私が中学生になってからしばらく経った頃の話です。
小学生にはいない…いないわけではないけれど,あまり馴染みのない存在である,「先輩」。
部活動をすることで,このような「先輩」と接する時間が増えました。
今となっては,名前すら覚えていない,ある人の話です。
その人はしょっちゅう威張っていて,偉そうな素振りばかりしています。
後輩である私に対しても,偉そうに,理不尽な命令を繰り返してきました。
私自身,かなり気が短い方です。
はじめは渋々従っていましたが,そのうち嫌になって,無視。
すると,その人は,
「お前,先輩に向かってその態度は何だ!」
と怒鳴り散らしてきたので…
その人の胸ぐらを掴み上げて,
「たかが一年早く生まれただけで,そんなに偉そうに振る舞う理由などない」
と言い返し…
それ以来,横暴な態度は止んだのは覚えています。
文字通り,身も心も「小物」で「雑魚」だったその人とのいさかいは,私に一つの影響をもたらしました。
つまり,学生だから,胸ぐら掴んで物理攻撃すれば,なんとかなります。
ですが,社会人になって,これは通用しないだろう。
という考え方です。
背景にあるのが,
「敬意を感じない人に対して,敬意を感じているかのような振る舞いをするのは苦痛だ」
という考えです。
結局,社会人になって,仕事はできても,人間性としてカケラほども敬意を向けられない人を上司に迎え…25歳で独立の道を選びました。
さて,今日は敬意の根拠とコピーライティングです。
この歳になって感じるのは,何らかの専門分野において,自分より詳しい人は全て,敬意を払うべき対象だ,ということです。
例えば,料理。
料理については,私にはさっぱりわかりません。
…ということは,料理という視点で考えるならば,世の主婦のほとんどが「料理」というテーマにおいて,敬意を払うべき対象となります。
では,コピーライティングではどうなのでしょうか。
同業の方がいたならば…ぱっとすぐにどちらが実力が上か,判断つくかどうかはわかりません。
ですので,最低限の礼節は欠かすわけにはいきません。
もちろん,自分より下だ,と感じたとしても,人としての最低限の礼儀を欠くのは論外です。
ただ,礼節を以て振る舞うことと,敬意を抱くことは,必ずしもイコールではありません。
ものの例です。
セールスマンAさんと,セールスマンBさんがいるとします。
Aさんは,この道15年目のベテランです。
営業成績としては,下から数えるほどですが,
「いないよりはマシ」
程度の存在です。
ですが,その道15年ということもあり,周りからは,敬意を持って見られる傾向があります。
一方Bさんは,この道5年目です。
営業成績としては,Aさんよりも,多少は上,というレベルです。
ですが,Bさんは,さまざまな人に対して,さまざまな商品を売ろうとしています。
したがって,得意パターンだけをこなしているわけではないので,成約率が上がりきらず,Aさんよりはマシ,という数字になっています。
さて,セールスマンとして,敬意を持つべき対象はどちらでしょうか。
もちろんAさん…ではなくBさんです。
なぜなら,Aさんは,毎日ルーチンでしか仕事をしていないだろうからです。
新しいチャレンジをせずに,毎日ルーチンで仕事をしていたら…15年もやっていれば,営業成績としては最低限んの数字を出すことはできます。
ですが,それだけです。何らチャレンジもせず,スキルアップもせず…いわば,過去のスキル貯金を切り崩している状況です。
一方,Bさん。
毎日,さまざまな人にさまざまな商品を売る,ということで,常にチャレンジしています。
一番の得意パターンだけを繰り返していれば,もっともっと成績は上がるでしょう。ですが,それでは成長できないので,様々なチャレンジをしています。
ということは,経験値としては,AさんよりもBさんのほうが高い,ということは十分にありえるのです。
別の例として…例えば,車の運転。
毎日車の運転をしていて,ドライバー歴15年。
15年もドライバーをしていれば,達人レベルになる…。
これは本当でしょうか。
残念ながら,そうはなりません。
昨日と同じことを繰り返す,単なるルーチンを繰り返したところで,何一つ上達することはないからです。
せいぜい「劣化しない」程度でしょう。
何か一つでも工夫をして努力していかないと,そのスキルを伸ばすことはできないのです。
そして…そのような努力の積み重ねをしている人は,質,量ともに高いスキルを持っています。
それ以上に,そのスキル等に対して,真摯に一途に努力を積み重ねています。
そういった姿勢や在り方が「敬意」の対象になるのでしょう。
コピーライティングにおいては,この点は特に重要です。
どうしてもその商品やサービスに対して,この真摯さ,一途さがあるかどうかがコピーに影響をおよぼすからです。
コピーに影響を及ぼす,ということは,付け焼き刃で,なんとか小手先だけで売ろうとしても売れません。
コピーでなんとかしようと思っていても,伝わってしまうものです。
コピーは言葉です。
言葉は,その言葉に裏付けされた行動の積み重ねの量が,説得力の鍵になります。
顧客から敬意を得られるようになりたいなら…
もちろん,敬意を持ってもらうことではなく,売れることが目的です。
それでも敢えて,ここでは敬意と表現します。
顧客に敬意を持ってもらえるようになりたいなら…日々の積み重ねが必要になります。
ルーチンではなく,何か一つでも新しいことを,です。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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