これは,私の結婚式の撮影をしてくれた凄腕カメラマンが,趣味で描いている作品の一つです。
ちょっとした機会に,いただきました。事務所に飾ってあります。
この作品を見ると,ある女性を思い出します。
まだ,私が司法書士として,債務整理や過払い案件を全面的に扱っていた頃の話です。
片道1時間半ほどの場所から,わざわざ当事務所まで法律相談に来られた方です。
シングルマザーで,約20年間,二人の子どもを育ててきました。
生活が苦しく,3つの仕事を掛け持ちして,なんとかやりくりしていたそうです。
しかし,生活を維持できず,借金が増えていきました。
それでも必死で働き続け…本当にどうしようもなくなって,当事務所を訪れたのです。
「大丈夫です。安心して下さい」
そんな私の言葉に,彼女は安堵したのか泣き崩れ…そして,この作品を見ながら,
「そうですね。いつまでもくよくよしていられません。がんばります」
笑顔で帰っていきました。
私が彼女を見た,最後の姿でした。
およそ2週間後,彼女のお子さんから電話がありました。
「母が倒れました」
とのこと。
金融業者から取り立てされることはないから,まずは安心して,落ち着いてほしいという点。
容態が回復したら,また連絡するようという点を伝えて電話を切りました。
それからさらに5日後。
逝去された,との連絡でした。
出そろった彼女の借金の取引履歴を確認すると…ほとんどが過払い金になっていました。
つまり,彼女は存在しない借金のために,文字通り身を粉にして働き,死んでいったのです。
話は変わります。
あなたは,自分の顧客が自殺した…そんな経験はあるでしょうか。
同職の人は,依頼者に自殺されて,酷い心の傷を負った,なんて話は聞いたことがあります。
幸い,私は【直接の】依頼者が自殺した,という経験はありません。
ある女性が,債務整理の法律相談に訪れました。
詳しく話を聴いていくと,ご主人もかなりの借金があることが判明。
これでは,奥さまだけ債務整理しても問題は解決しません。
ご主人も来所いただくようにお願いしたところ…
「ここ数日,行方不明なんです」
このセリフをいった彼女の…あの能面のような無表情さは,今も忘れることはできません。
数日後,電話がありました。
「先ほど,警察から連絡があって…浜辺で見つかったそうです」
ほぼ同じ体験が2回,ありました。
冒頭のエピソードも踏まえ…
「なんで,こんな状況に陥るのだろうか…」
ずっと考え続けました。
原因は,所得が少ないからです。
なぜ所得が少ないのか。
もちろん,労働者側が,価値あるスキルや経験,能力がないので,企業に貢献できていないから,所得が少ないのかもしれません。
ですが,それだけではないでしょう。
そもそも,企業の売上が少ないから,かもしれません。
目の前の,多重債務者の手続きだけを行っていても,この問題は解決しません。
どうすれば,根本的な解決につながるのか。
企業が,価値ある商品やサービスを世に広めて,多くの人に価値を届け,そこに収益が増える。
収益が増えれば,そこで働く従業員に還元される。
ならば,企業がより多くの人に,価値ある商品やサービスを世に広げられるようになればいい。
特に,起業の経営者が借金苦を理由に自殺してしまったら,影響は甚大です。
経営者の家族。
従業員及びその家族。
取引先及びその家族。
顧客及びその家族。
債権者等…。
実に広範にわたって,影響が出ることになります。
経営者のために,集客や売上アップに関するお手伝いをすること。
その会社の価値ある商品やサービスを世に広めるサポートをすること。
これが,冒頭の女性のような犠牲者を増やさない根本解決に貢献するのではないか。
そう考えて,司法書士から,コピーライターとして,マーケティングコンサルタントとして転身。
アップスタッツ経営研究会を発足しました。
ちょっとした,小さなことでも,知っているか知らないかで,結果は変わります。
まずは無料のブログで,集客やマーケティング,コピーライティングについて,学んでみてください。
※事例については,司法書士法上の守秘義務に配慮して,実例を元に改変した内容です。