グーグル社が開発した,ウェアラブル端末グーグルグラス。
個人向けの生産・販売が中止されたということですが,そんな大企業を横目に,日本ではこのウェアラブル端末の開発や利用で世界をリードしているそうです。
このグーグルグラスですが,メガネのように掛けて,眼の前に来る薄い透明モニタに情報を表示するようなもの。
声でコマンドを入れる事により,作動するようです。
某テレビ局のアナウンサーが実際にその様子を試した映像を見てみました。
さて,この最大手だったはずのグーグルグラスが,開発競争のトップを退き,日本の各企業がこのウェアラブル端末を製造の現場で利用して,高い生産性向上に寄与しているのだとか。
こう聞くと,
「おお,ウェアラブル端末って何か凄い」
とか,
「何か新しいぞ」
と思うかもしれません。
けれど。
私のような「少年ジャンプ」の黄金期を知っている者は,ウェアラブル端末や,グーグルグラスを見ると,
「今更何を…」
と思うかもしれません。
正確な年月は調べたら分かりませんでした。
おそらく,1990年前後だと思います。
その頃には,すでにこの眼の前にモニタを出して情報を表示する装置の「発想」は世に出ていたのです。
そう。
ご存じの方も多いでしょう。
あの巨匠,漫画家鳥山明の作品「ドラゴンボール」の中に出てくる「スカウター」という機器です。
画像を載せるわけにはいかないので,分からない人は「ドラゴンボール スカウター」でGoogle画像検索してみて下さい。
ドラゴンボールの連載が1985年から1995年。
ストーリー的にこの「スカウター」が登場するのが,だいたいストーリー全体の半分くらい…と仮定して,1990年頃です。
機器の機能は,
「相手の戦闘能力を数値化して表示させる」
他,通信機能などがあったようです。
今から25年も前に,この「発想」は出ていたのです。
25年も経って,ようやく似たような機器が実現化したということになります。
もっと前だと,出典は明らかではないですが,壁に埋め込まれた薄型モニター。
漫画家手塚治虫の作品「鉄腕アトム」などでよく登場しています。
当時はテレビと言えば大きな箱形のブラウン管。
薄型のモニターなどはある意味ファンタジーだったのでしょう。
今となっては,ブラウン管のテレビを探す方が大変。
こうして今私がキーボートタッチをしている視線の先が,まさに薄型モニター。
ある意味,漫画家のクリエイティブな発想は,時空を超えているのです。
鳥山明は,25年の時間と,アメリカと日本という場所の違いという,空間を超えたところで,アイディアを発現しました。
それが,今ウェアラブル端末と呼ばれています。
正直言ってしまうと,憧れる気持ちはあります。
このような,時空を超えたクリエイティブな才能が欲しい,と思う事はあります。
ただ。
セールスコピーライティングに,そういった才能は要りません。
むしろ,邪魔になる可能性すらあります。
というのも,セールスコピーというのは,創造性によって書かれるものではないからです。
非常に異質な例えになりますが,セールスコピーの本質は,ある意味「大学の講義で提出するレポート」に近いものがあります。
大学のレポートは,参考文献を何冊か読んで,自分なりの推論を立てて,検証していった結果をまとめた文書…という感じでしょうか。
(卒業して10年以上経ちますので…余りよく覚えていません)
セールスコピーは,十分なリサーチによって様々な情報をかき集めます。
その集めた情報を,既存の「過去に売れたセールスコピー(いわゆるスワイプアイル)」を参照に,売れるように組み上げていきます。
ある意味パズルみたいなもの。
大学のレポートに,文才や創造性が要求されない,というのは十分に想像できるでしょう。
セールスコピーも,基本的に同じです。
大学のレポートで十分な下調べや検証もせずに「才能のおもむくまま」思ったことを書き連ねたら,落第するだけです。
セールコピーで同じ事を書くと…売れないコピーができあがります。
残念ながら,
「一流のセールスコピーライター」
くらいまでは,才能ではなく,地道な作業が良いコピーを書くために必要となるのです。
一流以上の,文字通り業界で名を残すような「超一流」にまでなっていくと,才能も必要かもしれません。
そこまで目指すならともかく,超一流に至らなくても何ら問題はありません。
なぜなら,セールスコピーの目的は「セールス」することだからです。
超一流にまでスキルアップしなくても,セールスは十分に可能です。
セールスコピーを才能で書く,そんな思い込みをしているならば,その思い込みは間違いです。
安心して,売れるためのスキルを学んで頂ければと思います。