【事例解説】一見,基本的に見えるような致命的な紹介依頼

【事例解説】一見,基本的に見えるような致命的な紹介依頼

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こんにちは。
アップスタッツ合同会社の代表,
経営軍師の飯山です。

 

 

今日は
ちょっとした事情で,
整骨院に行くことになった時の
話をお伝えします。

 

…とは言うものの,
ただの付添ですが。

 

マーケッターとしては,
整骨院はまさに
マーケティングの展示場
いたいなところですので,
ちょっと楽しみだったのです。

 

 

まあ,
期待半分,
残り半分はまあ,
期待していなかったのですが。

 

 

なんと言いますか,

 

「マーケティングをしている」

のではなく,

「【マーケティングをする】ことをしている」

感じでした。

 

今日のお題は口コミ,紹介です。

口コミ,紹介の打ち手の例を元に,
お伝えしていきます。

 

 

反面教師の事例として
最後までお付き合いください。

 

 

 

【マーケティングをする】をしている

 

 

 

例えば,
そういった治療院の壁に,
「お客様の声」を貼る,
という手法があります。

 

これは何のためにするのか。

 

社会的証明です。

「これだけの患者さんが
お客様の声を書いているのだから,
この治療院は良いに違いない」

と思ってもらうテクニックです。

 

 

多くの人が良いと言っているから
それは良いものである。

 

 

別の表現で言うなら,
「付和雷同」
と言えばいいでしょうか。

 

 

ここから,少し
言語化が難しい…
うまく伝わるかどうかわかりませんが…
少々シビアな話をします。

 

 

その治療院に対する印象が

 

プラスかマイナスか。

極端な話,
プラスマイナス0…よりも,
少しでも
プラスになっていた場合。

※そもそも来院している時点で
プラスマイナス0より上です

 

 

そういった打ち手の積み重ねが
その治療院に対する信頼につながっていくので,
とても大切です。

 

 

実際,
私も,治療院のコンサルティングを
するときには,
基本的にこの打ち手を
指導するでしょう。

 

 

けれど…

 

もし,
その院に対する印象が,

プラスマイナス0「以下」
だったとしたら,
何が起こるのか。

 

どんどん下がっていきます。

 

 

つまり,
ゼロに何を掛けてもゼロです。
マイナスにプラスを掛けると
マイナスが大きくなります。

 

 

つまり…
信頼を勝ち取ろうとする
打ち手の一つ一つが…
ことごとく,マイナス…
すなわち,不審感,不快感を
掻き立てるのです。

 

 

ここでは
「敢えて言語化」
しているから,
このような表現になりますが。

 

例えば,
「お客様の声」
を見たときに,

 

「あ,これはサクラだ,怪しい」

 

と胡散臭く思って,
ばっさり切り捨てるのか。

 

 

それとも,
お客様の声の内容を見て,
「あ,なるほど」
くらいに思うのか。

 

 

身も蓋もないですが。

 

お客様の声って,
基本的にサクラですよね。

 

でも,
そのサクラの背景にあるのは,
その企業,事業,経営者等に対する
信頼があるから,
「サクラ行為に加担する」
のです。

 

 

そして,
サクラ行為に加担する理由…
その会社等と,顧客との信頼関係の
有無があればこそ…
そのお客様の声を見て…
そのまま受け取るのです。

 

それがなければ,
「はい,サクラ…自演乙」
とか,
「いくら払ったんだろうね…」
みたいに,
ますます不審感を掻き立てるのです。

 

 

つまり,
元の信頼関係が
プラスマイナス0を越えているかいないか。
ここが決定的な違いになるわけですね。

 

 

…もっとも,
その判断は,
いちいち理屈では分析しません。

 

「なんとなく信頼できる」
「なんとなくうさんくさい」

 

となり…
この判断も,ほぼ一瞬です。

 

なぜ信頼できるのか。
なぜうさんくさいと判断するのか。

 

その理由も,
言語化できない人が
ほとんどでしょう。

 

 

 

それを…
敢えて言語化するならば,
プラスマイナス0を越えているか越えていないか。
なのです。

 

 

 

信頼を急降下させた一枚の貼り紙

 

 

 

上述の通り,
私は付添なので…

 

待合室でぼけーっと
待っていわけですが。

 

そこで,
上述のように,
お客様の声が
たくさん貼ってあるわけです。

 

それを見て私は,

 

「うん,基本通り」

 

くらいにしか思わなかったのですが。

 

 

ある1枚の貼り紙が
目に入りました。

 

 

それは,
紹介依頼の貼り紙です。

 

 

「当院は,紹介を基本にしております。
ぜひ,当院をご紹介ください」

 

 

といった,
「ごく普通の」
言い回しが書かれているだけの
ただの貼り紙です。

 

その整骨院は,
分院がたくさんあるので,
スタッフ,治療家の集合写真と一緒に,
その表現が書かれているだけ。

 

 

そして…
この言い回しも,
ある意味
「テンプレ」
です。

 

 

実際,
私もクライアントに,
紹介獲得を指導するときに,
このような言い回しを指導することがあります。

 

まさに…
「マーケティングをやっている」
のです。

 

 

それを見て…
何もかも,
胡散臭く感じるように
なりました。

 

 

はじめの
お客様の声が書かれたものを
見ても,胡散臭い。
はじめは特にそう思わなかったのに…です。

 

さて。
この貼り紙。
なにが問題だったのでしょうか。

 

何が…
プラスマイナス0より上だった信頼度を
急激に,マイナスの領域に
突入させたのでしょうか。

 

 

 

紹介の本質

 

 

紹介の本質は…
「信頼を借りること」
です。

 

もともと,
AさんとBさんの間に
信頼関係があり,
AさんとCさんとの間に
信頼関係がある場合。

 

でも,BさんとCさんが
見ず知らずだったら,
そこに信頼関係はありません。
ゼロです。

 

もし,
BさんがCさんにアポを取って
何かを売りたい場合。
BさんがCさんにアプローチしても,
そこには信頼関係がゼロです。

 

ゼロから信頼関係を構築して
セールスできるようになるまでに,
大変な努力が必要です。

 

…が。

 

そこにAさんがCさんに
Bさんを紹介すれば…

 

Aさんとの信頼関係が
一定範囲で及ぶので…
ゼロからスタートすることはありません。

 

一定以上の信頼関係がある
状態でセールスできるので,
成約率も高く…

 

リピート率,
客単価も上がりやすくなることでしょう。

 

このように,
信頼は絶大な効果がある反面。

 

もし,
AさんがCさんに
Bさんを紹介して…

 

BさんがCさんに
失礼な何かがあった場合。

 

BさんとCさんとの間の
信頼関係がマイナスになるだけでなく
CさんのAさんに対する
信頼関係も崩壊します。

 

それくらい
「リスク」
があるのが「紹介」なのです。

 

だからこそ…
紹介をお願いするとは…

紹介をお願いする相手に,
高いリスクを負わせる
ということでもあります。

 

そのことを
「わかって」
紹介依頼をするのか。

 

「わからずに」
紹介依頼をするのか。

 

この2つは決定的な差になります。

 

 

ですので,
紹介依頼をする際には,
真摯にお願いしなければ失礼でしょう。

 

 

そして…
紹介があった場合には,
リスクを覚悟の上で
紹介いただいたことを感謝する。

 

…という,当たり前の話ですね。

 

 

さて。
話を戻します。

 

この整骨院の
紹介依頼をお願いする貼り紙。
何が問題だったのか。

 

 

日に焼けて色あせていたのです。

 

上述の話で言うなら
紹介依頼をするにあたって
「あまりにも失礼」
なお願いの仕方…に感じました。

 

そこで,
その治療院のマーケティングが
やることなすこと,
胡散臭い。

 

「やらされている感たっぷりで
その本質をまるで理解していない
まがいもの」

 

にしか見えなくなったのです。

 

まさに…

 

マーケティングをするのではなく,

【マーケティングをする】ことをする。

ただの猿真似ですね。

 

 

打ち手には意味があり…
その意味の奥には,
その打ち手を講じる人の
「意図」
があらわれます。

 

顧客を…そして…
紹介していただけるということに
敬意と感謝があるかどうか…なのです。

 

私のクライアントには,
紹介依頼の打ち手を
指導するときには…
紹介することが顧客にとって
「高いリスクである」
ということを伝えてから,
その具体的な戦術を指導します。

 

これが…あるかどうか。

 

結局…この治療院は,
マーケティングを猿真似するだけで,
その奥の意味や,意図までは
汲んで実行することは
できなかったのですね。

 

 

なお。
結論として,
今回は付添でしたが…再来院…
2回目の来院はないことが
確定しました。

 

まあ,やむを得ないですね。

 

 

 

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
アップスタッツ合同会社 経営軍師 飯山陽平

 

 

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