こんにちは。
アップスタッツの飯山です。
ここ数日
リスクリバーサルについて
話をしてきました。
一連のまとめとして,ざっくりと
リスクリバーサルの類型と…
そして未来について
考えていくことにします。
少々身も蓋もないことも
言いますが…
最後までお付き合いください。
リスクリバーサル4類型
ざっくりと紹介します。
1.返金保証
2.一部返金保証
3.100%以上の返金保証
4.効果が出てからの支払い
くらいでしょうか。
一部返金保証は…
本当は,昨日紹介した
「セミナー代金全額返金」
を以て一部返金保証,というのが
ふさわしいのでしょう。
つまり,
セミナー受講料が10万円として…
でも,受講料以外も,
交通費,宿泊費,日当…的なもの
すべを支払いしなければ,100%返金保証,
とはいえないわけです。
でも,
そこまでするのは
現実的ではないですよね。
人によって金額が変わったりして,
いろいろと処理も大変です。
だから…
セミナー受講料だけの返金で,
「本来はそれらの金額も
支払いすべきだけど,
そこまではご容赦ください」
ということで
全額返金しておきながら
「一部返金保証」
というほうが,
よほどいいですね。
なぜなら,
それらの金額まで掛けているということを
売り手側が理解している,
ということが伝わりますから。
逆に,
その点を一律2000円支払います…
みたいな処理をして,
セミナー受講料+2000円を
返金する,という100%以上の返金保証
という例も見たことがあります。
実際,かなり反響があったようですね。
効果が出てからの支払い,
というのは…わかりやすく言えば
成果報酬みたいなものでしょうか。
身も蓋もない話ですが,
おそらくこれが一番,
リスクリバーサルとしては
機能しているとも言えます。
それが,
今日お伝えするテーマそのものに
関わってきます。
リスクリバーサルそのものには大した効果がない
…です。
はい,身も蓋もないですね。
ここ数日解説して来たのは
何だったんだ…
となりますが。
でも,
実際そうではないでしょうか。
あなた自身,
「いざとなれば,
お金返してもらえばいいから,
安心して申し込みできる」
…と思って,
実際に注文したのは
どれだけあるのでしょうか。
さほど,多くはないと
思われます。
それこそ,
「変な人…」
つまり,返金保証を目当てにした人でも
ないかぎり…
購入した以上,そうそうに返金請求などしない。
…というのが,
多くの日本人のメンタリティでは
ないでしょうか。
リスクリバーサルの発想自体は,
欧米からきたマーケティング的発想なので…
日本人のメンタリティには,
噛み合っていない部分があるのです。
「いざとなれば返金請求すれば良い」
という安心感があるから
リスクリバーサルは効果があるのではないのです。
日本人のメンタリティにもとづいて
リスクリバーサルの本質を考えると…
「返金保証つける覚悟があるくらいに,
この商品やサービスで価値を提供できる
自信がある」
ということですね。
「ウチの商品,あなたにとって最高ですよ」
…と,100万回言うよりも,
「あなたが満足できなければ
返金いたします」
…という方が,
「その自信と覚悟」
が伝わるということですね。
返金保証がついているから安心…
なのではありません。
返金保証を付けられるくらいの
覚悟があるくらいの品質とサービスである,
ということですが
日本国内での,
リスクリバーサルの
本質になるのでしょう。
ですので…
適当な理由をつけて,
なんだかんだで返金しない,
というのはそもそも論外として。
返金保証の適用を受けるに当たり,
様々な条件をつけるのも,
リスクリバーサルの本質から
外れていると言えるのです。
リスクリバーサルの本来の形
最後に,
リスクリバーサルをする上で,
避けて通れない話があります。
売り手側として
リスクリバーサルを導入する。
ぶっちゃけ…
…怖いのではないでしょうか。
実際,
クライアントに
提案しても,なんだかんだで
理由をつけて付けない人もいます。
返金請求されるのが怖いからなのでしょう。
そこで考えてみてほしいことがあります。
取引が成立後に
返金請求してくるかもしれない,
というこの恐怖。
これ…
私達が,一人の顧客として
買い物する時に抱えている
潜在的恐怖なのです。
つまり…
「この人にコレを頼んで,
失敗したらどうしよう…」
「お金と時間,損するかもしれない…」
と,内心では思いつつ。
それでも頼まざるをえないのです。
売り手側は,
自社商品についてよく理解していますが。
買主側としては,
本当にどんなものかは,
買ってみないとわからないのです。
それでも…買うしか無い。
リスクを抱えたまま買うのです。
だから,
売手がリスクリバーサルを導入する時の
その恐怖というのは…
買主側が日頃感じている恐怖なのです。
だからこそ…
リスクリバーサルは
「それを売手が背負います」
という覚悟なのです。
そう考えると…
リスクリバーサルそのものではなく…
リスクリバーサルなど付けなくても,
買主が何の恐怖もなく,
安心して喜んで買い物できる。
これが,最終形なのでしょうね。
聞いたことがある事例では,
「オール電化工事」
に返金保証を付けた話があります。
工事に100万円掛かるとして…
返金保証をつけるというのは,
100万円の工事費を返金した上に,
オール電化にしてしまったものを
もとに戻さなければなりません。
とても,
できるものではありませんね。
でも返金保証を付けた。
そして…
「返金請求されないように」
買い手が感じる,
どんな些細な…他愛も無い,小さなことでも,
セールスの時点で徹底的に
不安や恐怖,不満足を解消して,
それから販売する,というやり方にしたそうです。
年商1億円の会社が…
それで40億円を越えたらしいです。
これが,
リスクリバーサルを越えた,
最終形なのでしょうね。
お互いがリスクを覚悟の上取引をする。
…のではなく,
お互いにリスクを感じなくなるまで,
徹底的に煮詰めてから取引すれば,
リスクリバーサルなど必要ないのです。
ただ,オール電化みたいに,
カスタマイズされた,高額の個別商談なら
できるのでしょうけど。
そこまで手数をかけて
商談を煮詰めていられないから…
「不安や恐怖を感じなくなるまで
徹底的に詰めていき,
納得してもらってから買っていただきたいですが
そこまで時間も労力も,
お互いに掛けられないのが現実です。
だからリスクリバーサルという
画一的処理でご容赦ください」
というのが現実的なところでしょうか。
本質と理想。
本来は,顧客がリスクを感じることなく
買い物できるようにする。
…という点を忘れずに
心がけていきたいですね。
あなたがより「アップスタッツ」な明日になりますように。
アップスタッツ 飯山陽平
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