一見すると正論に思えてしまう机上の空論の話

一見すると正論に思えてしまう机上の空論の話

一見すると正論に思えてしまう机上の空論の話
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こんにちは。
アップスタッツの飯山です。

 

今日は,ファンタジーの話をします。

別の表現をするなら,
机上の空論についてです。

 

 

机上の空論とは,
机の上で考えただけの、実際には役に立たない意見を
意味します。

 

似たような表現では,

 

「象牙の塔の学者の見解」

 

なんてものを見て,
なるほどなぁ…
と思ったこともあります。

 

 

いずれにしても,
現実とは乖離していて
役に立たないものですね。

 

 

以下,役に立たない話…ということで
道楽にお付き合いください。

 

 

消火器って持ってますか?

 

 

先程,
町内を,
消防署だかなんだかの
広報カーが,
放送で呼びかけながら,
通り過ぎていきました。

 

いわゆる,
完走するので火の元に注意,
という喚起と啓発ですね。

 

 

聞きながら…
何だかなぁ…と思った次第です。

 

その後に続く,

 

「消火器を日頃から準備しておきましょう」

という放送を聞いたからです。

 

 

さて,率直に質問。

 

あなたは「自宅」に消火器を
置いてあるでしょうか。

 

 

経営者・社長であれば,
会社に常備してある方も
いらっしゃるかもしれませんが。

 

「自宅」
に常備してあるでしょうか。

 

まあ,
置いてある人は多くないでしょうね。

 

だから,

「日頃から準備しておきましょう」

という放送。
これは,正しいように聞こえます。

 

聞こえますが…
これ,本当でしょうか。

 

 

消火器って使ったことあります?

 

 

 

少なくとも,
私は消火器を使ったことはありません。

 

 

ポイントは,
消火器を使う時って
いつでしょうか。

 

火事の時ですよね。

 

 

火事のときに,
使ったことのない道具を,
冷静に判断しながら,
使用して的確に効果を上げることって
可能でしょうか。

 

 

また…
若い男性なら使いこなせうかもしれませんが,
女性や高齢者,子供だったら
どうでしょうか。

 

 

この記事を書くにあたって,
Youtubeで動画をいくつか見たのですが。

 

某消防署の啓発動画で
消火器での消火作業の様子を見ると…

 

 

若い女性隊員が
消火作業を行っています。

 

 

消火器を左手に持って,
右手でノズルの先を,
火元に向けています。

 

これ…
できそうでしょうか。

 

 

消火器の重さは,
ものにもよりますが,
3.5キロ~5キロほど。
(某通販サイトで調べました)

 

 

仮に4キロだとして…
4キロのものを,
左手でひょいと持ち上げて,
ブレることなく片手で
持ち続けること,できるでしょうか。

 

若い女性でも,
訓練している隊員なら
造作もないのでしょうけど。

 

 

私は,若くない上に…
上述の通り,火災という
緊急の状況下においては
できる自信はありません。

 

 

また…
その某通販サイトには,
消火器は,
いくつか種類があるようで…
ABC方式だの
消化液だの…
よくわかりませんね。

 

つまり…

 

 

二次被害の誘発

 

…に繋がるのでは
ないでしょうか。

 

二次被害というのは,
「消火器を売りに来る悪徳商法」
ですね。

 

つまり…
消防署が,
「消火器の常備」
を啓発したら…

 

コレ幸いとばかりに…

 

「消防署の方・・から来ました」

 

と言って売りに来る
消防署とは無関係の
訪問販売が湧いて出るのでは
ないでしょうか。

 

 

「消防署が,
消火器を常備って言ってたし…」

 

と思いながら話を聞いてしまったら…?

 

消防署,
悪徳商法への,ナイスアシスト…
となってしまいそうですね。

 

 

確かに,
火元を出してしまった。
それは決していいことではないですが。

 

 

もし,
本当に人命を尊重するなら…
出来るかどうかもわからないような
消火作業への備えを呼びかけるのではなく。

 

「避難」

 

を呼びかけるほうが
現実的ではないでしょうか。

 

 

そう考えると…
なんとも,机上の空論な,
啓発放送ですね。

 

 

私だったら…

 

 

そもそも火の元って?

 

 

いろいろありますが,

「いろいろ」
という火の元はありません。

 

調理中に油がはねたとか…
寝タバコとか
ストーブとか…
他にも…

 

 

その火の元ごとに
対策をしなければ
有効なものとはいえません。

 

そこで,
例えばここでは寝タバコ防止…
という観点から考えてみましょう。

 

 

日本には
「失火責任法」
という法律があります。

 

明治32年の法律で,
現在も有効です。

 

せっかくなので全文引用します。

 

 

明治三十二年法律第四十号(失火ノ責任ニ関スル法律)
民法第七百九条ノ規定ハ
失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス
但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ
此ノ限ニ在ラス

 

これで全部です。

 

 

要するに,失火による場合,
延焼による損害賠償義務は免除されます。

 

ただ,
その失火が重過失による場合は
免除されません。

 

失火した場合,
本人の自宅が全焼とかした時点で
もう経済的に致命的なダメージが
発生しているのに…

 

隣家の賠償までなど
とても出来るものではないですから…
ということでしょう。

 

 

ですが,
重過失の場合までは
免除されません。当たり前ですね。

 

そして,
寝タバコによる失火は,
重過失である,という裁判例がいくつもあります。

 

 

この場合は,
火災保険も適用外でしょうから…

 

何億円もの損害賠償義務を負うことになります。
また,仮に破産したとしても,
損害賠償債務はそのまま残ります。

 

億単位の借金を,
生涯に渡って背負い続けることになるのが
寝タバコによる失火です。

 

…ということを考えると,

 

メッセージは一つに絞って,
寝タバコ厳禁!

 

寝タバコによる損害は
数億円にもなりうる上,
その賠償義務を免れることはできません。

 

というメッセージの方が
よほど「火の用心」に繋がる…

 

…と思うのですが。

 

この内容を
移動しながらの啓発放送で
話せるか。

 

無理ですね。

 

以上,机上の空論でした。

 

あなたがより「アップスタッツ」な明日になりますように。
アップスタッツ 飯山陽平

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