北海道新幹線が開業して半年が経ちました。
今日の苫小牧民報によると、平均乗車率は39%とのこと。
…と聞いて、あなたはどう感じたでしょうか。
私は、
「え?39%少なっ!」
と思いました。
ですが。
JR北海道では、26%を想定していたのだそうです。
26%に対して、39%ですから、ヘッドラインとしては、
「道新幹線、開業から半年 想定上回る滑り出し」
となっていました。
26%が高いか低いかは脇に置きます。
個人的には、乗車率たった26%しか見込めないなら、新幹線など作らずに、寝台夜行列車を廃止しないでほしかった…くらいに思ったりします。
それはさておき。
26%に対して39%は高い数字です。
ただ、私は低く感じました。
では、私にとって「基準となる数字」は何なのでしょうか。
そもそも新幹線の乗車率など、考えたことがありません。
耳にするのは、お盆や正月のラッシュで、
「新幹線の自由席は乗車率が200%を超え…」
といった報道くらいでしょうか。
無意識に、200%が基準…はさすがに言い過ぎですが、100%が基準になってしまっているようです。
だからこそ、直感的に、
「少なっ!」
と思ってしまいました。
話は変わります。
今日、司法書士として、登記手続きの依頼を受けたときのことです。
お客様に対して、登記費用の概算額を案内しました。
すると、しばらく沈黙。
その後、
「それって、相場とかあるのですか?」
との質問。
要するに、
「高い」
と感じたのでしょう。
そこで問題になるのは、その基準。
何を基準に「高い」と判断したのでしょうか。
聴いてみたら、面白い答えが出たかもしれません。
ですが、聞いたところで仕方がありません。
しれっと、
「さあ、どうなんでしょうか。なにせこの町に司法書士は私しかいませんから、比べようがありません」
と回答。
さすがにそれだけではどうかと思うので、
「ずっとこの金額でやってきています。同じ金額でも人によっては高い、と感じる人もいれば、安い、と感じる人もいるようですね」
と補足。
すると、
「分かりました」
と報酬を払って、依頼頂いた次第です。
なにせ昨夜うっかりと完徹してしまったので、少し寝ぼけていたのかもしれません。
今までこんなことを言ったことはありませんでした。
あとから振り返ってみると、結果的に、
「高いか低いかの基準」
をずらすことができたのでしょう。
ということで、今日のテーマは、顧客の頭の中にある
「隠された基準」
です。
基準次第では、同じ数字でも、
「高い」
と感じるか、
「低い」
と感じるかが別れるのです。
だからこそ、顧客が抱いている無意識の基準を予め突き止めることができれば、対応しやすくはなります。
ただ…この無意識の基準をどうやって予め突き止めることができるか。
これは非常に難しいのが現実です。
今回の登記の例のように、値段を出してみて、反応を見ることで、基準を推測することはできます。
結論としては、予め突き止めるよりも、顧客の反応を見て突き止めるほうが簡単でしょう。
最後に。
価格については、「高い」と言われることのほうが、当たり前…くらいに思っておくと、気が楽になるのではないでしょうか。
私自身は、高い価格を提示して、それ以上に価値がある、と実感してもらえるように心がけています。
かの「営業の神様」と呼ばれ、全世界で500万人以上が彼のセールスプログラムを受講したといわれる、ブライアン・トレーシー。
彼に言わせれば、顧客が「高い」と言うこと自体「太陽が東から登って西に沈む」くらいに当たり前のことなのだそうです。
高い…と言われたら、相手の基準を突き止めて、その基準をズラす。
これができれば、価格で悩むことはなくなるでしょう。
健闘を祈ります。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
追伸
高い、と言われることはないけれども…売れない。
そんな時は、別の原因があるかもしれません。
一度こちらをご覧ください。