心の震災復興へ至る道

心の震災復興へ至る道

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先日,神戸に行ったときのことです。
荷物が重く,かつ距離も近かったので,タクシーを使うことにしました。

昔から,タクシーに乗ったときにやると決めたことがあります。
それは,ドライバーに質問です。

というのも,若かりしころ,
「タクシーにドライバーがある意味景気のバロメーターである」
ということを,とある起業家から習ったことがあるからです。

定番の質問は,まずオープンクエスチョン。

「最近はどんな感じですか?」

非常に漠然とした質問です。
そこで,自由に思ったことを応えてもらいます。

その上で。

「最近チケットのお客様は多いですか?」

この「チケットのお客様が多いかどうか」というのが,景気のひとつのバロメーターであるようです。
そこで今回も尋ねました。

すると,
「いや~もうすっかり減ったね」

タクシーと言えば,例の小泉改革でタクシーが増えすぎて大惨事…というパターンが多かったのですが,今回は思いもしない答えが返ってきました。

「震災前は本当に多かったけど,震災以降は本当にチケットは減ったね」

あまりに想定外過ぎて,声も出ませんでした。

何とか声を絞り出して,

「ええっと…確かあれから…」

すると。
「そう。20年。あれから20年経ったよ。けれど,あの時以来,企業はどうにも引き締めばかりで,内部留保を増やすばかり。ちっとも使わなくなったから,タクシーチケットもすっかり目にすることなくなってね…」

これが,ひとつの現実です。
物事というものは,

(1)出来事
(2)その出来事に対する感情
(3)その出来事に対する評価や決断

に分かれていきます。
どんな感情を抱いて,どんな評価や決断をするのかは,本当に個々のこれまでの生き方に寄ります。

例えば。
あるとき,空港でチェックインして,飛行機に登場しようとしたら,突如搭乗手続が中断しました。
理由は,最終整備点検中に,不具合が発生したからです。

結果として,1時間半出発が遅れることになりました。

この出来事に対して,どのような感情を抱くのでしょうか。
そして,どんな評価や決断をするのでしょうか。

カウンター内の航空会社スタッフに対して怒鳴りつけている客がいたのを,個人的には非常に不思議な印象を抱いたのを覚えています。
なぜなら,私は
「飛行機が離陸する前に,この不具合が見つかって良かった」
と心から思ったからです。ホッとした,というのが感情です。
そして,評価としては,「整備員,よくぞ見付けた!」と思ったものです。

一方,人によっては,激怒して窓口スタッフに食い下がらずには居られない人もいるのでしょう。

これは単に感情の感じ方だったり,ものの感じ方だったり…ということなので,どうすべきか,どちらが正しいのか,どちらが望ましいという話ではありません。
まして,よくある「プラス思考」とか「ポジティブシンキング」といった,薄っぺらい中身のないものの話ではありません。

さて,話を戻します。
阪神淡路大震災から20年。

神戸の町中を見回しても,綺麗な高層ビルが建ち並び,整然とした町中をタクシーは走っています。
車の数も多く,交通量もそれなりの印象でした。

ただ,タクシードライバーにしてみれば,
「震災前と比べると…」
となるのです。

それがいいとか悪いとか,ということではありません。

ただ,思わずにはいられなかったのは,
「震災で崩れたビルが再び建築されても,人の心はそう簡単には立て直らないものなんだな…」

今日は3月11日。
あの日から,4年です。
その5倍の年月を積み重ねた,神戸の人でも心の震災復興は未だになしえていないことを目の当たりにしました。

では,どうすればいいのでしょうか。
それについては,各自ができることをするしかない,と言うほかありません。

私はセールスコピーライターです。
経営者に対して,売上アップをもたらすことで,会社を元気にすることが仕事です。
ならば,1社でも多くの会社を元気にしていくことが,巡り巡って,心の震災復興に貢献できる…そう信じてやっていくだけです。

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