期日前投票とレスポンスデバイス

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明日は,衆議院選挙投票日です。
ニュースによれば,期日前投票の投票数が増えている,ということのようです。

いくつかのニュースサイトでも,投票件数が前回比で大きく伸びているようです。
自治体によっては50%増のところもあれば…なんと,5倍のところもあるそうです。

一例を紹介します。

 総務省は16日、衆院選の期日前投票者数について15日時点で410万7108人だったと発表した。制度が浸透し、前回の2014年衆院選の同じ時期と比べて1.5倍に達した。22日の投票日に投票に行けない有権者の票を期日前に取り込もうとする各党の争奪戦も激しくなっている。

 投票日1週間前の15日時点の期日前投票者数は、47都道府県全てで14年衆院選の同じ時期と比べて上回り、うち5県で前回の2倍を超える。制度の認知度向上に加え、利便性が高まっているのが要因だ。市役所などのほか、ショッピングセンターや百貨店、大学など人が集まる場所に設置されている例もある。
“期日前投票1.5倍、全都道府県で前回超す 15日時点”
日本経済新聞 電子版. 2017年10月17日

さすがに5倍…という数字は尋常ではありませんが…
なぜここまで伸びたのでしょうか。

私自身は,北海道に来てから,10年。
ずっとほぼ同じ住所です。
選挙区も投票所も同じです。

はじめのうちは,きちんと投票日に投票所まで行っていました。
ですが,ある時から,投票日に投票所まで行かなくなりました。

ここ数年は,もっぱら期日前投票です。

なぜでしょうか。

投票所まで,歩いて7分程度。
車を出すほどの距離ではありません。
歩いて行くには,遠いというほとでもありません。

ですが,面倒といえば面倒です。

一方。
期日前投票の場合,自宅正面の役場で投票できます。
距離にして,徒歩30秒くらい。
選挙期間中,夜8時までいつでも投票できます。
圧倒的に便利です。

先日,役場に証明書を取りに行き…そこで選挙公報を入手。
内容を精査して,別の機会に証明書を取りにいくついでに投票してきました。
実に便利です。

近い,という以上に「わざわざ投票のためだけに行く」のではなく,ついでに投票できるのが便利です。

このように,期日前投票の認知度が進み,かつ選挙権が18歳以上に下がり,それに伴い,期日前投票所がショッピングモールやデパートなど,利便性の高いところに開設されたのが決め手でしょう。

もちろん,それだけではありません。
投票日はたった1日です。
ですが,不在者投票は,選挙期間,約2週間のあいだずっと,です。

この差も大きなものになります。

以前から,ずっと「投票率の低下」が問題視され続けてきました。
この不在者投票の利便性向上によって,高齢者ではなくこれからの日本社会を背負っていく若者の投票率向上につながることを願いたいところです。

さて,このブログは,マーケティングとコピーライティングがテーマです。

この,不在者投票から何を学ぶべきか。テーマ的にはそちらのほうがずっと大切です。

コピーライティングとしては,やはりレスポンスデバイス。
広告にどのように反応するのか,という話です。
例えば,電話かもしれません,FAXかもしれません。メールかもしれません。
WEBだったら,クリックして申し込みフォームに登録,でしょう。
マニアックに,はがきという手もあります。

実際にあるのですが,申し込みは「はがき」だけだったらどうでしょうか。
京都のあるお寺は,拝観日を往復はがきでのみ申し込みできます。
しかも,日付指定はできません。
返信のはがきに,拝観日の日時が書かれているそうです。

このような申込方法で「高い成約率」は見込めるでしょうか。
もちろん,難しいでしょう。
このお寺は,「拝観数」を制限するために,敢えてこのようなレトロな手段に限定しているのではないかと推測されます。

ですが,普通選挙は,選挙権を持っている人が選挙権を行使するのが前提です。
より利便性が高くなることが望まれます。

ならば,より簡単に,より楽に,投票できるような制度のほうが,より投票率が上がるでしょう。

一方,マーケティングは,申込方法で,顧客を選定することもできます。
先程のお寺の話も一例です。
極論ですが,
「WEBにする」
ことで,パソコンに疎い高齢者などを制限する,という発想もありでしょう。

例えば,オンラインで動画を視聴する。そんなコンテンツ販売会社が,電話申し込みを設置したらどうなるでしょうか。パソコンに疎い高齢者が電話申し込みしたらどうなるでしょうか。

きっと,サポートセンターがパンクするでしょう。
「パソコンの使い方はサポート外」
と明記したとしても,きっと電話は掛かってくるでしょうから。

ですので,レスポンスデバイスによって,顧客を選別する必要があるのです。

幅広く反応率を上げたいなら,とにかくレスポンスデバイスの利便性をアップする。
そうでなければ,レスポンスデバイスの内容で絞る。

今回の期日前投票の数字から,実に単純かつ明確に分かることでした。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平

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