こんにちは。
アップスタッツ合同会社の代表,
経営軍師の飯山です。
昨日は,
自分のビジネスと人生を考えた上で,
他店舗展開していた方が
店を減らしたりなくした,
という事例を紹介しました。
いただいたコメントを
紹介します。
基本的に多店舗展開することには
抵抗があります。
現場を完全に誰かに任せるにしても、
店舗が増えれば増えるほど、
現場の人数も増えるならいいですけど、なかなかそうもいかないでしょうから
負担だけが増えていきますからね。
記事に書いたとおり,
「考える切っ掛け」
にしていただきたいので…
まさに,考えた結果,
理由まで明確にして,
「多店舗展開は抵抗がある」
とコメントいただけました。
こういうコメントは
ありがたいですね。
補足しておくと…
現場の人数が増えれば
負担は軽減…しません。
多くの場合,
現場の人数が増えれば増えるほど,
管理者の負担は増えます。
増えた人員が,
きちんと意図通り仕事をしてくれるとは
限らず…
トラブルを起こすスタッフも
いるでしょうからね。
もちろん,
固定費(人件費)も増えます。
売上は増えるかもしれませんが,
増えないかもしれません。
ただ,確実に固定費は増えます。
実際,
昨日紹介した,
三店舗経営していた方が
一店舗にしたところ,
売上は減ったけれど
利益は増えたそうです。
利益率ではなく,
実際に手元に残る利益が
増えたのです。
売上は減っているのに…です。
さて,
この話の流れから
今日の本題に行きましょう。
ビジネスのゴールについてです。
今日も,
考えるきっかけとして
最後までお付き合いください。
営利法人の宿命
そもそも,
会社というものは
売上…正確には利益,お金がなければ
存続しえません。
そして…
会社というものは
営利を目的とした法人です。
会社とはそういうものです。
営利を目的としない法人は
いろいろありますね。
一般社団法人とか,財団法人とか
NPO法人とか…
まあ,そういったものではなく,
会社は営利を目的とした法人です。
ということは,
売上を伸ばすのは
宿命ではあるのですが。
本当にそうすべきでしょうか。
つまり…
例えば,
起業当初は,
全然売上がなく…
年商300万とか500万とかの
会社だったかもしれない。
そこから
売上アップを心がけて
努力した結果…
年商が1000万円に
なりました。
翌年,1500万とかになり…
2000万,
3000万,
5000万…
夢の年商1億円突破…
…と,
上へ上へと目指していかなければ
ならないものなのでしょうか。
…というのも,
実際に,
「なにも考えずに
それはそういうものだ…
というが如く,
そうしている」
会社…経営者がいるからです。
具体的には…
例えば,
「昨年は年商4000万だったから,
今年は5000万目指すぞ」
みたいに,
とりあえず上を目指す人が
多いということです。
昔…
高度経済成長時代であれば,
文字通り頑張れば頑張っただけ,
上昇気流に乗って行けます。
私はその時代は
知らない世代ですが。
実際にその世代の人から
話を聞くと…
やればやっただけ
成果につながっていくので,
早朝から頑張る人もいれば,
休日返上で頑張る人もいて…
社会全体が,
熱気に溢れていたのだとか。
今の時代,
休日返上で,
朝から気合い入れて,
成果に夢と希望を乗せて
頑張り続ける人って
どれくらいいるのでしょうね。
今は,そんな時代では
ありません。
そして…
常に上昇思考でいる。
当時の価値観であり…
そのことがいいも悪いも
ないのですが。
個人的に思うのは…
それって
「本当に欲しいものなの?」
という疑問があります。
多店舗展開をする理由
話を戻します。
多店舗展開の話です。
そもそも,
なぜ多店舗展開をするのでしょうか。
昨日は,
整体院の例で
多店舗展開の話をしました。
<参照>
整体院が多店舗展開する理由は…
ボトルネックを
解消する手段だからです。
つまり,
整体院はエリアビジネスであり…
エリア内の人すべてを
集客することはできません。
自分のエリア内でも,
集客できる数に限界はあります。
また,
実際に治療できる人数にも
限界があります。
院内のスペースの都合もあれば,
人員の都合もあります。
労働集約型ビジネスにおいて,
ボトルネックが存在し…
それを突破する方法は
考えなければいけません。
整体院の場合は,
一つの例として,
多店舗展開があります。
元の院の商圏外で
開院すれば,
自分の商圏外から
集客できます。
そして,
別の院ですから,
キャパの問題も
クリアできます。
数字は適当ですが。
例えば,1日に20人の方を
施術できる院があるとして。
その院が
もっと集客して
1日30人施術する…というのは
物理的に不可能です。
ですが。
別の院で施術するなら,
20人という数を越えることが
できるのです。
このように,
労働集約型のボトルネックを
突破する手段として
多店舗展開があります。
が。
これは,
元の質問の答えに
なっていませんね。
もう一度。
元の質問は,
そもそも,
なぜ多店舗展開をするのでしょうか。
ボトルネックを解消してまで,
多店舗展開する理由は
何なのでしょうか。
例えば,
ある治療法を扱っている方が,
この治療法はすばらしい。
この治療を受けることで,
お客様は心も体も非常に良い状態になる。
だから…
より多くの方の状態を良くすることが
自分にとって大切なことである。
…という,理念と信念を以ているなら,
多店舗展開をしてでも集客していく
理由としては合理性があります。
本当にそう思っているなら…ですが。
多店舗展開で「儲ける」は理由にならない
では,
儲けるために
多店舗展開をする。
これは理由になっていません。
上述の例で
もう一度説明します。
仮に,自分が一日に20人
施術できるとして…
キャパオーバーだから,
別の院を開院して,
別の治療家に一日20人
施術できるなら…
一日40人になる。
…という考えだったら,
それは間違っています。
多くの場合,
元の院長が一番腕がいいです。
つまり,
その人なら1日20人は治療できても…
他の治療家を雇って
治療してもらっても…
1日20人どころか,
半分もいかないこともザラでしょう。
院長より腕がよかったら…
その人は退職して独立することが
多いですから。
でも…
店舗運営の経費と人件費は
同じだけかかります。
つまり…
売上は一店舗目の半分なのに,
経費は一店舗と同じ。
だったら儲かるはずがないですよね。
何よりも…
「何のために儲けるのか」
という視点がない。
もちろん,
本の一握りの方が,
完全に店舗運営を「自動化」していますので
「儲けるための多店舗展開」は
完全には否定できませんが。
それを成し遂げるだけの情熱と
意欲と,スキルと努力と……
どん底から這い上がって続ける
粘り強さ…もろもろ必要です。
そこまでしたいかどうか,ですね。
ビジネス=上昇すべき=多店舗展開
みたいなことになっていたら…
とても遺憾という他ありません。
何のためのビジネスなのでしょうか。
自分の人生があって
その上でビジネスがあるのです。
ビジネスこそ人生,
という方もいますが…
ビジネス=人生
であっても,
ビジネス>人生
にはならないはずなのです。
けれど…
売上を上げるのが至上命題。
売上こそ正義。
…となってしまっている方が多い。
もちろん,
私も,集客,マーケティングによって
売上アップを実現するお手伝いをしているので,
もしかしたら,
そういった思考に加担してしまって
いるのかもしれません。
だから…
こうして…
自戒と懺悔,そして…
あらためて自分の価値観として…
経営は…
人生における目的を達成するための
手段である。
このことをこれからも
しっかりと伝えていきたいものです。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
アップスタッツ合同会社 経営軍師 飯山陽平
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