顧客の「言葉」で話をしよう

顧客の「言葉」で話をしよう

顧客の「言葉」で話をしよう
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昨日の続きです。
昨日は,いかに多くの広告が「ファンタジー」に陶酔しているか,という話をしました。
具体的には,世界中の人が自分の見込み顧客だったとしたら…という前提でのコピーを展開している,ということでした。

全米屈指のコピーライターにして,「億万長者メーカー」と名高い,かのダン・ケネディは,
「顧客の頭の中の会話に忍び込め」
と言っています。

では,実際にどうやって,顧客の頭の中の会話に忍び込めるのでしょうか。

2つ紹介します。

1.録音
一番簡単かつ基本。
これが録音です。
顧客や見込み客との会話を録音しておけばいいのです。
それを聴くことで,顧客がどんな「言葉」を使っているのかを知ることができます。

具体例を紹介します。
先日,テレビに登場していた,マーケティングの権威,フィリップ・コトラー博士のインタビューを見ていたときのことです。
彼は,インタビューの中で,英語で
「iPhone」
と言っていました。

ですが,インタビューの日本語字幕は「スマホ」と書いてありました。

これが,悪い例です。
顧客が実際に使っていた言葉そのままを使うことがコツです。

少なくとも,コトラー博士にとっては,「iPhone」なのです。
「スマホ」でもなければ「ケータイ」でもなく,「iPhone」なのです。

このように,顧客の言葉を理解してそれを要約してダイジェストにしたり,変換したりしてはいけません。
顧客の使っている言葉そのままを使うのがコツです。

例えば,「顧客」と「お客様」「お客さん」「クライアント」など,すべて違います。
自分がターゲットにしたい見込み客や顧客が「実際に使っている」言葉は何なのか。
ここまできっちりリサーチしなければなりません。

だからこそ,インタビュー中に,メモをするときに走り書きで,無意識に「自分の言葉」に変換してしまうのを防ぐためにも,録音しておくのが望ましいでしょう。
もちろん,録画でも構いません。

2.FAQ
これは,上記1の録音に重複して考えてください。
コールセンターや,電話受付,問い合わせ対応をする人などから情報を集めることができます。

顧客や見込み客はどんな疑問を持っているのでしょうか。
それが,こういった人たちから情報を集めることができます。

その業界に長くいると,だいたい顧客がどんな疑問を持っているのかが分かります。
例えば,飲食店の場合,
「一度来てくれた人が,なかなかまた来てくれないんです」
という悩みを抱えていたとします。

ですが,マーケティングに慣れている人は,
「あ,リピート率の問題ね」
と,【変換】してしまいます。

それでは,顧客の脳内会話に入っていくことはできません。
顧客は「リピート率の改善」という問題ではないのです。

「一度来てくれた人が,なかなかまた来てくれないんです」
という問題を抱えているのです。
さらに聴いていけば,
「一度来てくれた人が,また来ないなんて,ウチはよほど味が悪いのだろうか…でも,味に自信はあるのに…」
という問題かもしれません。

問題の本質としては,味ではなく再来店を促す仕組みがないだけでしょう。
だからといって,「再来店を促す仕組みをどうしたら良いんだろうか」という問題は抱えていないのです。

このように,つい無意識に変換してしまうところの,その先が,お客様の脳内の会話どころか,自分にとってのファンタジーの世界に突入していくのです。

目的は,「顧客の頭の中の会話に忍び込む」ことです。
これができなければ,顧客の注意を惹くことはできません。
「他人事」「自分は関係ない」
となってしまうのです。

ちょっと想像してみてください。
あなたはパチンコに興味が【ない】人だとします。
そんなあなたが,パチンコ店のチラシを見たときに,どう思うでしょうか。

おそらく,
「あ,これはパチンコ店のチラシだから私には関係ない」
…と思うことは【ない】はずです。

いちいち,そんなことは思ったりしないでしょう。
視界に入っても,何も意識することはないでしょう。

例えば,私は電気製品が好きなので,新聞折り込みチラシに,家電量販店のチラシが入っていることを期待していたとします。
配達された新聞の中からチラシを取りだして,1枚1枚めくって家電量販店のチラシを探していきます。
そんな時に,パチンコ店のチラシがあったら…
「あ,これはパチンコ店のチラシだから私には関係ない」
などと思うことはありません。
何も思うことなく,ただスルーして,めくっていくだけです。

最後までめくって,家電量販店のチラシが入っていなかったら,単にそのチラシの束を処分します。
その中に,パチンコ店のチラシが入っていた…などと意識することはないでしょう。

この例のように,人は興味のないものはどこまでもスルーするのです。
それを防いで,
「自分に関わりがある」
と思ってもらう一つの手が,
「顧客の頭の中の会話に忍び込む」
ことです。

あまり口にも出さないような悩みと一字一句同じことが,目の前のセールスレターに書いてあったら…読まずにはいられないでしょう。
なぜなら,そこには「その悩みの解決策」が書かれているのではないか,と期待するからです。

さすがに,顧客の頭の中の,誰にも言えない密かな悩みを聞き出すために,録音やコールセンターで問合せをすればいい…というものではありません。
ですが,少なくとも最初の一歩として,顧客と同じ言葉を使う為には,非常に効果的です。
ぜひ実践してみてください。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平

追伸
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