少々個人的な話です。
平日は夜遅くに風呂に入るように心がけています。
あるいは、朝起きてからシャワーを浴びます。
理由は、ヒゲが濃いからです。
19時くらいに風呂に入ってしまうと…翌日の同じ時間には、すでに無精ヒゲが生えてきてしまっています。
夜の会合や打ち合わせなどがあると、その時にはすでにヒゲが…という見苦しい状態になってしまいます。
もちろん、私のヒゲなど、誰も見ないでしょう。
気にしすぎかも知れません。
ただ、見苦しいことは確かです。
広告に絶対に乗せてはいけない三点セットが、「ヒゲデブハゲ」などと言われています。
それくらいヒゲは嫌悪される対象でもあるようです。
子どもでもいれば…子どもに頬ずりして、ジャリジャリしたヒゲに子どもを泣かせる、などの失態でもすれば、もっと深刻な悩みになるかもしれません。
ですが、私に子どもはいない以上、せいぜい夜遅く、もしくは朝に剃ればいいだけの話なので、大した悩みではありません。
ヒゲを剃る…などという行為は、日常のルーチン行動の1つであり、いちいち意識することでもありません。
だから悩みが顕在化することでもありません。
ですが、顕在化していないだけで、悩みは存在するのです。
だから、この悩みにスポットを当てて、解決策を示すことで、商品は売れるようになるのです。
さらに、この点を進化させた素晴らしいCM。
それが、「ブラウンモーニングレポート」です。
1981年のCMです。
確認できた限りでは、2008年になっても同じコンセプトでCMをしています。
30年近く、同じコンセプトでCMになる…。
まさにこれがビッグアイディアの凄さです。
ビッグアイディアとは、言い古されたメッセージを、面白おかしく伝える方法のこと。
このCM最大のポイントは、剃り終わった後に、白い板の上にトントン、と剃れたヒゲを見えるようにしていること。
単に、深剃りできる、と100回言うよりも、朝にヒゲを剃ってきた人に使ってもらい…「さらにこれだけ剃れた」と目に見えてわかりやすく表現するほうが、よほど「深剃り」だというメッセージを伝えることが出来るのです。
結果として、それだけ深剃りできれば、夜になってヒゲが伸びてきてしまって見苦しい…という悩みからも開放される、ということです。
まとめます。
日頃意識している悩みを、顕在化させ、解決策を示すことができれば購入される確率は上がるでしょう。
その上で、そのメッセージを、よりわかりやすく劇的に演出すれば、尚良し、ということになるのです。
世界ナンバーワンマーケティングコンサルタントのジェイ・エイブラハムは,卓越の戦略上級編にて,次のように述べています。
「我々の多くは、(中略)本当のところ、自分は何が欲しかったのかが、分からなくなってしまう、という人は多いものだ。自分が何を感じているのか、明確に言葉にできないし、表現する手段も持っていない。だから、その想いや苦心を理解してくれて、はっきりと声に出して行動で示し、論理的で強力な戦略を立てるサポートしてくれる人を、我々は信用するものだ。」
顧客の多くが,
「自分は本当のところ何が欲しいのか」
が分かっていないのです。
わかっていないから,多くの広告メッセージを目の当たりにして惑いさまよい,うんざりして
「とりあえず全部見なかったことにする」
という選択になるのです。
だからこそ,あなたが顧客本人以上に,顧客の抱えている問題や,その解決策を口にしてあげてください。
その顧客はあなたから離れていくことはなくなるでしょう。
あなたも、伝えたいメッセージを精査してみてください。
言いたいことをそのまま言っていないでしょうか。
よりわかりやすく劇的に、そして直接的ではなく間接的に伝えるにはどうすればいいか考えてみてください。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
飯山陽平