「決断した瞬間から人生は変わる」というハラスメント思想

「決断した瞬間から人生は変わる」というハラスメント思想

「決断した瞬間から人生は変わる」というハラスメント思想
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こんにちは。
アップスタッツ合同会社の代表,
経営軍師の飯山です。

 

「既存の成功法則で成果が出ない人がどうするか」
というコンセプトで,連載を続けています。

 

そのためには,
既存の成功法則を手放さなければならない
という考え方から,
昨日は

 

 

熱意,モチベーション,
ポジティブシンキング…
といったもので行動につなげようということが
どれだけ無理難題なのかを
解説しました。

 

未読の方は,
この記事の最後に
リンクを貼っておきますので
ご覧ください。
(今日の記事をご覧いただく前に
読まなくても大丈夫です)

 

 

 

今日も,
昨日同様,
既存の成功法則を手放さなければならない
という立場から,
どうしても触れておきたいテーマがあります。

 

 

「決断したその瞬間から人生は変わる」

 

という,いかにも
「それっぽい」
ことを言う人に対して,
醒めた目線しか向けられないような方。

 

 

この考えがどれだけ荒唐無稽なのかを
お伝えしていきます。

 

 

以下,解説していきます。
最後までお付き合いください。

 

 

 

「29秒の決断」の物語

 

 

 

 

成功哲学の祖,
「思考は現実化する」の著者,
ナポレオン・ヒル。

 

 

彼は,若かりし頃,
新聞記者をやっていたときに,

 

 

大富豪であり
「鉄鋼王」と言われる
アンドリュー・カーネギーに
自宅に招かれて,
三日間,直接成功哲学の
教えを受け…

 

 

20年掛けて,この成功哲学を
体系化するように,
という依頼を受けました。

 

ただし,
各界の成功者を紹介するだけで
資金援助は一切なし。

 

 

決断を迫る,
アンドリュー・カーネギー。

 

ナポレオン・ヒルは…
その仕事を引き受ける承諾をしました。

 

その決断に要した時間が29秒。

 

 

実際に,
アンドリュー・カーネギーは
時計で測っており…

 

1分以内に決断できない人には
任せない,ということだったそうです。

 

 

…というこのエピソード。

 

自己啓発や
成功哲学について
少し触れたことがある方なら,
ご存知かもしれません。

 

 

実際には,
このエピソードは
作り話だという説もあります。

 

 

…が。
今日のお題としては,
このエピソードが
実話だろうがフィクションだろうが
関係ないので詳細は割愛します。

 

 

ポイントは…
このエピソードは
ナポレオン・ヒルの成功哲学を
広めるエピソードとして知られ,
活用されているのです。

 

言い換えると…
記憶に残りやすい
エピソードだと言えます。

 

 

なぜでしょうか。

 

 

売れない新聞記者だった
ナポレオン・ヒルが…
資金援助ゼロで,
20年掛かる大事業を引き受けた。

 

その
「果断さ」
に魅せられるから。
…という側面は
どうしてもあるのではないでしょうか。

 

 

人は,
果断さに魅せられます。

 

 

果断さは…
その人の
「カリスマ」
のひとつでもあります。

 

人は…どこかで
「導いて欲しい」
という密かな願望を持っている
とも言われます。

 

…ということは,
カリスマに憧れるのは
人のひとつの習性,欲求であり…

 

 

カリスマ性の発露のひとつ,
果断さ。
決断力というのものは
人を惹きつける要因があるということです。

 

 

だから…
多くの人は,
決断力を高めることは
大事だと思うのです。

 

成功者が

 

「決断力は大事」

 

と言えば,
「そうだよなぁ」
と思うわけですね。

 

 

 

決断力に関するウソホント

 

では…
実際に,

 

 

「決断したその瞬間から人生は変わる」

 

という人は,
どうやってそんな大きな決断をしたらいいのか。

 

その
「やり方」
を説明してくれた人って
いるでしょうか。

 

 

なんか
はらが座るようにすればいい」
とか,意味不明な表現は
聞いたことがあるかもしれませんね。

 

 

あるいは,
体の反応がどうのこうの…とか。

 

 

さて。

 

 

人間性,
パーソナリティはさておき。

 

読売ジャイアンツで
かつて監督をしていた,
長嶋茂雄。

 

 

彼の数多くのエピソードに,
カーブ打ちの
レクチャーがあります。

 

彼にカーブ打ちについて
尋ねたら…

 

「ボールがビューンと来るから
バッとググッとすれば,
ポーンと…」

 

みたいな感じの
オノマトペだけで語った…という
何一つ伝わらない
意味不明なレクチャーです。

 

体感覚優位の人の
特徴だとかなんとか,
説明はされますが。

 

 

でも,
理解できないことは
確かです。

 

 

…これ,
「決断の仕方」
と同じではないでしょうか。

 

 

決断の仕方を
何一つ具体的に
やり方を説明することなく,

 

「決断したその瞬間から人生は変わる」

 

 

だけを言う。
それと,
オノマトペをずらりと並べる
不可解レクチャー。

 

どちらも,
意味不明で,
実効性や再現性は絶望的ですね。

 

 

決断は結果論である

 

 

人によっては
非常にセンシティブな
テーマです。
ご容赦ください。

 

 

ある人がいました。

 

小さい頃から,
性虐待を受けていました。

 

異性に対し,
心から恐怖を覚えます。

 

けれど…
幸せに暮らしたいし,
同性愛嗜好でもない。

 

いつかは…
素敵な人と巡り合って…

 

と思いつつ。
でも,実際に異性が近づくと
体が硬直してしまう。

 

 

このひとに向かって,

 

 

「決断したその瞬間から人生は変わる」

 

「運命の人と巡り合って幸せになりたいなら,
今すぐ,恐怖症を克服すると決断しろ!」

 

なんて言ったら…
もはや,ハラスメントとかのレベルではなく
一歩間違えたら刑事事件ですよね。

 

同様に,
昔,溺れて水に恐怖を抱く人を,

 

 

「決断したその瞬間から人生は変わる」

 

と言って,
水の中に叩き込んだら…
これは殺人未遂と言われる可能性すら
あるでしょう。

 

高所恐怖症の人に,
高層ビルの外壁掃除をさせたら…
これも立派な犯罪レベルですね。

 

 

「決断したその瞬間から人生は変わる」

 

なんて便利な言葉なのでしょうか。

 

でも,
現実は違います。

 

実際には,逆なのでしょう。

 

つまり,
決断を「する」のではなく…
あとから振り返って

 

あの時「していた」のでしょうね。

 

原因と結果を逆転させて
「そのとおりやれ」
というのも乱暴な話です。

 

 

 

決断できない原因の考察

 

 

決断は,
何かを実現しようとする意図だと
した場合。

 

当然,抵抗も発生します。

 

例えば,

 

ダイエットするぞ!
…と決断しようとしても,

 

「甘いもの食べたい」
「きつい運動はイヤ」
「過去に失敗した」
「また失敗しそう」
「無理して痩せる必要ない気が…」

 

みたいな感じで,
心のなかで抵抗が発生します。

 

 

決断と,その抵抗がぶつかり合って…

 

 

それこそ,相撲の土俵のように…
決着がついて
押し返されないくらいまでに
押し切るっことができれば…
極めて強力な決断でしょう。

 

まさに,

 

 

「決断したその瞬間から人生は変わる」

 

くらいの決断ですね。

 

…で,
実際にそんなことは可能なのか。

 

 

例えば,
決断する次第で,
押し返してくる圧力も
変わってきます。

 

過去のひどいトラウマに向き合って
克服するなら…
それこそ,素人が横綱相手に
勝とうとするようなものです。

 

一方…
簡単な決断なら,
すぐにでもできます。

 

それこそ,
幼稚園児を相手にするような
ものでしょうか。

 

だから…
私は軽い決断の練習として
ランチメニューを即座に決める,
というワークを提案したことがあります。

<参照>

 

でも,その延長で
人生を変えるような
大きな決断はできません。

 

 

繰り返します。
あくまでも私見です。

 

本当に人生を変えるような
大きな決断ができるのは…

 

だいたい2パータンでしょうか。

 

ひとつは,
文字通り肉体の死に直面したとき。
この生涯が終わる瀬戸際にたったなら
決断もできるかもしれません。

 

もう一つは…
もともと,
持って生まれた何かでしょう。

 

決断をするための,
意思を押し通す力が
他よりも強かった。

他にもあるかもしれませんが,
ざっくりこのふたつ。

…だとしたら,

 

「決断したその瞬間から人生は変わる」

…という意見を主張してくる人は

「いっぺん○んでこい」

と言っているも同然…

 

あるいは,
自分にはできるけど相手にはできないことを
言って,マウンティングしているだけでしょう。

 

 

なので…
私が提案したいのは…

 

それこそ昨日お伝えした,

 

熱意
ポジティブシンキング
モチベーション

 

…そして

 

大きな決断力

 

 

そんなものが無くても
成果を出すにはどうしたらいいのか。

 

決断力などという
曖昧模糊なもので

「そんな気になった」

だけでは…新年明けて,5日目くらいから
失速してしまうのが関の山でしょう。

 

 

 

明日以降も
引き続きお伝えしていきます。

 

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
アップスタッツ合同会社 経営軍師 飯山陽平

 

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