銀座の結界術師の役割

銀座の結界術師の役割

銀座の結界術師の役割
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某LCC、格安航空会社のフライト中のこと。
前に座っている老人が、座席で暴れています。

何度立ったり座ったり…しかも、体をシートの背もたれに叩きつけるように座るので…後ろの座席に座っている私としては、迷惑極まりない話です。

フライト中に、ブログ1記事くらいは書けるかな…と思ったのですが、これではパソコンを広げてシートテーブルに載せようものなら、壊されかねません。

なぜ…こんな人が乗っているのでしょうか。
理由はわかりません。理由になっていないけれど、でも次の一言で納得する人は納得するでしょう。
それは…
「なぜならそれはLCCだから」

特に、新千歳空港という国内有数のメジャー路線発着の便ですので、LCCの便数もたくさんあり、非常に利便性が高くなります。
…価格競争力も上がって、要するに安くなります。
すると…このような、正気を疑いたくなるような人に遭遇する確率はあがります。

これが…同じ国内有数のメジャー路線を発着する、新千歳空港から羽田空港行きのANAプレミアムシートだったら…このような人に遭遇する確率は大幅に下ることでしょう。

話が変わります。
銀座の町中を歩いていた時のこと。
いわゆる高級店がずらりと並んでいます。

店内は…見える範囲には顧客数0人。
何人かの店員が、展示している商品の埃を払っています。

入口には、白い手袋と帽子を被った、まるで執事か高級ホテルのフロント係かのような風体のスタッフが待ち構えています。

店に入ろうとした人に話しかけ…その会話をした人は、すぐに背を向けて立ち去って行きました。

ここが「銀座」だから…といえば、それまでですが。
このように入口に待ちかまえられると…私のような貧乏性では気後れしてしまいます。
とても怖くて店内に踏み込むことはできません。

まるで門番のようです。
あるいは…入口に結界が張ってあり、入るのを防ぐ役割のようです。

これで、どうやって集客しているのかが謎です。
どうして顧客もおらずに、銀座の一等地でビジネスが成り立つのでしょうか。

もう一区画歩きながら、このような店舗が並んでいるのを見ながら考えていたところ、発想が全く反対だということに気が付きました。

文字通り、入口の人は門番であり、結界術師のようです。

【定義】
「結界」…密教で、修法によって一定の地域に外道・悪魔が入るのを防ぐこと。(デジタル大辞泉)

密教ではありませんが、銀座の地には、結界が必要なようです。

外道・悪魔、それはLCCで遭遇した、気が狂った老人のような人です。
すなわち…その場にふさわしい振る舞いができない人を寄せ付けないようにしているのです。

なぜか。
それは、銀座にふさわしい、上顧客を保護するためです。
極端な話でしょうが、100人の人を追い払ったとしても、銀座にふさわしい上顧客が気分を害さないように保護することのほうが大切なのです。

LCCのヘビーユーザーである私では、銀座での集客方法は思いつくこともないだろうし、実践も難しいでしょう。

優先順位が明確なのです。
「誰」を「顧客」として扱うのか。あるいは使わないのか。これが明確なのです。

そして、必要な顧客を歓迎し、そうでない人を撃退するための方法論として、入口に白手袋をはめた結界術師を配置するのです。

そんな店ばかりが並んでいるからこそ、ここは「銀座」なのでしょう。
仮に銀座に「ドン・キ◯ーテ」のような安売り店が出店してきたら…気がつけば淘汰されていることでしょう。

余談ですが。銀座のスタバは、店の外まで行列が出来ていました。
スタバも、「コーヒーショップ」としては高級店の部類に入るのでしょう。
けれど…銀座の中では格安店になるのかもしれません。

高級感に圧倒された…私のような人が退避しているのかもしれません。

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