こんにちは。
アップスタッツの飯山です。
今日は,価値観の話をします。
ものの例えです。
天才と秀才の違いとは
何なのでしょうか。
詳しく解説すると
本題から逸れるのでザクッとまとめると…
天才とは,先天性による能力を発揮すること。
秀才とは,後天性で能力を獲得,発揮すること。
イメージ的には,
秀才は努力の賜であり…
それを,天才が越えていく…
みたいな感じでしょうか。
ただ,天才は能力の極振り型も多く…
一つのことはずば抜けていても,
他の要素で破綻していることもある反面。
秀才型は,万能…とまでは行かなくとも
それなりにまとまった能力を発揮する。
ここまでが私の抱くイメージであり,
今日のテーマのアナロジーでもあります。
さてこの天才型マーケティングが
「偉大なマーケティング」とした場合。
秀才型マーケティングが
「規範的マーケティング」
とでもしておきましょうか。
この違い。
そして何をどう目指すのかについて
考えていきます。
以下,お付き合いください。
偉大なマーケティングの正体
では,
ここで言う偉大なマーケティングとは
何なのでしょうか。
偉大ですから…
世間の認識を大きく超越した
何かで在ることは確かです。
具体的には…
マーケティングの基本を学んだ方であれば
「常識」
ではあるのですが。
マーケティングは,
見込み客のニーズやウォンツに焦点を当てて,
展開していくものです。
言い換えると…
「すでにニーズやウォンツが存在している」
という前提になります。
そのニーズやウォンツを的確に探し出して,
焦点を当て,展開していくのが
規範的マーケティングということになります。
これを前提に,
偉大なマーケティングとは
何なのでしょうか。
それは,
ニーズやウォンツを
「創り出す」
マーケティングだと言えます。
上述の
規範的マーケティングは
「すでにあるニーズやウォンツ」
に焦点を当てるのに対し点
偉大なマーケティングとは,
もともとなかったニーズやウォンツを
新しく創造し,それを売っていく
マーケティングと言えます。
人類の進化と偉大なマーケティング
そして…
偉大なマーケティングこそが,
人類…文明,文化を発展,促進させる
鍵でもあります。
厳密に解釈すると
違うかもしれませんが。
わかり易い例として…
iPhoneなどが,
偉大なマーケティングの例でしょうか。
iPhone…スマホの先駆商品ですね。
すでに,
携帯電話というものは
存在していました。
ラップトップ…
いわゆるノートPCというものも
存在していました。
では…
ポケットに入る,
一部のラップトップ機能を
上回るような性能のデバイス。
そんなものに対して,
ニーズやウォンツを持っていた人って
どれだけいるのでしょうか。
なお,
「そうそう,こういうのが欲しかったんだよね」
…という人のほとんどが
「嘘」…もっと言うと勘違いです。
これまでなかったものを
「こういうものを欲しかった」
なんて思う人はなかなかいませんから。
人間の脳は
「存在しないものは認識できない」
です。
数学の世界において
「ゼロ」
の発見が大きな発明になったような
ものでしょうか。
話を戻します。
iPhone…
スマホがなくなったら,
今のあなたはどうなるでしょうか。
…別に,どうにもなりませんよね。
なぜなら,
私達が生まれた時代…
幼少期においては,
iPhoneなどなかったのですから,
別に何も困ることはありません。
電話したければ,
自宅の固定電話や
あるいは,外の公衆電話を
使えばいいだけです。
文書を作成するなら,
ワープロを使えばいいのです。
…今の時代,
大学生が,卒論をスマホで書く…
と聞いて,本当に驚きますね。
このように,
これまで存在していなかった
ニーズやウォンツを新しく創り出すのが,
偉大なマーケティングです。
偉大なのは…
それだけ,人類に対する
大きな貢献にもなりうるからですね。
人類への貢献になるかどうかは
ともかく…
偉大なマーケティングの例としては,
先日紹介した,
「恵方巻を食べる文化伝統」
や,土用の丑に鰻を食べるとか。
スイートテンダイヤモンドとか
エンゲージリングにダイヤモンドとか。
これも,
偉大なマーケティングの範疇でしょう。
エンゲージリングに
きれいな宝石…という点から
「ダイヤモンド」
という宝石にシフト。
ダイヤモンドへの憧れというものを
生み出したとも言えます。
偉大なマーケティングの致命的弱点
それは,
上述の通り,
「天才型」とも言えるので,
そもそも難易度が非常に高いこと。
そして…要求されるリソースが
莫大なものになります。
はたして,
広告代理店が,
それだけのコストを投じて,
エンゲージリングにダイヤモンド…
という風習を作り出したのでしょうか。
恵方巻を節分に食べる。
…ということを全国レベルの風習にするのに,
どれだけかかったのでしょうか。
調べた限りでは…
30年かかった…という見解もあれば
10年かかった…というものもあります。
一方,
秀才型…
規範的なマーケティングは,
これまでの人類の歴史,背景から
「すでに確立している」
ニーズやウォンツに焦点を当てるのですから,
その分容易ではありますね。
偉大なマーケティングのように,
歴史的な成果にはなりませんが。
私達が選ぶ道
…では,
私達が選ぶ道は
どちらのでしょうか。
それは言うまでもありません。
社長が選ぶ道です。
自社の価値観,世界観。
なぜ起業したのか。
自社が顧客にどんな価値を提供したいのか。
これらを的確に分析した上で
必要な選択肢を取ればいいだけの話です。
偉大なマーケティングが
優れているとか劣っているとか…
規範的なマーケティングが
優れているとか劣っているとか…
ではなく。
自社に必要な選択肢を,
突き進む。
これが,
理念を実現する会社経営です。
いずれにしても
マーケティングというものを,
的確に学んで実践。その先の話ですね。
綺麗事に聞こえるかもしれませんが,
実体験をもとにした「現実論」です。
私も,マーケッターの端くれ。
偉大なマーケティングをかなり時間と費用をかけ,
学びましたが…
非常に難しい上に,
現実的な行動計画にまで落とし込むことが
できませんでした。
偉大なマーケティングは…
「どうしてもそれが必要な人」
にのみ,門戸が開かれるものであり…
憧れなどで,できるものではない。
…ということをしみじみ実感しました。
以上,好き放題書きました。
あなたがどちらを選ぶのかはわかりませんが,
いずれにしても,健闘を祈ります。
あなたがより「アップスタッツ」な明日になりますように。
アップスタッツ 飯山陽平