こんにちは。
アップスタッツ合同会社の代表,
経営軍師の飯山です。
先日,ネットで
興味深い漫画を見ました。
あるブラック企業に務める
2人の女性社員。
ブラック故に
同僚が次々とやめていく中で,
「生き残っている」
という感覚を抱いていたものの…
ふと我に返ると,
「沈みゆく大船から逃げ遅れている」
のではないか
という懸念を抱いた。
そんな話でした。
ということで,
今日は…
時事ネタを絡めつつ,
そんな話をすることにします。
あなたが,
逃げだすべきタイミングだったなら…
逃げ遅れないことを願います。
降って湧いた「天災」
河野太郎行政改革担当相は24日、全省庁に対し、
行政手続きで印鑑を使用しないよう要請し、
使う必要がある場合は理由を今月中に回答するよう
求める事務連絡を出した。
河野行革相 行政手続きで印鑑廃止を全省庁に要
押印必要なら「月内回答を」
出典 ヤフーニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/5b60e7ecbe562ca6fceb65d55055913f3733896c
9/24(木) 17:18配信
別に,このニュースが
どうこうとか,
大臣がどうだとか
この内容の是非とか
そういう話ではありません。
このブログの根幹は
あくまでもマーケティング
であり経営戦略です。
ですので,
今日もこの時事ネタは,
あくまでも
マーケティングであり
経営戦略の視点から,
ネタの切り口として
使うに過ぎません。
…ということで,
前置きはこれくらいにして。
先日,
こんな記事を書きました。
<参照>
印鑑というものは
衰退期に入っている,
なんて話を書きました。
衰退期商品を
会社の中核に据えて,
ビジネスを展開するのは
非常に辛く苦しいことです。
印鑑でピンと来ないなら,
それこそワープロ…
ワードプロセッサの販売で
会社が経営できるか,
という話みたいなものでしょうか。
ワープロソフト…
それこそWordや一太郎ではなく,
ワードプロセッサですからね。
このように,
衰退期に入った商品を
会社の中核に据えて
ビジネス展開するのはつらい。
ですが,
今回はそういうレベルの話では
ありません。
このニュースのように
「天災」
みたいなものが
いつやってくるか
わからないということです。
「天災」とはなにか
天災とは,
自分のコントロール外の要因によって
大きな影響…
特に悪影響を被ることを
象徴する意味合いとして
ここでは使っています。
印鑑文化の是非には
触れませんが…
印鑑文化という
体質や考え方について
改革意識が出てくる一方…
わかりやすく
敢えてこの言葉を使います。
「旧態依然」
とした
「抵抗勢力」
が…
印鑑文化を守ろうと
しているわけですね。
そこに,河野行革相が
号令を発して
檄を飛ばしたわけです。
これで,
抵抗勢力への逆風が
吹き荒れることになるわけです。
この抵抗勢力…
保守的な
印鑑文化主義にしてみたら,
「天災」
というほかないでしょう。
さて。
これがマーケティングにおいて
何を意味するのでしょうか。
兆しは見えていた
ポイントは,
これはある日突然,
降って湧いたわけではありません。
印鑑が,
様々な手続きや
社内文化において
弊害が出てきていることは,
今に始まったわけでは
ないですからね。
すこし,
「そもそも論」
の話をしましょうか。
印鑑の役割は様々ですが。
印鑑は,
「文書の真正を担保するもの」
です。
真正とは,
その文書を作成する権限者によって
意図通りに作られたものである,
ということですね。
例えば,
借用証書を偽造したら,
それは偽造文書であり,
真正な文書ではありません。
その作成権限者の印鑑が
押印してあれば,
よほどのことがない限り,
真正なものだ,
ということですね。
平たく言うと,
押印することによって,
文書の改ざんや偽造を防ぐ
ということです。
そのためにも,
「昔は」
押印が必要でした。
今はどうでしょうか。
詳しい話は避けますが,
電子署名等によって,
偽造・改ざんできない
電子データ書類の作成は
可能となっています。
この観点で言うなら,
印鑑は,
「機能としての役割は終えた」
のでしょう。
ですが,
「文化」
としての印鑑の役割は
残っていました。
そして…
今回のこの
河野行革相の号令で
その文化としての役割も
終焉を迎えようとしています。
さて。
話を戻します。
この,
河野行革相の号令自体は,
降って湧いてきた「天災」
みたいなものですが。
それでも,
予兆,前兆は
なかったでしょうか。
わかりやすいところでは,
コロナによるテレワークで
印鑑文化の弊害が目立つように
なってきたことは
明らかだったのでは
ないでしょうか。
その前から…
予兆はあったのでは
ないでしょうか。
逆に言えば,
この手の天災…
号令は,予兆がなければ
発せられることはないし,
あったとしても,
効果は発揮しません。
わかりやすいのは,
プレ金,こと,
プレミアムフライデー。
これは,
社会全体の文化として
浸透する準備ができていない時代に,
トップダウンで
号令を発しても,
効果はありませんでした。
別の例で言えば…
クールビズ。
クールビズの発端は,
1979年(昭和54年)の
第二次オイルショック。
そこで,
時の総理大臣,
大平正芳首相以下,
トップダウンで,
「省エネルック」
と称して,
半袖スーツなどを推し進めました。
まったくもって
定着しませんでした。
興味があれば,
省エネルック 大平正芳
あたりでイメージ検索すれば…
なぜ定着しなかったのかは,
一目瞭然でしょう。
1994年(平成6年)にも,
時の総理,
羽田孜首相によって
推し進められましたが…
やはり定着しませんでした。
結局,
「クールビズ」
として2005年に打ち出され,
定着するようになったのですが。
時代…特に,人々の考えと
コンセプトが,
一致しなかったからですね。
このように,
政府主導のトップダウンでも,
降って湧いてきたものが
効果をもたらすかどうかは,
社会情勢によるのです。
この印鑑廃止の号令を…
10年くらい前だったら,
まだ早すぎて空振ったのでは
ないでしょうか。
このように…
時代の流れによって,
衰退の予兆は
あるのです。
河野行革相の号令は,
ただのきっかけでしかなかった,
ということですね。
例を出せばきりがないですが。
10月から,
チャイナでは大型連休。
それに向けて,
日本国内では入国規制を
緩和しようとしています。
何を正直,
正気を疑う判断では
あるのですが。
では,
観光業や
飲食業は…
このチャイナからの観光客で
糊口をしのいで…
なんて繰り返していたら,
未来はないでしょう。
そこで稼いだ資金を使って,
違うビジネスモデルに転換する
きっかけにできれば
生き残る道はあるかもしれませんが。
臆病なネズミ
船が沈没しそうなときに,
真っ先に脱出しようとするのは
ネズミである…
なんて話があったようですが。
そう考えると,
私はまさに臆病なネズミですね。
かつての私の仕事。
士業…特に,書類作成業務,
なんて仕事は…
未来なんてあるはずがない。
AIに淘汰されるか…
今回のような「号令」によって
手続きが簡素化されて,
誰ですぐにカンタンに手続き
できるようになって,
専門性が失われるか…
あるいは…
まあ,これくらいにしましょう。
そう考えると…
私は沈没の兆しが見える前から
逃げ出した…
特に臆病なネズミだったかもしれませんね。
さて…
あなたの業種業態はどうでしょうか。
衰退の兆しが見えていながら,
「まだ大丈夫」
だと思っている方も
いらっしゃるかもしれません。
そういったチキンレースをするのは
否定も肯定もしませんが。
ただ,
そのチキンレースに巻き込まれる範囲は
どこまでなのか,
ということです。
会社が,
淘汰されたら,
自社だけでなく,
自分の家族,従業員,従業員の家族,
取引先,その家族…
あるいは顧客…
これだけの人たちの将来,
生活をチップにして,
チキンレースでギャンブルすることが
できるかどうか。
衰退の兆しが見えていながら
なにもしないとは,
そういうことなのです。
事務連絡を受けたある省庁の担当者は
「こんなに期限が早まるとは。
相当ネジを巻いて作業をしなければ間に合わない」と話した。出典 同上
なんか,平和なコメントですね。
危機感の欠片ほども感じませんが。
私達は経営者・社長です。
一歩間違えたら…
物理的に首を吊る人も
出てきかねないのです。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
アップスタッツ合同会社 経営軍師 飯山陽平
追伸
もし,真剣に悩んで,
本当にどうしていいかわからなくて
真剣に悩んでいるなら…
個別にご連絡下さい。
キャンペーン期間外なので
割引等一切ありませんが,
個別に相談に乗ることはできます。
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