こんにちは。
アップスタッツの飯山です。
今日は…
なんというか率直に
感動しました。
ウェブページのセールスコピーです。
何で感動するのか,
他の人には意味不明でしょう。
ですので,
その感動を分かち合いたい…
ということではなく,
単純に,コピーライティングとして
あまりにも
「基本に忠実で素晴らしい」
ので紹介します。
未だに…
セールスコピーというと
「煽り」
という目で見られます。
残念ながらそのように
コピーライティングを誤用する人は
後を絶たない以上…
そう見られてしまうのも仕方ないのですが。
その人には
このコピーを1万回くらい書き取りさせたいですね。
以下,最後までお付き合いください。
ある人からの相談で見つけた珠玉のコピー
私は
家電製品に強いわけでは
ないのですが…
でも,どういうわけか
そんなイメージを持たれがち。
ビジュアル的には
「オタクっぽい」
って言われたら返す言葉もないですから
仕方ありません。
学生時代には
よくパソコンの購入に
付き添いしたものです。
さて,
今回,ある人からの
ウェアラブルデバイスの購入相談です。
モノは…
ワイヤレスネックスピーカー。
また,
マニアックなものですね。
私も使ったことがないので
さっぱりわかりません。
その人は,
いわゆる
「耳学習派」
で,ずっと音声を聞き流して
勉強するのが性に合っているようです。
ただ,台所で作業したり
洗濯機で作業して…
2階で干したり…
となると,
それを家のどこにいても聞こえるように
するとなると…
外にまで漏れるくらいの
大音量にしなければなりません。
私だったら
イヤホンですが。
耳に入れるというのが
どうにも好きになれないようです。
そこで,
ワイヤレスネックスピーカーという
解決策までは出たのですが。
どれを選んでいいか
わからないので私に相談でした。
ですが私もよくわかりません。
わかりませんが…
上述のように,
「背景」
がわかっていれば選択はできます。
ネットで検索したら…
「テレビの声がよく聞こえる」
というものを発見。
ただ,なかなかにお高い。
紆余曲折を経て
メーカーのホームページを見たら
タブレットでの学習やオンライン授業に最適
というヘッドライン(見出し)が。
コレだ!
と思って,その人に
その商品を紹介しました。
このコピーの凄みはどこにあるのか
メーカーは,
audio-technica
私はイヤホン派ですが,
イヤホンを探す時に
必ず目にする「ブランド企業」です。
ただ…
ブランド企業だと,
ふわっとした,
キラキラ系…毒にも薬にもならない
スルーされるコピーが多く…
あるいは,
マニアックな商品を作る
職人気質の会社って…
マニアックな話ばかりで
セールスコピーの体をなしていない
…そんな先入観があったので。
もう,こんな素晴らしいコピーが
書かれているなんで完全に想定外でした。
このコピー。
完全に
「自分の顧客が誰なのか」
を理解した上で
ピンポイントに狙いすましたコピーです。
ターゲットは誰か。
「自宅学習を強いられる子どもの母親」
です。
武漢コロナで,
オンライン学習が普及する中…
そんな子どもを抱える母親。
これは偏見です。
そういった女性が
「最適なオーディオ機器を選択する」
なんて,難しい。
このコピーは,まさに
そんな女性に向けて
「この商品はあなたが買うためのものです」
という明確な意図が込められています。
その証拠に,
次のヘッドラインが,
子どもの耳を守るウェアラブルスタイル
です。
まさに,
「子どもに買い与える母親」
を意識したコピーです。
教科書に載せたい基本のコピー
ヘッドラインの役割は
注意を引いて本文に誘導すること。
ほしいと思ってもらえるようにするのが
本文の仕事です。
ほしいと思ってもらえるには
ベネフィット…
それを買うことで得られる
よりよい変化もしくは結果を
明確に表現しなければなりません。
いわゆるセールスコピーの体をなしていない
マニアックな内容とは…
それを読んだだけではさっぱりわからない
「特徴」
しか書けていないパターンです。
例えば…
このネックスピーカー。
聴覚を保護するために、
音量が常に85dB以下になるよう設計されています。
子どもの耳への負担を抑え、安全なリスニングを確保します。
マニアックな,
セールスコピーになっていないとは,
もしここで
「音量が常に85dB以下になるよう設計されています。」
だけだったらどうでしょうか。
さっぱりわかりませんね。
でも…
このように
「特徴」
をしっかり書く。
その特徴が
どんな利点があるのか。
子どもの耳への負担を抑え、安全なリスニングを確保します。
これが利点です。
だから…
ベネフィットは
「聴覚を保護する」
であり…
そして,上述のヘッドライン
「子どもの耳を守る」
なのです。
セールスコピーの書籍では
特徴を利点に変換して
ベネフィットを書く。
そんな内容が紹介されていますが。
まさに「教科書通り」に
しっかり書いています。
ベネフィットを書くだけで差別化できる
ネックスピーカー自体は
世の中にいっぱいあり…
どう差別化するか,という点も
大事ですが。
ひとつは…
オンライン学習特化,
というポジショニングです。
もう一つが,
「明確にベネフィットを書くこと」
です。
競合がベネフィットを
きちんとベネフィットを書けていないなら,
自社がベネフィットを書いただけで
差別化できます。
例えば…
耳を塞がないため、
家族といつでもコミュニケーションを
取ることができます。
このコピー。
どうでしょうか。
素晴らしいと言えば
素晴らしいですが。
でも,
これって,
イヤホンのように
耳に突っ込まない仕様上,
当たり前の話ですよね。
どんなネックスピーカーでも,
このベネフィットは該当します。
それを,
今回は
「子どもに使わせる」
というポジショニングの上で…
明確に書いたのです。
これを書いて…
「確かに」
と思うのではないでしょうか。
私のように,
「確かにそうだけど
それって,どのネックスピーカーでも
同じだよね」
と思う人は…
そもそもターゲットではありません。
同じように,
ワイヤレスだから、子どもがコードを触って断線する心配もありません。
というコピーもありますが。
ワイヤレスだから当たり前です。
それを,
子どもに使わせるために
買い求めている母親,
というターゲットに向けて
「当たり前だからこそ
他がきちんと言わないベネフィット」
を明確に伝えているのです。
煽りにならない決定的な打ち手
よく,
煽りコピーと言いますが。
本来の「煽り」と…
安っぽい間違った残念な煽りは
違います。
違うのですが…間違った煽りが
世間でいう「煽りコピー」として
まかり通っているのが現実です。
本物の煽りとはなにかは
割愛します。
<参照>
残念な煽りコピーとは
過大なベネフィットを言っておきながら
「そのベネフィットを提供できる根拠」
を示さないことです。
根拠もなく
「なんかすごそうなことばかり言っている」
なら…煽りと謗られても仕方ないでしょう。
ではこの商品はどうなのか。
長年培ってきたオーディオテクニカの
音響テクノロジーが、
語学学習や音楽レッスンなどで
何より大事な音をサポートします。
ここで,他社では真似できない
「ブランド」
という打ち手です。
「長年培ってきた」
という表現は
私の好みではないですが…
実際,この会社のトップページには
60th Anniversary
と大きく書いてあります。
60年の歴史というのは,
60年掛けないと,
どうやっても作れないのです。
後発の会社では
この長さは絶対に勝てません。
もちろん
「社歴」
が長い会社は他にもあるでしょう。
けど…
「音」に特化して全力投球して
60年の会社って他にどれだけあるのでしょうか。
例えばソニーはどは,
社歴76年ですが。
(2022年5月時点)
では
ソニーって
「何屋さん」
でしょうか。
いろいろあって
「ソニーはソニー」
って印象ですよね。
ではaudio-technicaはどうか。
イヤホンやスピーカーの会社
というイメージではないでしょうか。
その会社が
長年培ってきたオーディオテクニカの
音響テクノロジー
これ,他社が言いたくても言えない
絶対的な強みであり,
圧倒的な根拠です。
自社の強みを
きちんと顧客に伝える。
本当に素晴らしいコピーです…が。
さて。
今日紹介したコピー。
やたらと派手に煽るような
内容でしたでしょうか。
「当たり前のことを
きちんと言語化して伝える」
内容だったのではないでしょうか。
その結果として
買わない人もいっぱいいる。
私はまず買わないでしょう。
でも,当然です。
しっかりと絞り込みを掛けていますから。
コピーが素晴らしい以上に,
「絞り込んだ顧客にだけ魅力が伝わればいい」
というマーケティングの姿勢が
最高ですね。
煽ることもしなければ
八方美人で誰にも何も伝わらないのではなく
狙った相手にだけしっかり魅力が伝わる。
この姿勢は
ブレないようにしたいものです。
あなたがより「アップスタッツ」な明日になりますように。
アップスタッツ 飯山陽平
追伸
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