どんな社名にしようと忘れてはいけない点

どんな社名にしようと忘れてはいけない点

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ニュースで、「損保ジャパン日本興亜ホールディングス株式会社」が、SOMPOホールディングスに商号変更する旨の記事を見かけました。
確かに長過ぎる名前です。

長すぎる名前といえば…有名なもの、それは落語で有名な寿限無。
「寿限無、寿限無
五劫の擦り切れ
海砂利水魚の
水行末 雲来末 風来末
食う寝る処に住む処
藪ら柑子の藪柑子
パイポパイポ パイポのシューリンガン
シューリンガンのグーリンダイ
グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの
長久命の長助」
と、子どもに命名した、という話です。
これを一気に唱える(もはや言うとかいうレベルではないので…)ことができれば、それはそれでなかなか愉快な話です。

とはいえ、迷惑であることは確か。

別の例を紹介します。
日本で一番長い会社…かどうかはともかく、とにかく長い社名で有名な会社があります。

「株式会社あなたの幸せが私の幸せ世の為人の為人類幸福繋がり創造即ち我らの使命なり今まさに変革の時ここに熱き魂と愛と情鉄の勇気と利他の精神を持つ者が 結集せり日々感謝喜び笑顔繋がりを確かな一歩とし地球の永続を約束する公益の志溢れる我らの足跡に歴史の花が咲くいざゆかん浪漫輝く航海へ」

だそうです。
経営理念をそのまま社名にすればわかりやすいしお客様にも伝わる…という動機でこの社名にしたのだとか。

では、この社名の何が問題点なのでしょうか。
もちろん、長過ぎるという点は問題です。
領収書などは略称でも通用するようです。
電話をかけた時に、この社名を名乗られたら…少々イラッとするかもしれません。
特に、今ではカケホーダイプランが一般的ですが、数秒ごとに電話料金が加算されていくプランだったら、電話代を払って、自分には直接関係ないさほど興味もない会社の社訓を聞かされることになります。

もちろん、電話ではある程度省略しても問題はないでしょう。
ですが…銀行振込や不動産登記などは、一字一句そのままでなければなりません。

…まあこの会社と取引することはないでしょうが、私がこの会社から司法書士として所有権移転の登記手続きを受けたら、申請書作成において少々うんざりすることは確かです。

不動産登記などはまだマシでしょう。
問題は銀行振込。
ネット銀行ではなく、銀行の窓口振込においては、振込伝票にこの社名を一字一句正確に書かなければなりません。
顧客がお金を払うにあたって、いちいちこの社名を書かなければならないのは、悪質な嫌がらせでしょう。
もちろん、振込のオペレーションを行う、銀行員も迷惑な話です。

そう、迷惑なのです。

長い社名そのものが問題ではありません。
「迷惑」
なことが問題なのです。
「あなたの幸せが私の幸せ世の為人の為」
「利他の精神」
などという言葉が込められているにもかかわらず、社訓をそのまま第三者に押し付けて、迷惑を振りまいているのです。

利他…等と言いながら、どこまでも自分のことしか考えていないのです。

この社名の本当の問題、それは一貫性がないことです。
社名の中の社訓と、実際に行っていることが矛盾します。一貫性がないのです。

もちろん、社名、別の言い方をすれば商号や屋号、名称は自由です。
どんな付け方をしても問題はありません。

社名は顧客目線で顧客のために付けなければならない、というものではありません。
自分のビジネスですから、自分の付けたいように社名を付けるのは何ら問題はありません。

この会社の問題点は、
「利他」
などと謳っておきながら、どこまでも自己中心的だから、矛盾している、というだけの話です。

繰り返しますが、社名は自由につければいいのです。

ただ、もし社名で差別化を図りたい、ブランディングをしたい、集客効果を見込みたい、社名だけでプロモーションできるようになりたい…ということであれば、話は別です。

短めの言葉で、かつ明確に意味がわかるような社名にすべきでしょう。

最後に。
極論を言うと、社名は顧客にとって興味はありません。
大手上場の一流企業であれば話は変わるかもしれません。
ですが、顧客は基本的に自分のことしか考えていません。
取引が進んで、十分に関係構築が進んで、その先に相手に興味が出てきます。

つまり、最初の時点で社名など、顧客にとってはどうでもいい話なのです。

私は
「アップスタッツ経営研究会の飯山です」
と名乗らずに、
「コピーライターの飯山です」
と名乗ることが多いのは、この点です。

社名よりも、「何者なのか」を端的に理解したほうが、顧客は楽なのです。
その後、それなりに関係性が進んでくれば、
「実はアップスタッツは、高い生産性の実現という意味で…」
などと話す機会はあるでしょう。

ですが、それは最初に話すべきことではないのです。
顧客は、自分のことしか考えていない。

どんなに凝った社名にしようと、この点だけは忘れないように心がけるべきでしょう。

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