【事例解説】罪深い「マーケティング戦略なき」打ち手

【事例解説】罪深い「マーケティング戦略なき」打ち手

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こんにちは。
アップスタッツ合同会社の代表,
経営軍師の飯山です。

 

 

ある方から,
なかなか興味深いコメントを
いただきました。

 

今日はそのコメントについて
解説いたします。

 

 

昨日の記事について,

 

仕掛け方を間違えると致命傷になる場合もありますよね。

 

というコメントと共に,
興味深い事例を教えていただきました。

 

 

ある飲食店が、コロナ禍なのでランチを始めると言って、

「絶対リピートしてもらえる自信ある」

と言って初日タダにしました。
SNSで宣伝したらめっちゃ忙しかったらしいですが、
翌日からは閑古鳥でした。

自分も含め、周りの人達ほとんどが予想した通りでした。
1ヶ月ほどでランチやめてました。

 

 

とのことです。

 

まあ,結論は至極当然では
あるのですが。

 

 

それをわからずに,
このような打ち手をやってしまう。
それはなぜか。

 

 

原理原則…
背景となる考え方を
しっかり理解していないからです。

 

 

ということで,
まあいないとは思いますが,
今日のこの記事で解説します。

 

 

野球に例えると,

 

スリーアウト

 

なんて言葉があります。

 

この事例。
まさにスリーアウトです。

 

一つ一つが
致命傷なのですが,
今回はスリーアウト。

 

プラスアルファも含めて
お伝えします。

 

 

あなたは,
この事例から,
「3つの致命傷」
が何かわかったでしょうか。

 

以下,答え合わせとして
続きをご覧ください。

 

 

 

最大の致命傷

 

 

文面からは
読み取れないので,
多分に推測が含まれますが。

 

最大の致命傷部分が…

 

 

「絶対リピートしてもらえる自信ある」

 

という点です。

 

 

 

何を根拠に,
絶対にリピートしてもらえる,
という「妄想」を抱いたのでしょうか。

 

 

飲食店…
特に,料理人気質という前提で
考えると…

 

 

きっと
「おいしい」
あるいは
「味を気に入ってもらえる」
から…ということだと
思われます。

 

が。

 

「おいしいから売れる」
「おいしいからリピートする」

 

という理屈が成り立つなら…

 

 

マク○ナルドのハンバーガーが,
世界一おいしいハンバーガーだと
いう理屈になりますね。

 

 

別に,まずい…とは言いませんが…
あの,いかにも「ジャンクな味わい」は
たまに食べたくなりますので。

 

 

とはいえ,
あのジャンクな味わいを
「世界一おいしい」
という料理人の出す料理を,
お金を払って食べに行きたいとは
思えないですね。

 

 

きっと…
私だけでなく,
あなたもそうでしょう。

 

 

まあ,
きっとその方はで
残念な「舌や料理技術」ではなく…

 

残念なのは思考でしょう。

 

 

おいしいから,
リピートしてもらえる。

 

 

実に…
めでたい発想です。
まあ,そんなめでたい発想を
抱いた「代償」を払う羽目に
なったようですが。

 

 

この時点で,
野球に例えるなら,
完全試合で敗北を喫するくらいの
致命傷です。

 

が。
これはマインドの問題なので,
深堀りしてもあまり意味がありません。
もう少し現実的な話をしましょう。

 

 

「リピート客」の定義

 

 

 

…とは何でしょうか。
と聞かれて,明確に答えられる人は
どれだけいるか。

 

 

リピート客とは,
「再購入してくれた購入顧客」
とでも定義しておきましょう。

 

 

その再購入の回数が,
人によって見解が異なることもあるので,
諸説あるのです。

 

 

ここでのポイントは,

 

「はじめて購入してくれた顧客を
 リピート客とは言わない」

 

という当たり前の話ですね。

 

 

つまり…
ゼロが1…初回購入があってはじめて購入顧客。
1が2になって,この時点でリピート顧客です。

 

 

つまり,
前提に1回以上,
お金を払って購入しないと,
「リピート」
とは言わないのです。

 

 

ということは,
初日タダで,食事をばらまいた
ということは,
「購入客」
ではありません。
当たり前ですよね。

 

購入客出ない人が
「リピート」
するはずがない,
というロジカルだけでも
当然の帰結となります。

 

例えるなら…

 

いわゆる
スーパーなどの
「試食」
をした人を
「購入顧客」
とみなしたら…

 

血迷ったと思うでしょう。
それと同じことです。

 

 

ゼロを1にするのは
ものすごく大変です。
しかも,本来,価値あるものを
無料でばらまいておき…

 

 

その一度は無料で手に入れた(食事した)
ものを…
今度はお金を出して食べたい…
と思う人はどれだけいるのか,
という話でした。

 

これで,ツーアウト。

 

本来,価値あるものに,
「お金を払わせる意欲」
を激減させたということからも,
かなり致命的でしょう。

 

 

システムがない

 

 

これでスリーアウトです。
まあ,今回,いただいたコメントに
書いていないので,
おそらく無いだろう,
という推測ですが。

 

 

 

一度,
来店してくれた方に,
二度目の来店を促す仕掛を,
きちんとしているかどうか。

 

 

それがなければ,
再来店は見込めません。

 

 

無料で食事して
おなかいっぱいになって…
それで満足したら,
また来るだろう…

 

…と思っていたら,
あまりにも残念な話です。
飲食店はたくさんある中で,
「もう一度来てもらう」
という仕掛けがなければ,
来るはずがないのです。

 

今回の事例に限らず…
よく見かけます,コレ。

 

 

イベントや催事などで
ブース出展して,
そこで販売する時に,
「再購入」「リピート販売」
の仕掛けが何もなく,
単に「売れてよかった」で
終わってしまう。

 

 

あまりにも残念です。

 

せっかく,
場所代を払って,
ブース出展しているのです。
そして,ブース出展というのは,
ゼロを1にする一つの仕掛です。

 

そこで,1になっただけで,
1を2にする仕掛けながければ,
何のためのブースなのでしょうか。

 

 

単に,目先の小銭を追いかけるための
ブース出展だとしたら,
もったいない話です。

 

 

せめて,
ショップカードを渡す。
そこに,期間限定の
割引クーポンとかを
渡すことができれば,
及第点でしょうか。

 

 

それすらせずに,
一度来店したら,
再来店するに違いない…
というのは,脳内お花畑と
言う他ありません。

 

 

これでスリーアウト。

 

 

ですが。
こんな「当たり前」の話ばかりでも
面白くないでしょうから,
少し踏み込んだ話をします。

 

 

 

再来店を遠ざける仕掛け

 

 

 

さて,
この事例。

 

 

リピートとは言えませんので,
仮に「再来店」としておきましょうか。
再来店して,有料の食事をすれば,
めでたく
「購入顧客」となります。

 

さて。
一回無料で食事して,
二回目の再来店で,
購入顧客になる…

 

ということを,
「妨げる」
言い方を変えると
「それを遠ざけてしまう」
要素がこの事例にあります。

 

 

それが,人間の性質です。
習性とも言えます。

 

人は一定の原因に対して
一定の自動反応をします。

 

 

ですので,
「習性」
です。

 

 

それを逆手に取れば,
心理トリガーという形で
人を操作することもできます。

 

 

さて。
今回は,
その心理トリガーの逆作用,
習性によって,
むしろその店に行きたくない,
忌まわしい…という印象を
与えてしまっているのです。

 

 

なぜか。
人は恩義を受けたら,
返す…という習性があるからです。

 

 

よく,
「返報性の法則」
などと言われますね。

 

 

誰かから,助けを受けて,
それに対して返すことをしなかったら,
「借り」
を作ることになります。

 

そして,
借りを返さないのは,
良くないこと,
という風潮があります。

 

 

だから,返報性の法則は
作用するのです。

 

 

が。
借りを作って,
「返す機会」
が与えられなかったら
どうなるでしょうか。

 

 

それは負い目になり,
罪悪感を抱くことになります。

 

 

 

さて。
人は,罪悪感を感じることに
良い気分を抱くでしょうか。
罪悪感を感じたくて
仕方がない生き物でしょうか。

 

 

 

…そんな事はありません。
つまり,
「罪悪感を彷彿とさせる,場所やモノ,人」
には近づかないのです。

 

 

よく,
借りたお金を返せない時に,
「返せません」
と頭を下げる前に…
「連絡を断ってしまう」
人がいるのは,この習性に
よるものです。

 

 

 

さて。
ダダメシを食って,
それに対して,
何一つ,返報性に基づいて,
返す「機会が与えられなかった」
すなわち,再購入の仕組みすらなく,

「今日はお越しいただきありがとうございます!」

だけで済ませたら…

 

 

さぞかし,
バツの悪い,まずい食事に
なったことでしょう。
そして,そんな体験をした店に
行きたいと思う人はどれだけいるのか。

 

 

仕組みすら用意せず,
無料で食事を振る舞うというのは,
あらためて考えると,
なんて「罪深い」行為なのでしょうか。

 

 

来た人に
罪悪感を植え付け,
それを払拭する機会を与えない
ということですからね。

 

そして,
今回の最大の「被害者」は,
そのお店の直近の,
別の飲食店かもしれません。

 

 

その店に近づくだけで
罪悪感を抱くということは,
その隣の店…同じ建物の別階層の店にも
足を運ばなくなる,
ということですから。

 

 

 

マーケティングキャンペーンの
失策なのか…
良かれと思ってやったことなのか。

 

 

そこまではわかりませんが。

自らのエゴで,
近隣飲食店への
「営業妨害」
すらもたらすのですから,
「罪深い」と言うほかありません。

 

 

以上,今日はスリーアウト+アルファについて
解説しました。

 

 

商品が良ければ売れる,
リピートする…
なんて残念な思考の持ち主が,
この世から一人でも減らすために,

 

あらためてマーケティングの大切さを
しっかり伝えていくことが必要だと
実感しますね。

 

 

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
アップスタッツ合同会社 経営軍師 飯山陽平

 

 

 

 

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