40万円をドブに捨てた,私の恥ずかしい話

40万円をドブに捨てた,私の恥ずかしい話

40万円をドブに捨てた,私の恥ずかしい話
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10年以上前の話になります。
司法書士として独立開業してから,1年くらい経ったころです。

今と違って,マーケティングも,セールスも,コピーライティングも,何もできません。
たまにホームページから問い合わせが来るくらいで,ほとんど集客できておらず,非常に苦しんでいました。

そんなある日。
事務所にある営業が来ました。
たしか,JWORDだったかと思います。

インターネットのブラウザのアドレスバー(URLが書かれている欄)に直接,対象の検索キーワードが入力されると,検索結果画面に変遷せず,直接ホームページに飛ぶ,というサービス…だったような気がします。

例えば,「遺言」というキーワードがブラウザのアドレスバーに入力された場合,私が「遺言」でJWORDで登録していたとしたら,検索結果には出ずに,直接私のホームページに飛ぶ,というもの。

繰り返します。
当時の私は今と違って,マーケティングも,セールスも,コピーライティングも,何もできません。

たしか,「特別にかなり値引きします」とのことで,40万円くらいを払った記憶があります。

その結果どうなったか。
どうにもなりませんでした。
つまり,売上は0です。問い合わせ1件すら来ませんでした。

本当に「知らない」ということは恐いです。
こんな愚かな申し込みをしてしまうのですから。
営業担当にしてみたら,20代後半の司法書士など…ろくに社会経験もしてない,いいカモだったのではないでしょうか。

さて,今日のテーマは,アクセスアップよりも大事なこと,についてです。
この考え方は,アップスタッツ経営研究会の,マーケティングに関する根本的なコンセプトでもある,ということです。

有名なあるキャッチコピーに「まだ家は買うな」というものがありました。
それをパクるなら,
「まだアクセスアップはするな」
という感じでしょうか。

冒頭の出来事は,JWORDでした。JWORDに限らず,そしてオンライン,オフラインに限らず,どんな媒体でも同じことです。

つい先日も,
「SEO対策とかやってますか」
と訊かれました。

私はSEO対策は一切やっていません。

クライアントに,SEO対策をすすめることも,あまりありません。

なぜなら,SEO対策は,アクセスアップの施策だからです。

アクセスアップをする前にやるべきことがあり,そちらのほうがずっと大切だからです。

仮に,オンラインの場合。
売上の計算式例として,

アクセス数×転換率=売上

※転換率は,実際に何件「申し込みしたのか」ということです。見込み客から実際に購入顧客に「転換」する,ということでここでは転換率と表現します。

となります。
人によっては,この公式に,他の要素を付け加える人もいます。
例えばLTV(顧客生涯価値)です。
いわゆるリピート購入を対象にする場合,このLTVを入れることになります。

他にもありますが…その話まですると話がずれます。
ここでは「アクセス数」と「転換率」の掛け算,という考えを前提に解説します。

ここでちょっと算数の問題です。

1×0=?

この計算,できるはずですよね。
計算機を使わなくてもできるでしょう。

では,この問題はどうでしょうか。
ちょっと複雑になります。

(1+1)×0=?

これも,すぐに計算できるでしょう。

この2番目の式が,アクセスアップをすることに末路です。

0に何を掛けても0です。
上記の式で,カッコの中が万だろうが億になろうが,ゼロです。

つまり,アクセスアップをする前に,0をなんとかするほうが先なのです。
そして,このゼロが,「転換率」となります。

転換率がゼロのまま,どれだけアクセスアップをしても,意味はありません。

そして,多くの場合,アクセスアップにはコストが掛かるものです。

では次の計算式です。

1×0.1=?

もちろん,0.1です。
簡単ですね。

では次。

(1+1)×0.1=?

これはどうでしょう。すぐに計算できるはずです。

これも先程の例と同じ考え方です。

はじめの(1+1)が,アクセス数,0.1が転換率です。

では,アクセスアップのために1を倍にする手間暇コストと,転換率0.1を倍にする手間暇コストとでは,どちらのほうが,より楽で早く安いでしょうか。

もちろん,後者でしょう。
言い換えると,アクセスアップの方が,高くついて手間暇が掛かる,ということです。

つまり,転換率の改善なら,手軽に簡単に,比較的低コストでできます。

まずは,転換率を改善してから,アクセスアップをすべきなのです。
別の表現をするならば,まずアクセスしてくれた方が,WEBサイトの内容を読むことで,申し込みボタンをクリックしたくなるような,十分な内容にしてから,アクセスアップをすればいいのです。

この順番でないと,とても残念な結果になります。
具体的には,ある人が検索します。検索にヒットしたWEBサイト(仮にAサイト)をチェックします。
そのサイトを見て,ろくなことが書いてなければ,ブラウザバックして,違うサイトに行きます。
後日,また同じ検索をします。すると,Aサイトがヒットします。
この時…検索した人は,頭の片隅に「Aサイトはろくな情報がないダメサイトだったな,クリックしても仕方ない」と,脳内で無意識に判断します。

その間に,どれだけAサイトがバージョンアップしていたとしても,です。
WEBサイトの更新は手軽にすぐにできます。
ですが,以前のショボいサイトを見た方の「記憶」を更新するのはとても大変なのです。

冒頭の会社を含め,多くの業者がアクセスアップを売り込んできます。
ですが,心無い会社は,転換率を一切考えていません。

その結果が,冒頭の「無駄にした40万円」という出来事に繋がるのです。

アクセスアップを売り込んでくるすべての業者が心無い会社というわけではありません。
ですが,現在の転換率を一切聞いてくることなく売り込んでくる業者は,悪徳業者と断定してしまってかまわないでしょう。
知らないと,そういった業者に貢ぐことになります。

私の恥ずかしい失敗談を通して,一人でも損する人が減ることを願っています。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平

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