大義のある競合他社への攻撃

大義のある競合他社への攻撃

大義のある競合他社への攻撃
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日本ではほとんど見かけませんが,アメリカなどの海外では,たまに見かける切り口の広告があります。
私が記憶にあるのは,あるテレビCM。
誰だったか忘れましたが,スポーツ選手としては伝説的な英雄のような存在の方がCMに出ていました。
そこで,コカ・コーラを飲んだところ,うつむいて小さく首を横に振り…今度は,ペプシ・コーラを飲んだら,勢い良くリズムにのって躍動感あふれる姿を見せていました。

ペプシ・コーラが,コカ・コーラに対する直接的な攻撃の意図を含んだCMです。

別の例では,アメリカの大手レンタカー会社。
業界ナンバーワンがハーツレンタカーで,二番手が,エイビスだったかと思います。

そこで,エイビスが,
「私たちは二番手なので,いっそう努力しています」
といったイメージコピーで宣伝。

すると,業界ナンバーワンのハーツレンタカーが,
「彼らは努力しているが,二番手なのは理由がある」
というフレーズで反撃。

努力していても,しょせんは二番手。
一位にはなれない…という切り返しです。

業界ナンバーワンがやるにしては品がない…という批判もあります。

日本で見た例としては,英会話。
確か,こんな内容だったかと思います。

Q 英語は聞き流すだけでしゃべれるようになる,と宣伝しているところもありますが?
A 聞き流すだけで英語が身についた人は,某プロゴルファー以外に誰かご存知でしょうか?

1日15分聞き流すだけて…と謳っている,業界でも割と有名な英会話教材に対して,そのCMに出ているゴルファーを揶揄して,「彼以外に聞き流すだけで身につく人はいない」すなわち,聞き流すだけで身につくはずがないじゃないか,というメッセージです。

余談ですが,このプロゴルファーは,
「【一生】この教材を聞き続けます」
と力強くCMで宣言していました。
…つまり,この教材では英語は身につかない。そうCMに出演するプロゴルファー自らが主張していることになります。
(念のため解説。本当に英語が身につくのであれば,一生聞き続ける必要はないはずです)

このプロゴルファーがただのアホなのか,本当に身につかないかどうかは脇に置きます。

幾つか例を出しました。
どれも,競合商品を直接的に揶揄する,あるいは攻撃するセールスメッセージです。
この3つの例のうち,明らかに1つ,違うものがあるのはわかるでしょうか。

その1つとは最後の英語の例です。
CMで,「毎日15分聞き続けるだけ」と謳っているセールスメッセージに対し,「それでは英語は身につかない」とはっきり言っています。

これが,明らかに前ふたつと違うのです。
なぜでしょうか。

コカ・コーラであろうと,ペプシ・コーラであろうと,コーラです。
同じジャンクな飲料で,どちらも体にいいとは言えません。
単なる好みだけの話です。

コカ・コーラを飲むと血を吐いて倒れるけど,ペプシ・コーラを飲めば,寿命が3日延びる…という効果効能があるならば,話は別です。
ですが…おそらくそんなことはないでしょう。
(ペプシ・コーラを飲んで,寿命が3日「延びない」ことは証明できませんが…)

ということは,どちらを飲んでも,そう大差はないことになります。
ですので,ある意味「不当に貶める」広告ということになります。

ハーツレンタカーとエイビスでも同じでしょう。
片方のレンタカーは,101キロ以上走ると,タイヤが1つずつ外れていく…ということであれば,もう片方のレンタカーを選ばないと大変なことになります。
ですが…どちらも基本的にはレンタル期間中にどれだけ乗ってもタイヤが外れることはないでしょう。

ということは,あまり大義のない攻撃メッセージだと言えます。

けれど,最後は別です。
「身につかない英語学習法で,時間とお金を無駄にしないでください」
という,顧客に対するメッセージでもあります。

有名人を起用して,もっともらしい(実際はアホな発言ですが…)メッセージを発信して,どんどんセールスする。
けれど,実際その学習法ではだめだ,とはっきり言っていることになります。

基本的に英語学習をする…ということは,英語を身に着けたいという前提に経ちます。
「私,英語学習頑張っててすげーな」
と自画自賛したいために英語を学んでいる人は…稀でしょう。

ならば,身につかないものを「身につかない」とはっきり言うのが顧客のためではないでしょうか。

この場合,セールスメッセージで,競合他社を攻撃することに大義があるのです。

実際,私がコピーライティングの制作を受けた時に,「競合よりも明らかにここが優れている」ことをコピーに書くと,クライアント(依頼主)は嫌がることが多々あります。

説得をして,そのままで行くこともあれば,私の力が及ばずに没になることがあります。

ですが…その商品やサービスが本当に優れているものであれば。
世に出回っているものが,明らかに劣っているのであれば…
「ウチはこの点が他社よりも優れています。だから,他社ではなくウチから買ったほうがあなたのだめです」
とはっきり言うほうが,顧客のためではないでしょうか。

顧客は,誰だって損はしたくないでしょう。
ですが…知らないから,それを買ってしまうのです。
そしてその責任は…本当に優れた商品やサービスを扱っている会社のPR不足だと言えます。

覚悟をもって,
「ウチから買って下さい!」
そう宣言して下さい。
それができないなら…その会社の商品やサービスは,その程度のクオリティだということでしょう。
あるいは…顧客が明らかに劣った商品やサービスを買って残念な思いをさせることがわかっていながら,我が身可愛さのために,言うべきことを言わないエゴでしょう。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平

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