こんにちは。
アップスタッツ合同会社の代表,
経営軍師の飯山です。
ちょっと混乱する…
というか,
何がやりたいのか
さっぱりわからない
マーケティングを見かけました。
それをネタに,
解説いたします。
…近年大きく成長した
IT企業なので,
しっかりマーケティングを
しているから…
だと思っていたのですが。
まさか,
こんな残念なマーケティングを
しているとは
思いませんでした。
折角ですので,
ネタとして解説します。
決して,
こんな無残なマーケティングを
しないように
心がけてみてください。
何がやりたいの?
…というのは,
無料から使える
オンライン上のソフト・アプリに
ついてです。
何年か
無料で使っていたのですが,
最近は少額とはいえ,
有料にアップグレードしました。
ですので,
私はカテゴリとしては
「購入顧客」
になります。
一般には有料の顧客,
とでも言えばいいでしょうか。
そんな私の…
ユーザーIDを兼ねている
メールアドレス宛に,
この会社から
宣伝メールが届きました。
「ついついやりがちな(ソフト名)で気をつけたい使い方4選」
というタイトルです。
なんとなくクリックしてみたら…
本文に
資料ダウンロード
とあります。
きっと,
ユーザーサポートの一環で,
より効果的にソフトを
使いこなすための
コンテンツなのでしょう。
…と思ったのです。
資料ダウンロードの
ボタンをクリックすると!
(ソフト名)初心者の方が陥りがちな、
「こんな使い方は損!」
な使い方を紹介します。
とあります。
けれど!
下記フォームに必要事項を入力し、
「ダウンロード」ボタンを
押してください。
とあり…
・お名前
・会社名
・メールアドレス
・電話番号/携帯電話番号
・従業員数
・部署名
・(ソフト名)の検討状況
・基本的な機能を知りたい
・情報収集をしている
・導入を検討している
・スタッフへ質問がある
と…
実に入力項目が多い。
この手のフォーム入力項目数は,
少なければ少ないほど
反応率(要するに実際に入力する率)が
上がります。
言い換えると,
入力項目が増えれば増えるほど,
反応率が下がる…
要するに,
面倒になって入力しないのです。
私も,
このフォームを見た瞬間。
即座にブラウザバック…
しようとしました。
ふと気になって,
二度見
三度見
してから…
今日のネタにしている次第ですが。
私だったら,
メールアドレスだけを
要求するでしょう。
とりあえず,
戦術面としては,
フォーム入力項目数が多すぎる。
論外です。
話になりません。
が。
戦略面で
致命的に終わっています。
なぜそれを私に尋ねる?
というのも…
これは,
購入顧客(正確にはリピート顧客)である
私に対して
このメールが送られてきたからです。
つまり,
すでに
ユーザーであり,
すでにそのソフトを使っている相手に,
初心者の方が陥りがちな、
「こんな使い方は損!」
な使い方を紹介します。
これはありです。
むしろ,やるべきでしょう。
なのに…
すでに利用している
ユーザー相手に,
情報収集をしている
導入を検討している
スタッフへ質問がある
この質問はおかしい。
これは,
「まだユーザーになっていない
潜在顧客相手に対する質問」
です。
話がそれますが
ちょっと解説。
このフォームを送ると,
潜在顧客から
見込み顧客にアップデートします。
行動して
個人情報を提供しているからですね。
ちなみに,
課金したら,
見込み顧客から
購入顧客になります。
取引が継続すると,
リピート顧客になります。
用語の話はここまで。
話を戻します。
ですので,
連絡先や…
「従業員数」
などで,顧客「適正」を
判断するということでも,
このフォームは,
潜在顧客向けの内容です。
潜在顧客が,
このフォームを送って,
資料請求したら,
見込み顧客に転換します。
にも関わらず,
初心者の方が陥りがちな、
「こんな使い方は損!」
な使い方を紹介します。
というコンテンツを提供する。
まるで意味が通りません。
潜在顧客ということであれば,
「初心者以前」
の話です。
つまり,
この会社は,
購入顧客相手に,
初心者向けのコンテンツを提供して,
「潜在顧客を見込み顧客に
転換させるための
フォームを用意している」
ということです。
戦略面で
致命的と言う他ありません。
本当に,
何がしたいんでしょうね。
推測される原因
あくまでも推測です。
この資料を作ったのは,
この会社の技術部門でしょう。
その資料をオファーに
マーケティングを展開しているのが
マーケティング部門。
ということを背景に考えると。
この会社は
マーケティング部門と
技術部門が
異様に仲が悪いか…
あるいは,よほど
マーケティング部門が
無能揃いなのでしょう。
ソフトのクオリティから
考えると,
技術部門は,
無能ではないでしょうから。
つまり,
技術部門とマーケティング部門が
仲が悪いので,
マーケティング部門が
潜在顧客を見込み顧客に
転換させようとしているのを知って,
「既存ユーザー向け」
のコンテンツを用意した。
要するに嫌がらせですね。
…という可能性はあります。
ただ,
まあ私みたいな
「購入顧客」
相手に,
潜在顧客向けのアプローチを
してくるということは,
よほどマーケティング部門が
無能なのでしょう。
ちょっと考えれば失礼な話
私は毎月勉強会を
開催しています。
例えば…
毎月勉強会に参加してくださって,
しかも,有料コンサルティングまで
受けてくださっている
クライアントに対して…
私が
「弊社は集客・売上アップに関する
勉強会をしています。
ぜひ一度,勉強会に
参加してみませんか?」
…とお誘いしたら,
そのクライアントはどう思うでしょうか。
ものすごく失礼な話ですよね。
購入顧客に
潜在顧客向けのアプローチを
するというのは
これくらい失礼な話です。
…やっぱり,
マーケティング部門無能説が
有力ですね。
さすがに
ここまで遺憾なことを
する会社はめったに無いでしょうけど。
でも,
やってしまいがちなミスは
多いのです。
つまり,
潜在顧客にアプローチして
見込み顧客に転換する施策。見込み顧客にアプローチして
購入顧客に転換する施策。購入顧客にアプローチして
リピート顧客に転換する施策。あるいは,
リピートというより,
サブスクリプション(継続課金)なら
その取引を維持・伸長(更新)してもらう施策。
全部やるべき施策は違うのです。
やりがちなのは…
潜在顧客にアプローチして
見込み顧客に転換しようとして…
見込み顧客にアプローチして
購入顧客に転換させる施策を
実行してしまうパターン。
これが多いですね。
今回みたいに,
購入顧客に対して,
潜在顧客を見込み顧客に転換させる
施策をするのはすくない。
ちょっと考えれば
あまりにも失礼だということは
すぐに分かりますからね。
ちなみに,
サブスクリプション(継続課金)なら
その取引を維持・伸長(更新)してもらう
ために,一番やってはいけないことです。
不愉快な感情を与えるとうのは,
サブスクリプションを停止させる
手っ取り早い「きっかけ」
ですからね。
私も,
既存のクライアントさんに
失礼なことをしないように,
日頃から心がけていきたいものです。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
アップスタッツ合同会社 経営軍師 飯山陽平
追伸
そういえば以前,
別のソフトウェア会社も
全く同じ戦略ミスをしていましたね。
IT関連企業の「業界ルール」なのでしょうか…
…なんて言ったら,
的確にマーケティングをしている
IT関連企業には失礼ですね。
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