こんにちは。
アップスタッツ合同会社の代表,
経営軍師の飯山です。
この記事を書いているのは
2月13日の夜。
もう少しでバレンタインデー
ですね。
バレンタインデーといえば,
よくやっかみと揶揄を込めて
「製菓業界の陰謀」
などと言いますが。
はたして実際のところ
どうなのでしょうか。
陰謀そのものについての
真実はわかりませんが…
バレンタインデーにおける
マーケティング的な立ち位置について
考えていきます。
なかなか真似できるものではないので,
読み物程度の感覚で
最後までお付き合いください。
前提がおかしい
バレンタインデーの由来は…
キリスト教における聖人,
聖ウァレンティヌスに由来する
記念日です。
一方。
日本国内における
キリスト教徒の数は…
複数の牧師に尋ねたことが
ありますが…
ずっと人口の1%程度とのこと。
実際には,
100人に1人も
キリスト教徒はいないのが現実ですが。
つまり,
日本の文化,風土において
キリスト教の考え方は
なじまず,信者は増えていない。
(上述の牧師曰く,
新しい信者はいる一方,
これまでの信者が減っていくので
結果的に横ばいになっている,
とのこと)
…にもかかわらず,
聖ウァレンティヌスの記念日が
バレンタインデーとなっているのですから,
おかしな話です。
まあ…それを言ったら,
クリスマスってどうなのよ,
って話になりますけどね。
これ以上の話は
宗教史だったり
日本文化概論の話になっていくので
ここまでにしておきます。
前提として
おかしいにもかかわらず,
受け入れられ,
季節イベント化している,
という点。
そこに,
製菓業界の働きかけが
あるのではないか…
というのが
陰謀論の根拠なのかもしれません。
マーケティングの理想
ただ,
もし本当にそうだとすると,
その陰謀を仕掛けた
製菓業界の人は…
素晴らしいマーケッターだと
言う他ありません。
由来である
聖ウァレンティヌス…
キリスト教関連が
日本国内において
根付いていないにも関わらず,
それに関わるイベントだけを
定着させたのですから。
何よりも,
マーケティングとして
優れたイベントだということです。
由来によれば,
キリスト教圏においては
家族や恋人など
大切な人たちに贈り物をすることが
習わしになっているようですが。
日本国内においては
「義理チョコ」
なるものが台頭して…
社交辞令のツールとして
使われています。
近年は,
友チョコだの逆チョコなども
あるようですね。
どんどん派生していって,
消費を増やしている。
まさに,
優れたマーケティングだと
言う他ありません。
そして…
何よりも
マーケティングの理想でもあります。
マーケティングの理想は,
「需要を作り出すこと」
です。
一般的にマーケティングは
存在する需要に対して
アプローチする場合がほとんど。
コピーライティングなど,
まさにこれに尽きます。
欲しいと思う人に
買ってもらうための技術が
コピーライティングだと言えます。
言い換えると,
欲しいと思っていない人に
買ってもらう技術では
無いということです。
そして,
コピーライティングとは
マーケティングが戦略だとした場合の
戦術レベルの話ですから…
基本的に,
ほしいと思っていない人に
売ることはできません。
ですが…
こもバレンタインデーというイベント。
繰り返しますが,
キリスト教関係が
根付いていない文化風土の
日本国内において,
聖ウァレンティヌスにまつわる
記念日として
贈り物をする日。
…として定着しているのです。
存在しなかった需要を
新たに創り出して,
季節イベントとして
定着させたのです。
まさに,
マーケティングにおける
理想の極地だと言えます。
需要を創り出した別の例
ピンと来ないかもしれないので,
もう一つ,
需要を創り出した例を紹介します。
ダイヤモンドです。
そもそも,
昔はダイヤモンドというものは,
宝石として大した価値がなかった
と言われています。
一度聞いただけなので
少々記憶が不確かですが…
1970年代より前において,
日本国内に置いては,
ダイヤモンドなど,
ほとんど需要がなかったそうです。
ですが…
今はダイヤモンドといえば
「宝石」の代表例とも言えますね。
これはなぜか。
日本国内において,
エンゲージリング・マリッジリング
などにおいて,ダイヤモンドを使う,
という文化が植え付けられたからです。
当時の広告代理店が
そのようにプロモーションを
仕掛けた,と言われています。
実際には,
ダイヤモンドというものは
それほど希少価値があるわけでは
なかったので…
ダイヤモンドを採掘して…
それを運搬する船が…
定期的に行方不明になる…
なんて都市伝説もあるようですね。
つまり,
それだけのダイヤモンドが
市場に流通したら
価値が下がってしまうから,
運搬中にこっそり
海に投棄しているとかなんとか…
まあ,聞いた話であり,
裏付けは取っていませんので,
あくまでも
マーケティングにおいて
「需要を創り出した例」
として認識いただければ十分です。
1970年代より前だと…
日本は,欧米に対して
憧憬の念が強かったこともあり…
「洋式の結婚式では
これが当たり前である」
というアプローチで
売り出したとかなんとか…
巧いことやりましたね。
多くの場合,
需要は
「掘り出すもの」
であって,
創り出せるものではありません。
需要を創り出せた場合,
それこそ,文化や伝統に
根付くくらいまでのものに
なるでしょうから…
需要を創り出せるマーケッター
というのは憧れるものの,
現実には,
しっかりと
顧客の需要を拾い上げられる
マーケッターでありたいものです。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
アップスタッツ合同会社 経営軍師 飯山陽平
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