こんにちは。
アップスタッツの飯山です。

 

 

今日は，いつにもまして
マニアックな話をします。

 

お題は…普段はしない話，
宗教についてです。

 

宗教の集客…
いわゆる布教をするには
どうしたらいいのでしょうか。

 

 

特定の宗教について
具体例として紹介しますが，
その宗教について
支持するとか
賛同するとか，
そういった意図はありません。

 

あくまでも，
マーケティングの話として
以下お付き合いください。

 

 

日本にキリスト教徒が少ない理由

 

 

 

お隣，
韓国では，
キリスト教徒の数が
かなり増えているようですね。

 

 

海外で大きな災害が発生したときに，
現地入りして…
災害救助や復興を手伝うこともなく
聖書を売って歩いた…
なんて話もありますが。

 

 

日本のキリスト教徒は
少ないですね。

 

 

人口比1%…と言われていますが，
実際にはそんなにはいないでしょう。

 

日本にキリスト教徒が増えないのは
なぜなのでしょうか。

 

 

かつて，
日本にキリスト教を布教しに来た
イエズス会のフランシスコ・ザビエルが…
布教のさなかに，
日本人に論破されたとかなんとか。

 

 

具体的には，
キリスト教では，最後の審判において，
信じるものは，天国に行けますが，
信じないものは地獄に落ちる，
という教えです。

 

 

そこで，
ある日本人が，

 

 

「私が信じたら天国に行けますが，
ご先祖様は，キリスト教を知りません。
ご先祖様は，地獄に落ちたのでしょうか？」

 

 

 

と尋ねたとか。
教義通りだと，
地獄に落ちた，としか言えず，
ザビエルもその通りに回答したところ…

 

「なんて冷たい…」

 

と，日本人はショックを受けた。
なんて逸話があります。

 

 

話はそれますが。
本来，天国に行けない人が
天国に行けるように…

 

 

あるいは，
天国に行けるかもしれないけど，
確実に行けるようにするための
「通行手形」
として販売されたものがあります。

 

かの有名な，
「免罪符」
です。

 

 

自分の親や身内のために
免罪符を買う…という人が増えたとか…

 

 

イエズス会では免罪符の
販売や取り扱いをしていなかったのかも
しれませんね。

 

 

話を戻します。
他にも，ザビエルは論破され…
日本人相手の布教は，
かなり苦労した…なんて話もあるそうです。

 

 

それが原因で，
日本ではキリスト教徒が増えない。
…のではありません。

 

一要因としては
あるのかもしれませんが，
おそらく違うでしょう。

 

 

では，
日本人は神を信じないから…
でもありません。

 

 

多くの日本人は，
神を信じていないのではなく…
正確に言えば，
「不可知論者」
です。

 

不可知論とは，
神はいるのかもしれないし
いないかもしれない。
わかららないけど…
少なくとも，人間(自分)では
神の存在を認識し，知覚することはできない。

 

…というスタンスです。

 

実際には，
祖霊信仰だったり
八百万の神への信仰だったり
神道だったり…

とあるのでしょう。

 

日本人ほど
「目に見えない存在」
を受け入れ，それを前提に生活している民族は
どれだけいるのでしょうか。

 

信仰心がないわけでは
ないのですが…
唯一絶対神とする
キリスト教…に限らず，
一神教と日本人とは
相性が悪いのかもしれません。

 

 

それが，
日本でキリスト教が増えない理由
の一因でしょう。

 

 

でも…
主要な原因ではありません。

 

 

主要な原因は唯一つ。
集客が下手だから。

 

これに尽きます。

 

 

キリスト教という
サービス…あるいはコンテンツに対して
そのマーケティングが下手すぎるから。

 

 

私はキリスト教を信じていませんが，
プロテスタント系の中高一貫校で
6年間，毎日礼拝に出て
(礼拝中に出欠確認していた)

 

聖書を勉強し，
定期試験にも聖書という科目がある。
そんな体験をして…

 

まったく知らないわけでもない
私が…
キリスト教が増えない理由を考えたら，
マーケティングが下手すぎるから…
としか言えません。

 

 

実際…
外出から戻ったら，郵便受けに，
チラシが入っていました。

 

内容は，

 

「聖書講演会のお知らせ
初めての方にもわかりやすく
イエス・キリストの救いをお伝えします」

なんというか…
本当に何をしたいのかわからない
チラシです。

 

 

「初めての方」
をターゲットにしているなら，
いきなり聖書の箇所を引用したり，
「イエス・キリストの救い」
とか，意味不明な言葉を使っている時点で
胡散臭さと意味不明さしか伝わらない。

 

これが…私が見てきた
キリスト教の布教の
「スタンダード」
です。

 

 

実際，
何人か牧師と知り合いがいますが，
スタンスはさほど変わりません。

 

 

この教会も，
そして…布教する人たちも，
自分が何をしているのか
わかっていないのでしょう。

 

 

フランス語を教えたい人が，
フランス語教室を開業して
集客する際に…

 

フランス語のわからない日本人に，
フランス語で話しかけて，
フランス語のチラシを渡している
ようなものです。

 

要するに，全くわからない。

 

フランス語を教えたい人が，
フランス語を教えていることや
どういう人に学んでほしいのか。
そこで学ぶことでどんないいことがあるのか。

 

日本人に対して，日本語で

…伝えなければ
伝わらないでしょう。

 

このチラシは日本語で書いてありますが…
聖書の原文引用とか，
フランス語をそのまま載せるのと
同じようなレベルで意味不明です。

 

 

相手が理解できるように，
相手の立場に立ったメッセージを発信しない。

 

キリスト教徒の
キリスト教徒による
キリスト教徒のためのメッセージを

 

非キリスト教徒に展開するから，
受け入れられないのです。

 

 

しかも…
それで伝わないのは，
「信心がないから…」
とか言ったり…
「神様がお導きになられない」
と，神に責任転嫁
したりするわけです。

 

 

 

これが，
キリスト教徒が日本国内で増えない，
もっとも根源的な理由です。

 

 

わかりやすいから
キリスト教の話で紹介していますが。

 

 

多くの広告宣伝においても，
自分の立場で自分の主張や考え方を
「自分の立場と同じではない人」
を相手に伝えるから，うまくいかないのです。

 

 

例えば，
ダイエットした人に，
いきなり専門的な内容…
特定の筋肉の名称やその筋肉を鍛える方法…
みたいな話をしても，さっぱり
理解できないでしょう。

 

 

リアリティや思考に
ズレが多すぎて，
反応することすらできないのです。

 

では，どうすればいいのでしょうか。
明日，紹介します。

 

 

あなたがより「アップスタッツ」な明日になりますように。
アップスタッツ　飯山陽平