コピーライターという仕事柄か、人よりも「書く」作業が多くなります。
この「書く」というのはパソコンで文章作成することではありません。
文字通り、ペンで文字を書く頻度です。
そこで、ボールペンなどの筆記具については、こだわり…というよりは、少々マニアックな気質があります。
とはいえ、残念なのは、ここが北海道の小さな田舎町。
大型文具店など、望みようがありません。
主に、ネット通販に頼ることになります。
とはいえ。
ボールペン1本、仮に300円とします。
この1本を買うのに、北海道までの送料が800円を超える…
さすがに、これは高く感じます。
北海道在住の方は、この送料で頭を悩ませることが多いのではないでしょうか。
というのも、ネット通販で
「送料無料」
と大きく書いておきながら、あとから小さな文字で
「ただし、北海道、沖縄、離島は除く」
という文字を見ては、ガッカリしたりイラっとしたりするのではないでしょうか。
さて、今日のテーマは、
「なぜ送料は高いのか」
ということです。
先ほどの例は300円のものに対して、800円、という購入価格の3倍近い送料なので、「高い」と感じるのかもしれません。
では、購入金額に対しての送料の金額の割合なのでしょうか。
例えば、1万円の商品を買って、800円の送料が掛ったら、安いと思うのでしょうか。
…おそらく、そうは思わないのではないでしょうか。
1万円に対して、送料800円であっても「高い」と感じる人のほうが多いのではないでしょうか。
だからこそ、テレビ通販でも、
「今ならなんと送料無料!!!」
と声高らかに叫ぶ、ということになります。
では、金額の多寡に関わらず、なぜ送料について高く感じるのでしょうか。
これは、非常にシンプルです。
ほとんどの人が、「送料」に対する価値のプレゼンテーションをしていないからです。
少なくとも、私は自分の記憶の限りにおいては、送料の価値について、プレゼンテーションをしている人や状況、場面は、覚えがありません。
もちろん、配送業者が自社のサービスを宣伝する、ということとは意味合いが違います。
例えば、ネット通販で、1万円のものを買います。
1万円ものを買い物かごに入れます。
すると…なぜか、1万円のはずが、決済金額は1万2000円を超えている、という状況になります。
なぜなら、1万円の価格の商品に、消費税が上乗せされます。
その後、さらに送料が加算されます。
ネット通販で、1万円という商品価格の提示に対して、実際の決済額は1万2000円ともなれば、高い、と感じてしまうのも仕方がないことでしょう。
顧客心理にあるのは、1万円の価格に関する購入決断です。
価格に関して
「1万円だから買おう」
と思って決済してみたところ、1万2000円、となるわけです。
商品そのものの問題ではなくても、不平不満を抱える原因になります。
どうすればいいのでしょうか。
対処法として、
(1)送料込みの価格を提示する
(2)価格と一緒に送料も表示する
などの対策を処理があります。
前者に関しては、わりとよく見るパターンです。
ネットの「送料無料」なども、これに該当するでしょう。
送料全てを販売者が負担している…という場合もあるでしょうが、ある程度の送料も商品価格に転嫁している例もあるでしょう。
後者に関しては、たまに見かけます。
多くの場合、
「送料はこちら」
などと書いて、そこにリンクを張ります。別ページに誘導します。
それでは、商品価格と一緒に書いていないことになります。
例えば1万円の商品について価格の決断と、送料の金額提示が別々になり、問題は解決しません。
顧客心理として送料の金額を「後出し」された感覚は残ってしまいます。
同じページの、価格の直ぐそばに掲載するのが無難です。
別の対処法としては、
(3)送料の価値をプレゼンテーションする
というのも手です。
例えば、
「当社は、送料は安くても、顧客に嫌な思いばかりをさせる佐◯急便は使いません。クロネコヤマ◯を利用しております」
なども一つでしょう。
もちろん、このまま使えるものではありませんが、わかりやすさのため極端な例を出しました。
現実的な対策としては、はじめから送料込みの価格を「送料無料」とするのが無難でしょう。
…もちろん、これは誠実な値段表示ではありません。
ただ、考え方次第とも言えます。
例えば、定価1万2000円の商品について、値引きして1万円で売り、送料などを加算して1万2000円支払ってもらう…という方が、不誠実ではないでしょうか。
それならば、定価1万2000円の商品を、値引きせずに定価のまま販売し、送料無料、としたほうが、お得感を感じてもらえるのではないでしょうか。
もちろん、定価のものを定価のまま売るだけの販売力は必要になりますが、それは今日の主題ではないので省略します。
最後に。
送料を「安く」感じてもらう方法があります。
それは、無料で何かを提供する際に、「送料」だけを請求するのです。
「いまならこのDVDを先着◯名様まで差し上げます。ただし、送料500円だけはご負担をお願い致します」
という感じでしょうか。
このやり方の非常に優れている点として、「お金を払った」という既成事実を作れることです。
無料オファーなどはよくありますが、無料だとお金を払いません。
その会社に対してお金を払ったことがない人に、販売するのは大変です。
しかし、何らかの形で支払いをしたことがある人に、追加販売するとなれば、難易度は大幅に下がります。
そこで、無料オファーにした上で、送料だけを請求する、という手法になります。
もともと相応の価値のものを無料で手に入れられるのですから、送料の金額は気にならなくなります。
…もちろん、その無料オファーの価値について、十分なプレゼンテーションがされている、という前提になります。
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