個人名の威力

個人名の威力

読んで役に立つ,学びがあったと思った方は「いいね」やシェアをお願いします。

2004年に司法書士、行政書士として開業した直後のことです。
当時、書籍を出版して有名になった、とある行政書士と知り合うきっかけがありました。
会っていろいろと話をしたとき、一つのコツを教えてもらったことがあります。

それは、内容証明郵便。
内容証明郵便とは、文字通り出した内容について、郵便局がその内容を証明するための郵便物です。

単なる郵便物ではありますが、その内容を「証明」できるため、裁判の証拠にしたり、あるいは通知を送ることで一定の法的効果をもたらす時に使われたりします。

こういった内容証明郵便は、基本的に「受け取った時」に効力が発生します。
つまり、「受け取らなかった時」には効力が発生しないのです。

例えば、借金の取り立てをする場合。
裁判を起こす前に、内容証明郵便で督促します。督促したけど応じないので「訴える」という形が一般的です。
特に、返済期日が決まっていない場合、督促の事実を持って「返済期日」が決まります。
内容証明郵便を送らないと、裁判を起こすことすらできなくなるのです。

内容証明郵便は、書留郵便扱いで発送しますので、当然受け取り時には受取人の受領印が必要になります。
留守の時には不在通知が投函され、再配達の申し出によって、再配達されます。

あくどい人や、なれた人であれば、
「受け取らない」
と、一定の効果が発生しないことを知って、敢えて受け取らない人がいます。
具体的には、不在時に再配達の申し出をしなかったり、あるいは在宅時であっても、受取拒否することもあります。

そんな人に、内容証明郵便を受領してもらうにはどうしたらいいのか。
そのコツを教わったのです。
それは、「個人名」で送ることです。

例えば、上記の例であれば、お金を貸し付けた個人の名前で内容証明郵便を送っても受取拒否されます。
行政書士事務所名で内容証明郵便を送っても…やはり受取拒否されます。
ではどうしたらいいのか。
行政書士の「個人名」で送るのです。

お金を貸し付けた個人名とは関係ない別の見覚えのない名前で送られてくるので、警戒せずに受け取る、ということがありえるのです。

長々と書きました。
これが、今日のテーマ「個人名の威力」です。

株式会社◯☓、という社名において、郵便物やメールが送られてきても、なにか無機質な感じがしないでしょうか。
株式会社◯☓、という存在は、手や足があるわけではありません。喋ったり動いたりすることもありません。なぜなら「株式会社」という「法人格」は法律によって認められただけの存在であり、有機体としての実体を持つわけではないからです。

そんな実体を持っていない相手に対して、親しみを感じることはできるでしょうか。
よほどのお得意様であればともかく…あるいは、よほど競合他社にうんざりしているのであればともかく、基本的に、親しみを感じにくいのではないでしょうか。

例えば。
クロネコヤマト。
佐◯急便の対応に頭来ることが多いため、クロネコヤマトであることだけをもって親しみを感じやすくなります。
「ヤマトさん」
などと言ったりもします。

ですが、配達員の方に、
「◯田さん、こんにちは」「◯田さん、お疲れさまです」
と言います。その配達員の方に「ヤマトさん」とは…めったに言いません。
担当者という「個人」…つまり、人対人のコミュニケーション、ということになります。

あくまでも、人がコミュニケーションを取りたくなったり、親しみを感じやすくなるのは「人」相手なのです。

だからこそ、内容証明郵便も「個人名」で受け取ることもあります。
あるいは、メールも差出人の表示が「株式会社◯☓」だったらスパム扱いされ、個人名だったら開かれやすくなるのです。

社名や屋号は大切です。
ですが、その「大切」さは、「誰にとって大切」なのでしょうか。
あなたからしたら大切であっても、顧客には知ったことではないのです。

 

今日のブログを読んで、少しでも
「参考になるな」
「役に立ちそうだな」
「読んでよかったな」
と思えることがあったら、ぜひあなたの友達にもお役に立ちたいので、Facebook「いいね」や「シェア」にご協力をお願い致します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください