか
史上初の10代4冠達成とか。

 

…注目を浴び,
注意が向けられていますね。

 

これって,
将棋に注意が向いているのでしょうか。

 

彼本人に
注意が向いているのでは
ないでしょうか。

 

 

だから,
対局中に食べられる
おやつに注意が向き,
それが売り切れになることはありますが。

 

 

でも,
ニュース記事の中で,

 

「あの振り飛車が…」

「あのときの桂馬が…」

 

みたいな,
指し手そのものに関する話題は
皆無です。
実際,いくつかニュース記事を
見ましたが,
何手で決着が付いたか…
くらいしか書かれておらず,
対局の中身や指し手については
一切触れられていません。

 

 

これを野球に例えるなら…

 

スコアと結果くらいしか
報道されていないも同然。

 

誰がヒットを打ったとか,
誰が完封したかとか…
そういったことが書かれていないのと
同じようなものです。

 

 

なぜか。
書いても分かる人は少ないから。

 

 

それを書くことで
より注意が向けられるなら書く。
注意が向けられないなら書かない。

 

私のこのブログと違って,
大手メディアの記事は
純然たる経済活動ですからね。

 

 

注意が向けられれば,
スポンサー料に
直結することでもあるので
大事なのです。

 

 

つまり…
将棋の指し手や棋譜は,
注目を浴びるコンテンツでは
ないということですね。

 

 

まして…
サッカーの試合なら,
前後半90分+α

 

野球でも…
9回裏までですから…
試合時間は4時間前後くらいでしょうか。

 

一方。
今回のタイトル,竜王戦。
7番勝負ですが。

 

 

持ち時間が
一人8時間あります。

 

つまり…
対局する棋士2名が,
盤を前に,動かない状態が
最低16時間続くことが想定されます。

 

 

16時間…
ずっと注意を向けられる人って
どれだけいるのでしょうね。

 

そこまでの集中力がある人は
まずいない。

 

いたとしても…
実際に,
16時間,対局を見続けられる
時間的余裕がある人って
どれだけいるのでしょうか。

 

 

だから…
将棋は,
スタジアムで大勢の観衆の前で
指すということはできません。

 

 

つまり…
スタジアムへの集客や,
そこでの物販などの収益が
得られないということです。

 

 

そう考えると…

 

「将棋」
という種目で
1億円プレイヤー…というのが
いかに凄いのかというのが
よくわかりますね。

 

 

本質的な価値と現実的な価値

 

 

では,
お金にならない将棋は,
価値がないのか。

 

 

上述の
「注意を向けられる」
という点だけの価値で考えると,
将棋は注意を浴びるものとしては
魅力に乏しい。

 

けれど…
将棋そのものが
無価値で,不要なものでは
決して無い。

 

 

本質的な価値はあるけれど
現実的な価値…
換価価値とでも言えばいいのでしょうか。

 

…は,
将棋には乏しい。

 

 

そして…
別に将棋に限ったことでは
ありません。

 

 

芸術家は
だいたい同じような状況ですね。

 

例えば音楽を志して
1日十数時間…
それを幼少からずっと続けても…

 

年収1億円レベルの
音楽家って…どれだけいるのでしょうか。

 

邦楽のアーティストなどは
CDが売れれば
お金に成る時代もありましたが。

 

では,
ピアニストや
バイオリニストで
1億円稼げる人って
どれだけいるのでしょうか。

 

 

そして…
トロンボーンやコントラバスなど,
楽団の構成員としては
欠かせない楽器を扱う人で…
まともな年収を得られている人って
本当にどれだけいるのか。

 

 

音楽自体には
かけがえのない価値はあっても…
それは人から注意を向けられる
換価価値としては乏しいのです。

 

 

この点を踏まえて,
考え方は2つ。

 

 

ひとつは…
「そんなことは
【本人が】わかっているんだから
外野が口出しすることではない」
ということ。

 

もう一つは…
「目指す本人が…
そのことをよく理解しておくこと」
でしょう。

 

実際,
あるアーティストがいて…
子どもが親と同じアーティストに
なりたい…と思って活動しようとしたら
親がひどく反対した,なんて話があります。

 

お金にならないのが原因です。

 

 

そんなことは当然にわかった上で,
自分が本当にやりたいことを志した
生き方をした。
その分,極貧にあえいだ。

 

 

だから,子どもには貧乏にさせたくない。

 

…自分は好きな生き方をして,
子どもには,好きな生き方をさせない。
あまりにもエゴで愚かな親と
言う他ないでしょう。

 

本人が承知の上で選んだ道なら
親といえども口出しすることでは
ないでしょう。

 

 

最後に。
本当にやりたいことがあって…
でもそれがお金にならないのなら…

 

お金になることを
別にやって,生活をしながら
本当にやりたいことをやる。

 

その選択肢が,
もっと普及するといいですね。

 

 

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
アップスタッツ合同会社 経営軍師 飯山陽平

追伸

アイキャッチは…二歩なので反則負けです。
…って気づいた人,実際どれだけいるでしょうか。

 

 

 

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