コピーライティング流「浮気」の仕方

コピーライティング流「浮気」の仕方

コピーライティング流「浮気」の仕方
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「あなたの顧客は誰ですか?」
という問いがあります。

ピーター・ドラッカーによる有名な問いです。

なかなか難易度が高い質問であり,じっくり考える必要があります。

さて,今日は「浮気」の仕方について,です。

定義【浮気】
一つのことに集中できず心が変わりやすいこと。また、そのさま。移り気。

ここでの「一つのこと」とは,顧客のことに他なりません。

最近増えている,コピー添削,コピー診断をしていると,とにかく
「浮気」
が非常に増えています。

極端な例では,段落ごとに,ターゲットとなる想定顧客が移り変わっているのです。

冒頭の書き出しでは,30代男性経営者向け。
話が進んでいくと,30代男性管理職向け。
また極端に走ると…そのまま20代女性向けのコピーに変わっていたりします。

これを,浮気と言わずして何と言えばいいのでしょうか。

ちょっと想像してみてください。
合コンのシーンです。
…私は合コンに行ったことがないので,あくまでも想像です。

例えば,男女3対3の合コンだったとします。
ある男性が,はじめA子さんをターゲットとしてロックオンしたとします。
口説いて口説いて口説きまくります。

だんだん,感触が良くなってきたとします。
すると,こんどはB子さんをロックオンしはじめます。
ひたすらB子さんを口説きます。
そして…最後はC子さんまでロックオンして口説き始める。

さて,はじめのA子さんからしてみたら,
「自分がターゲット」
だと思っていたのが,いきなりB子さんへのロックオンの変遷によって,
「あれ?」
という感じを抱くのではないでしょうか。

口説きに応じるかどうかは別の話として,A子さんにしてみたら,自分を口説きに来て,いきなり目の前で他の人を口説きはじめるのです。
あまりいい気分には思わないのではないでしょうか。

それをそのままコピーにすると,「浮気感たっぷり」の広告になるのです。
非常に痛々しい広告になります。

性欲にまみれた,下半身だけで動いているような人を見ると,どんな気分になるでしょうか。
そんな人に眉をひそめる人は当然のようにいます。

そして…一人でも多くの顧客を取り込もうと,節操なく売りつけようとする銭ゲバな人を見ても,同じように眉をひそめる人がいるのです。

性欲かカネかはともかく,欲望のままに振る舞うことで,信用を喪う,ということは十分にありえるのです。

では,どうすればいいのか。
今日は「浮気の仕方」の解説です。

男女間と,ビジネスとの決定的な違い。
それは,男女は複数おつきあいをすると,モラル的ではない,ということになります。
特に結婚している男女は,一対一以外はありえません。

ですが,ビジネスは,一対一ではありません。
たくさんの顧客に,良い商品やサービスを提供して満足してもらうことが可能です。

ただ,一つの広告で,次から次にターゲットを切り替えているから,がっついているように見えて,見苦しく無様なように感じさせてしまうのです。

そんな広告は,見向きもされないでしょう。
なぜなら,人には自尊心があります。
「自分に向けて発せられたメッセージ」
ならば,応じることもあるでしょう。

ですが,自分のような,自分ではないような…というメッセージだと,判断しづらくなります。
特に,露骨に次から次に声を掛けているような人に反応したくなる人はいないのではないでしょうか。

だからこそ,広告コピーのメッセージだけは,一途さが必要です。
決めたターゲットに対して,その人に振り向いてもらえるような,一途なコピーを書けばいいのです。

もちろん,その人に絞る…ということは,他を選ばない…ということになります。
この「他を選ばない」言い換えると,切り捨てることができないので,無様に食い下がって他の人に声を掛けるようなコピーになります。

一途さを失わずに,「他の人にも声をかける」にはどうしたらいいのか。
それは,ターゲットごとに,一途なメッセージを送ればいい,ということになります。

究極の理想は一対一です。
例えば,1000人にDMを送る時に,一人ひとり全部カスタマイズした,私信的なメッセージにして一対一で送るのが理想です。

ただ,さすがにそこまではできません。
だからこそ,ターゲットを十分に絞り込みます。
仮に,30代男性経営者,という絞り込みをしたとします。
30代男性経営者向けにコピーを書きます。
そして,1000人中,実際に30代男性経営者にだけ,そのメッセージを送るのです。

仮に,1000人中,30代男性経営者が120人だとしたら,120人だけに送ってください。

すると880人を切り捨てた…と思ってしまう人がいます。
そうではないのです。
880人の中から,また新たにターゲットを絞ります。

今度は,30代女性経営者向けのメッセージにしたとします。
880人中90人が,該当したとします。
この場合は90人に送ればいいのです。

のこり790人の中から,また絞り込みを掛けて,送る。

これがコピーライティング流の正しい浮気の仕方です。

1つのメッセージで複数の属性の人にアプローチ。
これは,反応を下げるだけです。
これからは技術の発展によって,さらにマーケティングのハードルが上がります。
最終的には,一対一でないと反応が取れなくなる時代が来るかもしれません。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平

追伸
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ですが…浮気すると,誰からも嫌われます。

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