ここ2〜3日の話です。
某社から、セミナーの案内メールが何通も何通も届いています。
アドレスこそ違っていますが、同じ会社の別アカウントです。
いわゆる
「マルチポスト」
というものでしょうか。
これが、また何通も何通も届くので、なんともうっとおしい話です。
さて、このセミナーですが、メールのリンク先をクリックしてみたところ、トップページに、黒の背景に、おっさんが「キリッ」とした表情を決め、拳を突き上げ知恵ます。
とはいえ、メール先のランディングページのどこにも、この人の名前も経歴も業績もなにも書いていません。
ただセミナーの内容、日時場所、申込方法などが書いてあるだけです。
実に胡散臭い。
内容に興味はあったとしても、これでは参加する気になれません。
ところで。
この写真の顔…どこかで見たような気もします。
そこで、画像検索。
例のパクリエイターが、過去のどんな作品をパクったのか「検挙」するために、大いに活用された手法です。
類似した画像をネットから探し出してくるという効果があります。
画像検索したところ。
・精力剤の販売ページ
・バイクの買い取りページ
で全く同じ画像が登場。
更に調べると…どうやら、有料のデータ素材として販売されている顔写真のようです。
つまり、ランディングページの一番上に堂々と顔写真を出しておきながら、この人はこのセミナーのテーマには全く関係ない人である、ということがわかりました。
今日のテーマ、
「あんた誰?」
についてです。
そんなセミナー、コンテンツでも避けて通れない問題です。
というのも、コンテンツは
「誰に」
聞くかによって、価値は変わるからです。
例えば。
節税の方法を、
「となりのおっさん」
に聞くと、
「あー、はいはい」
と聞き流すだけでしょう。
人によっては、
「税理士でもないのに税務アドバイスするのは違法だよ」
と逆に忠告するかもしれません。
一方。
同じ説明を税理士がすれば、一定の説得力があります。
あるいは。
健康管理やダイエットに関するセミナー講師が…ブヨブヨと太っていたら、信ぴょう性はあるでしょうか。
髪の毛の維持管理、特にコシの強い髪を維持するにはどうしたらいいか…という内容の講習会を、毛の生えていない人が行っていたら、やはり信じがたいものがあります。
単純に、太っているのがいけない、とか、毛がないのはどうこう、という話ではありません。
達成したい成果と相反する状態の人が解説したところで、説得力は出てこないのです。
ではどうしたらいいのか。
そのセミナー講師が
「誰」
なのかを、きちんと明記することです。
その人が、そのテーマで解説するにふさわしいだけの知識経験を持っているかどうかも明記します。
例えば。
遺言書の作成について、セミナーを開催するとします。
その時に、
「78歳の男性が遺言を初体験」
というテーマで、一般男性が教える…というのは、さすがに力不足。
もしかしたら、何らかの法律に抵触する可能性もあります。
では、
「行政書士が公正証書遺言の手続きを解説」
これはどうでしょうか。
行政書士という国家資格が出てくることで、信ぴょう性は増します。
が、これでも足りません。
なぜなら、行政書士という資格が遺言のスペシャリストである、という認知が足りないからです。
例えば、税理士なら税金の専門家、とすぐにわかります。
弁護士なら裁判手続の専門家、とすぐにわかります。
同じように…行政書士は遺言書の専門家、とはなりません。
なぜなら、「行政書士」とは何者か、そこまで認知されていないからです。
私の住んでいるような田舎では、未だに行政書士と司法書士の区別がつかない人がたくさんいます。
私のことを「行政書士の先生」という人もいれば、「司法書士の先生」という人もいます。
要するに…よくわからないのです。
ならば、どうすればいいのか。
「◯年間で◯◯◯件受託した遺言の専門家行政書士による、ここだけは気をつけておきたい遺言の3つのポイント」
という感じでしょうか。
ここでのポイントは、
「◯年間で◯◯◯件受託」
です。
それだけの経験をしているからこそ、
「この人は遺言の専門家」
だと判断できるのです。
どれだけそのコンテンツの内容が優れていたとしても、誰が言うかによって、説得力は上がったり下がったりするのです。
逆に。これはテスト結果から明らかになったことです。
私がテストしたわけではなく、聞いた話です。
健康補助食品を販売するページに、女性の写真が載っています。
使用後の感想を述べている女性です。
いわゆる「お客様の声」というもの。
この女性は医療従事者でも医師でもなんでもない方です。
ところが、この女性に白衣を着せて写真を撮り、その写真を載せたところ…反応率が跳ね上がった、という話もあります。
これは、医師という権威ある存在を連想させたからでしょう。
さすがに一般女性に白衣を着せる…というのはトリックに近い話です。
あまり褒められた手法ではないでしょう。
話を戻します。
そのコンテンツを提供するにふさわしい理由。
具体的には知識や経験、あるいは学歴や認定、権威などがあれば、それをきちんと載せることです。
「あんた誰?」
では、たとえ無料のセミナーでも、なかなか受ける気にさせることは難しいでしょう。
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