10年以上前のことです。
大学時代の先輩と話をしていた時のこと。
話題は選挙。
その先輩は、実に誇らしげに
「これまで、自分が投票した候補者は、全て当選している」
と熱く語っていました。
私は適当に聞き流しながら、
「何で?」
という疑問を抱いていました。
本来であれば、投票というものは、自分の主義主張に基づいて、賛同できる候補者に対して行うものです。
ですが、この先輩は、主義主張、政党などには一切触れずに、
「自分の投票した候補者が当選している」
ということだけを以て自慢気に話していたのです。
ということは、
「自分の投票した人が投票するならば、その政治家がどれだけ売国奴であっても構わない」
ということなのでしょうか。
もちろん、その政治家の行為の何を以って「売国奴」と捉えるかも、主義主張に関わること。
一口に言えることでもないでしょう。
ですが、
「当選する人に投票する」
というのは、あまりにも主義主張が無さすぎるのではないか…
若かりし当時の私は、その考え方に賛同できず、疑問符を抱いていました。
あれから10年以上経った、今ならわかります。
「人は、負け犬にはなりたくない」
のです。
自分が投票した人が当選すること以上に、自分が投票した人に落選して欲しくないのです。
なぜなら、自分が投票した人が落選する…ということは、まるで自分自身が否定されたかのような気分になるからです。
人は、負け犬になりたくないのです。
勝ち馬に乗りたいのです。
…その発想自体が、すでに負け犬であることに気付いていません。
「負け犬にはなりたくない」
と思うということは、ある程度自分がすでに負け犬である…という前提に立っているからです。
本気で勝ち馬に乗っている人は、それが当たり前であって、
「自分が勝ち馬に乗っている」
などという自覚はないでしょう。
さて、この考え方が、そのままコピーに活かせます。
人は負け犬になりたくないのです。
乗り遅れたくないのです。
そこから、有名なテンプレートであるコピーになります。
「ほかにいませんか?」
というテンプレートです。
使用例としては、
• 映画スターみたいなルックスになりたい人は,ほかにいませんか?
という感じです。
このコピーの背景にあるのは、次の2つ。
「映画スターみたいなルックスの正反対である今の自分(=負け犬)のままでいいのですか?」
というメッセージが1つ。
もう1つは、
「他の人はすでにあなたを置き去りにしていますよ。あなたは取り残されたままで良いのですか?」
というものです。
あくまでもテクニック的な話ではあります。
ここで見るべきことは、人間心理の奥には拭い去ることが出来ない、幾つかの感情の衝動があるのです。
その1つが、
「負け犬根性でいたくない」
という思いなのです。
この人間心理の奥にアプローチするコピーにすることで、より高い反応を引き出すことが出来るのです。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
追伸
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